『水管理も多忙し』
−主な内容−

春の叙勲

先導的換地技術者を表彰

土地改良法施行規則の一部を改正する省令の概要

環境との調和に配慮した農業農村整備


農家・地域住民等参加型の直営施工

平成14年4月主要行事報告

表紙写真説明



春 の 叙 勲
渡辺会長が勲1等瑞宝章
 政府は、4月29日付けで平成14年春の叙勲の受章者を発表した。
 総数は、4,624人で、うち女性は、303人。本県関係では、66人が受章した。土地改良関係では、渡辺文雄本会会長が勲1等瑞宝章に輝いた。


勲1等瑞宝章
 渡 辺 文 雄(73歳)


 東京大学法学部卒。昭和28年農林省に入省、食品流通局長、水産庁長官、事務次官を歴任後、昭和59年11月に退官。同年12月から栃木県知事を4期16年務める。この間に、本県の地理的優位性を活かした首都圏農業の確立に努めるとともに、食料・農業・農村基本問題調査会会長代理を務め、制定後38年が経過した旧農業基本法の抜本的な見直しに貢献した。
平成8年4月に本会会長に就任、本年4月から全土連理事に就任し、現在に至る。他に7食生活情報サービスセンター理事長、7食品流通構造改善促進機構会長も努める。
自宅は、宇都宮市操町8番5号

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先導的換地技術者を表彰
土地改良換地対策全国協議会
 全国土地改良事業団体連合会主催の平成14年度土地改良換地対策全国協議会総会は、4月24日、東京都千代田区平河町において開催され、第4回先導的換地技術者表彰、平成14年度取組方針案の審議を行った。
 総会は、梶木又三全土連会長の開会挨拶に続き、武
藤嘉文協議会長が挨拶し、換地技術者の模範となる取
り組みを行い全国の土連から推薦された30名(本県の受賞者は後記のとおり)の方々が表彰され、受賞者を代表して香川県の宮本弘也氏が謝辞を述べられた。
 来賓挨拶では、本省農村振興局の永杉伸彦土地改良
企画課長が挨拶し、食と農の再生プランや平成14年度税制改正の概要、土地改良換地士資格試験に関する土地改良法施行規則の一部改正等の説明を行った。
 総会に続いて平成14年度換地センター全国代表者会議が開催され、平成14年度農用地集団化関係予算等の報告、先導的換地技術者を代表して、秋田県の高橋洋一氏、宮崎県の籾田隆生氏が事例発表を行った。

◎先導的換地技術者を表彰
 吉 澤 昭 栄 氏(本会換地一課主幹)

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土地改良法施行規則の一部を改正する省令の概要
 土地改良法の改正に伴う同法施行規則の一部を改正
する省令が本年1月18日に公布され、改正法の施行の日の4月1日から施行された。その概要は次のとおり。

1.計画概要について行う市町村長との協議の方法
 土地改良事業実施手続において、土地改良事業計画の概要につき行っていた「市町村長の意見聴取」が「市町村長との協議」に改められた(法第5条第3項等)ことに伴い、協議の方法を次のように定める。
(1)市町村長との協議は、当該事業の計画の概要を記載した書面及び法第5条第2項の規定により公告すべき事項を記載した書面を提出して行う。(則第9条の2)
(2)市町村長は、協議における意見を書面により表示する。(則第10条)
(3)土地改良事業の実施についての認可等の申請書に、協議における意見をすべて記載した書面を添付する。(則第14条)

2.特定受益者からの意見聴取の方法
 土地改良区は、組合員以外の者で土地改良事業により著しく利益を受ける者(特定受益者)からの経費の徴収の認可を申請しようとするときは、あらかじめ聴取の方法について特定受益者及び市町村長の意見を聴くこととされた(法第36条)ことに伴い、意見聴取の方法を次のように定める。(則第28条の3)
(1)意見聴取は、徴収の方法、意見の提出方法及び提出期限を記載した書面を送付して行う。
(2)徴収の方法は、徴収する金額の算出の基礎となるべき事項を明らかにしたものでなければならない。
(3)意見は書面により表示されなければならない。

3.意見書提出のための公告の方法
 国県営事業を実施すべきことを申請しようとする者等は、計画概要を公告し、縦覧に供することとされ、計画概要に意見がある者は、意見書を提出することができることとされた(法第85条第6項等)ことに伴い、公告の方法を次のように行うこととする。(則第57条の2の2)
(1)申請に係る地域内にある土地の属する市町村の事務所の掲示場に掲示する。
(2)縦覧に供すべき書類の名称、縦覧の期間及び場所並びに意見書の提出方法を記載して公告する。
(3)公告は、縦覧期間満了の日までしなければならない。

