『水土里ネットとちぎ』は本会の愛称です

『故郷の祭り』
−主な内容−

平成14年度食料・農業・農村白書

ふるさと『語り部』交流会

情報公開規程を制定

関東一都九県土地改良事業団体連合会
協議会春季総会


農村総合整備センター運営委員会を開催

農村総合整備事業促進協議会総会を開催


土地改良区統合整備推進協議会を開催

水土里ネットの商標登録

第26回全国土地改良大会

消費税の取扱の変更について

訃報・蕎麦田友治氏逝去

平成15年7月主要行事報告

表紙写真説明



構造改革を一層加速化
14年度食料・農業・農村白書
 農林水産省は、平成14年度食料・農業・農村白書をまとめ、5月20日に閣議決定し、国会へ報告した。
今白書は、「食」の安全と安心によって日本の農業が支えられているという原点に立ち返ること、意欲ある経営体に思い切った施策の集中化・重点化を図り、農業の構造改革を加速化させること、循環型社会の形成や多面的機能の発揮など農村の持つ役割を積極的に評価し、関係者が一体となった内発的な取組みを推進していくことを基本認識として分析・検討されており、農林水産政策の構造改革に不退転の覚悟で取組まなければならないという決意を表明している。このような認識のもとで、「食料の安定供給システムの構築」、「構造改革を通じた農業の持続的な発展」、「活力ある美しい農村と循環型社会の実現」の3章及び14年度の特徴的な出来事を簡潔に紹介するトピックスで編成され、現下の課題を浮き彫りにした。以下は、その概要である。
 今回から設けられたトピックスの内容は、「食品の安全性確保とリスク分析」、「デフレと食料消費等との関係」、「米政策改革大綱〜改革の理念と特徴〜」、「イネゲノムの解読」、「バイオマス・ニッポン総合戦略」、「水と食と農大臣会議の開催」、「WTO農業交渉」の7項目である。
 「デフレと食料消費等との関係」では、米とカレールウの消費者物価指数と実際に消費者が購入する価格である家計調査の指数が乖離してきている状況のグラフを掲載。物価の下落と現金収入の減少等が、食料品の購買行動に影響し、より低価格な食料品を求める行動が現れ、農産物価格の下落を招き、その結果、国内の農業生産に影響を与えていることを示した。
 第1章「食料の安定供給システムの構築」 では、まず「食」の安全と安心の確保について、食品安全委員会や消費・安全局の設置など行政組織を改革再編すること、充分なリスクコミュニケーションを行うために、食品のカドミウム、麦類のかび毒、魚介類のダイオキシンについて、それぞれ対策チームを設置して、情報提供、意見交換等を実践していることを解説。また、食品表示の信頼確保に貢献するため、同一品種の産地偽装に対応できる技術の開発が進んでいることも紹介している。
 食料消費をめぐる動きでは、中年男性の昼食は、苦しい家計事情から家庭弁当に移行したものが多くなっていると推測している。
 第2章「構造改革を通じた農業の持続的な発展」 では、日本農業の構造改革にとって最後のチャンスという認識を提示。農業の構造改革の後退をもたらす動き(耕作放棄地の増加、稲作を中心とする水田農業における担い手への農業生産資源の集中の遅れ、農家の下位層への分化傾向や農業労働力の高齢化等)を報告し、意欲ある経営体の育成を一層加速化させることが重要であり、そのための制度・政策改革が喫緊の課題であるとしてる。
 第3章「活力ある美しい農村と循環型社会の実現」 では、地球環境という面から食料・農業農村のあり方を考える視点、バイオマス等生物性資源の持続的活用といった視点、経済情勢が厳しい中での農村の振興といった3つの視点で考察を行っている。
第3章第1節「農業の自然循環機能の維持増進」
(1)地球環境と農業
 地球環境問題の解決に当たっては、世界各国が 協力して取り組む責務。
 持続的な農業の展開を通じた循環型社会の構築が必要。
(2)農業の自然循環機能を活用した生産方式の普及・定着
  環境保全型農業の取り組みが進展。
  エコファマーは、平成15年3月末現在全国で
  25573名で前年同期比約3倍。
(3)農業の有する多面的機能の内容
 農業の有する多面的機能の確保が必要。
第3章第2節「バイオマスの持続的活用に向けた農山漁村の役割」
(1)バイオマス利活用の意義
 地球温暖化防止に貢献するなど循環型社会の実現に資する。
 新たな環境調和型産業の創出等を通じて農林漁業、農山漁村の活性化に資する。
 「バイオマス・ニッポン総合戦略」の策定。
(2)我が国のバイオマスの利活用の現状
 廃棄物バイオマスの利活用が始まっている。
 家畜排泄物の堆肥としての流通利用を促進する必要。
 食品廃棄物の利活用は事業系で先行。
 家庭系食品廃棄物の利活用を進めることが重要な課題。
 未利用資源や資源作物の利活用を進めるため、経済性の向上が必要。
(3)バイオマスの持続的活用の果たす都市と農山漁村の現状と展望
第3章第3節「活力ある農村の実現に向けた振興方策」
(1)農村の現状
 地方の人口減少が続いており、農村の人口減少も続いている。
 農業集落の農家率が減少し、集落機能の弱体化が懸念。
 経済状況の悪化からも農村活性化の必要性が高まっている。
(2)活力ある農村の実現に向けて
ア.魅力あふれる地域づくり
 国民の農村に対する意識が変化。
 都市住民は、様々なライフスタイル(年代)によって農村への関わり方が異なっている。
イ.農村の内発的な活性化の推進
 NPO法人等による市民農園の開設の増加が期待されている。
 農村での新たな生活産業の創出に向け市民農園等を活用した取り組みが必要。
 新たな産業として農家民宿等グリーン・ツーリズムへの関心の高まりがある。
 農村は、高齢者が生涯現役で活き活きと生活できる場である。
ウ.農村の社会基盤の整備
 暮らしやすい農村となることが求められている。
 農村における情報通信基盤の整備、農村からの情報発信が必要。
 農業者の6割以上は、高度情報基盤の整備を望んでいる。
 農村における自然との共生に向けた取り組みが必要。
 継続的に地域住民、土地改良区及び行政から構成されている協議会や環境の専門家等との意見交換の場を設け、情報の共有化を図り、地域住民と行政が連携し、自然との共生への取り組みを図っていくことが重要。
 NPOや地域住民の主体性を活かせる自然再生推進法が制定された。
 住民参加のもとで、農地等の適切な保全と利用を図る取り組みを期待。
 関係施策の連携により農村を共生・対流の拠点として整備することが必要。