4.国県営事業の廃止手続の際の公告事項
 国県営事業の廃止手続の整備が行われた(法第87条の3等)ことに伴い、廃止手続の際に3条資格者の3分の2以上の同意を得るために公告する事項を次のように定める。(則第61条の8の3)
(1)廃止しようとする事業の処理に関する事項
(2)その他必要な事項

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環境との調和に配慮した農業農村整備
 農林水産省は、平成14年2月14日に「環境との調和に配慮した農業農村整備事業等基本要綱」、「田園環境整備マスタープランの作成等に関する要領」を制定し、それぞれ通達した。それらの要旨は、概ね次のとおりである。


第1 環境との調和に配慮した事業の推進
 我が国の農村においては、水田等の農地のほか、二次林である雑木林、用水路、ため池、畦や土手・堤といった多様な環境が有機的に連携し、多くの生物が育まれ多様な生態系が形成されてきた。我が国の農村の環境は、このような適切な維持管理の上に成り立った
二次的自然を基調とするものであり、その保全や回復を図ることが、国全体として良好な環境を維持・形成する上でも重要である。
 農業生産基盤整備や農村生活環境整備、農地保全等を行う事業の実施に際しても、農業生産性の向上等の目的を達成しつつ、地域全体を視野において、可能な限り農村の二次的自然や景観等への負荷や影響を回避・低減するとともに、良好な環境を形成・維持し、持続可能な社会の形成に資するよう、さらに環境との調和に配慮してゆく必要がある。
 このため、今後の農業農村整備事業等については、
地域の合意のもと市町村が作成する農村地域の環境保全に関する基本計画である田園環境整備マスタープランを踏まえて実施するものとし、食料の安定供給等と併せ、自然と共生する田園環境の創造に貢献する事業内容に転換することとする。


第2 田園環境整備マスタープランに基づく事業の実施
 国の直轄又は補助による農業農村整備事業等は、田園環境整備マスタープランが定められている地域において、田園環境整備マスタープランの内容を踏まえて実施するものとする。
 また、国は、補助事業の実施に当たって、申請された事業計画が次に該当する場合には、当該事業を採択しないものとする。
(1)当該事業計画が関係する田園環境整備マスタープランにおいて保全すべきとされている生態系について、有効な対策が講じられていない場合
(2) 当該事業計画が関係する田園環境整備マスタープランにおいて配慮すべきとされている事項について、有効な対策が講じられていない場合
(3)その他当該事業計画が関係する田園環境整備マスタープランと整合が図られていないと認められる場合


第3 田園環境整備マスタープランの対象地域
 対象とする地域は、農業農村整備事業等の実施地区又は実施を予定する地区をその区域に含む市町村において、次に該当する地域とする。
(1)農業振興地域の整備に関する法律第6条第1項の規定に基づき指定された農業振興地域
(2) 農業振興地域以外の地域であって、生態系の連続性や農道・水路等の施設の一体性・連続性を考慮して市町村がマスタープランの対象として取り込むべきと定めた地域


第4 田園環境整備マスタープランの作成
1.市町村がマスタープランを作成するときは、次の点に留意するものとする。
(1)マスタープランの作成に当たっては、対象地域における自然環境(気象、地形・地質、水環境、植物、動物、景観)及び社会環境(地域指定、地域指標、観光レクリエーション、土地利用、関連計画、歴史・文化)に係る現況の調査を行い、その調査結果に基づくものとする。
(2)マスタープランにおいては、次に掲げる事項を定めるものとする。
 ア 地域内の環境評価に関する事項
 イ 環境保全の基本方針に関する事項
 ウ 地域の整備計画に関する事項
 エ その他市町村長が必要と認める事項
(3)マスタープランにおいては、次に掲げる事項を満たすものとする。
 ア 都道府県、市町村において既に作成されている環境に関する計画等、都道府県、市町村の施策との調和に十分配慮されたものであること。
 イ 対象地域が、環境創造区域(自然と共生する環境を創造する区域)又は環境配慮区域(工事の実施に当たり、環境に与える影響の緩和を図るなど環境に配慮する区域)のいずれかに区分されたものであること。
(4)マスタープランの作成に当たっては、関係行政機関等との密接な連携の下に検討を行うとともに、地域住民の意向及び学識経験者等の意見を計画に反映させるよう努めるものとする。
(5)既に、農村環境計画策定要綱に基づき農村環境計画が作成されているときは、当該計画をマスタープランとみなすものとする。
(6)このほか、市町村において(2)アからウに該当する事項を定める計画等が既に定められているときは、これをマスタープランとして活用することができるものとする。
2.農業農村整備事業等の事業計画作成に当たって必要なマスタープランが作成されていないときは、事業主体は関係市町村に対してマスタープランの作成を要請するものとする。