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農村の民話などを紹介
ふるさと『語り部』交流会
 農山村の自然や地域に伝わる民話について話し合う「ふるさと『語り部』交流会」が農林水産省関東農政局の主催で6月21日、宇都宮市の栃木県総合文化センターにおいて開催された。




 自らも語り部であり、NHKキャスターで武蔵野大学非常勤講師の平野啓子氏がコーディネーターを務め、下野民話の会のメンバーなど6人の語り部が県内各地の伝説などを紹介した。
 交流会は、農林水産省が地域資源を活用した特色ある農村振興を行うため、農村の美しい景観や伝統文化、各地に伝わる貴重な話を多くの人に発信、伝承しようと企画したもので、石川県金沢市に次いで2カ所目の開催。会場には、県内の語り部や傍聴者等約40人が集まった。
 平野氏は、「再び訪れたいと思う土地は、地元の人が自分の地域に誇りを持ち、地元の素晴らしさを紹介してくれる所。」と説明。下野民話の会代表である栃木県立博物館の柏村祐司学芸部長も「農山村には、語りの文化がある。伝説を伝えることは、郷土に誇りを持たせる一番早い方法。下野民話の会のメンバーには、一つの物語を語る時は、必ず現地を見てから語るように指導している。」と語った。
 宇都宮市在住の笠野良子さんは、芳賀町の五行川の梅ノ木堰にまつわる伝説「手彦子の蛇侍」を語った。
病気がちな若い女性が侍に姿を変えた大蛇の魔力で、突然身ごもるという話を、栃木弁にのせて情感豊かに語った。
 高根沢町在住の和地芳江さんが、現在も水田用水として活用されている高根沢町の湧水池「おだきさん」にまつわる入水伝説を語り、大田原市ふるさと民話の会の鍋谷雅子さんが、大田原市佐久山の伝説「大日堂のけやき」にまつわる話を語った。
 塩谷町の影絵劇団「こんぺいとう」を主宰する手塚輝子さんと団員は、塩谷町船生に舞継がれている「寺小路の獅子舞」にまつわる藤原利仁公の伝説を影絵を用いながら披露した。