第5 その他
 補助事業の事業主体は、各農業農村整備事業等の実施要綱等が定める事業採択申請書の提出方法により、当該事業の実施地区に係るマスタープランを事業採択申請書と併せて提出するものとする。

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農家・地域住民等参加型の直営施工
 農林水産省は、農業農村整備事業の実施方式の抜本
的改革のうち、画一的な整備から弾力的な整備への転
換の一環として「農業農村整備事業等における農家・
地域住民等参加型の直営施工について」を3月29日に通達した。その要旨は、概ね次のとおりである。


第1 基本要件
 参加型の直営施工は、対象作業について、事業実施
主体が地元に対して説明を行い、農家・地域住民等及
びこれらで構成される団体から当該作業への参加の申
し出があり、事業実施主体が適当と認めた場合におい
て実施する。


第2 対象作業
 参加型の直営施工で実施する作業は、その作業の難
易度及び安全確保の観点から、当面の間、次に掲げる
ものを参考とする。
(1)土工関係
 ・掘削面の高さが2メートル以下となる地山の掘削
(2)水路工
 ・厳密な標高管理を要しない用排水路末端部分の施
  工
 ・小規模な水路(コンクリート二次製品等)の設置
 ・小規模な取水・分水施設の設置
(3)道路工
 ・耕作道路等の新設・改良
 ・耕作道路等における砂利・コンクリート舗装
(4)区画整理(権利移動を伴わないもの)
 ・畦畔の造成・除去
 ・ほ場進入路の造成・除去
 ・心土破砕
 ・客土・土壌改良材の投入
(5)暗渠排水
 ・弾丸暗渠等の簡易な暗渠排水の施工
(6) 環境整備工その他
 ・鳥獣害防護柵の設置
 ・看板、ベンチ等の設置
 ・重機を伴わない植栽
 ・転落防止柵の設置


第3 対価の支払
1.事業実施主体が参加型の直営施工に対して対価を支払う場合は、参加型の直営施工の対象工事に係る全ての直接工事費相当額が、当該対象工事を請負施工とした場合の直接工事費相当額を超えないものとする。
2.また、対価を作業委託料として団体に対して支払う場合は、原則として、参加型の直営施工の実施地域にある土地改良区、都道府県土地改良事業団体連合会及び農業生産法人を対象とする。
3.なお、地方農政局長が特に認めた農家・地域住民等で構成される団体は、対価の支払い対象団体とすることができる。


第4 労働保険等
 参加型の直営施工を実施する事業実施主体及び参加型の直営施工に参加する農家・地域住民等並びにこれらで構成される団体は、必要な労働災害保険や損害保険に加入するものとし、これに必要な費用は、当該事業費から適切に支出するものとする。

第5 施工管理・安全管理、検査等
 事業実施主体は、参加型の直営施工の施工管理、安全管理及び検査を適切に行うものとする。施工管理・安全管理及び検査等について、必要があれば、現場技術業務等の活用を図るものとする。

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平成14年4月主要行事報告
行  事
1定期人事異動等辞令交付式
11栃木県農業集落排水事業連絡協議会監事会
18北那須土地改良事業推進協議会第28回通常総会
227日本農業集落排水協会業務実施方針等説明会
22全県域下水道化構想策定マニュアル説明会
22栃木県農政の基本方針と農務部主要事業に関する説明会
22栃木県河宇土地改良協議会総会
23農業農村整備計画セミナー
「農村の振興と環境への配慮をめざした新たな展開」
23安足土地改良事業推進協議会第25回通常総会
24農地流動化支援水利用調整事業担当者会議
24利根川水系農業水利協議会栃木県支部第5回総会
24土地改良換地対策全国協議会総会・換地センター全国代表者会議
25関東農地集団化推進協議会第49回通常総会・功労者表彰式
30下都賀地方土地改良事業推進協議会第19回通常総会

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表紙写真説明

表紙の写真『水管理も多忙し』

○撮 影 者
 野 亦  茂氏(小山市在住)

○撮 影 地
 那須郡烏山町大字小木須字国見地内

○コ メ ン ト
 平成13年度「美しいとちぎのむら写真コンテスト」景観保持・分化部門で優良賞に輝いた作品です。
 審査員の講評は、「ワイドレンズを使った風景の入れ込み方が上手。畔を歩く人物がいることがこの作品を引き立たせている。」とのことでした。国の「棚田百選」にも選ばれている場所です。沢の谷間の急傾斜地の水田は、農作業も大変ですが、自然水利用だけに、水の管理に尚一層の注意を必要とします。
 

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