 国分寺町在住の若林英二さんは、前国分寺町長、下野文芸会の会長をしている。「私たちの世代は、戦争のつらく、苦しい記憶を持っている。いわゆる民間伝承とは少し異なるけれど、そういったものを織り込んだ話を伝えたい。」と語り、平野氏が唱歌「春の小川」の小川が農業用水路だったことを知ったときに驚いた話をすると、「農村の小川は、その昔、すべて農業用水路だった。」と、農業が生活の中心であり、人が関与してきた自然が農村の美しい景観を形成していると述べた。
 柏村部長も、「百年前は、どこも農村。農業が文化の土台になっている。また、本県の民話には、水不足になりやすい土地柄に気候の特性が重なって、雷様にまつわる伝承が多い。」と紹介した。
 交流会終了後、平野氏と語り部の一行は、芳賀町の「手彦子の蛇侍」伝説発祥地の梅ノ木堰等を視察。高根沢町の湧水池「おだきさん」を視察した際には、和地さんに現地での語りを披露してもらった。さらには、河内町の県営自然環境整備事業西鬼怒川地区と宇都宮市の「メダカの里親の会」が主催する田んぼの学校を視察した。


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情報公開規程を制定
 本会の平成15年度第2回理事会は、去る7月14日に開催し、平成14年度事業報告、同一般会計の決算、同財産目録を承認し、定款の一部改正、第71回臨時総会の招集、情報公開規程の制定などを議決した。
 本会の情報公開については、全国水土里ネット(全土連)において昨年秋から検討委員会を設置して検討してきた結果、土地改良事業団体連合会は、法人としての存立目的、使命等から国、地方公共団体、特殊法人その他の公益法人等と同様に、情報公開に対する国民の要請に的確に対処することが必要、また、全国の土地改良事業団体連合会が一定の内容で全体的に情報公開に努めることが肝要であることから、自主的に対応することとなったことを受け、本会においても、本年8月から公開することとなった。以下は、本会の情報公開規程の要約である。



栃木県土地改良事業団体連合会情報公開規程


    (目  的)
第1条 この規程は、本会の情報公開について、必要な事項を定めることを目的とする。

    (法人の責務)
第2条 本会は、この規程の解釈及び運用に当たっては、原則として、土地改良法に基づく閲覧はもとより、一般の閲覧に供することの趣旨を尊重するとともに、個人に関する情報がみだりに公開されることのないよう最大限の配慮をしなければならない。

    (利用者の責務)
第3条 第5条に規定する公開対象資料を閲覧した者は、これによって得た情報をこの規程の定めるところに従って適正に使用するとともに、第三者の権利を侵害することのないように努めなければならない。

    (管  理)
第4条 本会の情報公開に関する事務は、本会の総務部総務課が統括管理する。

    (情報公開の対象資料)
第5条 本会において情報公開の対象とする資料は、次の各号に掲げるものとする。ただし、個人に関する情報又は法人、その他の団体に関する情報であって、公にすることにより当該個人又は法人、その他の団体の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれがあるものを除く。
  (1)定 款
  (2)役員名簿
  (3)会員名簿
  (4)事業報告書
  (5)収支決算書
  (6)正味財産増減計算書
  (7)貸借対照表
  (8)財産目録
  (9)事業計画書
  (10)収支予算書

2  公開対象資料は、原則として一般の閲覧に供するものとし、法に基づく閲覧の場合には、その請求と必要性に基づき公開対象資料以外の資料についても公開するものとする。
   また、この公開対象資料は、総会で承認を得たものの写しとする。

3  公開対象資料は、本会が定める場所に常時備え置くものとする。

4  第1項第4号から第10号の資料については、5年間備えて置くものとし、同項第1号から第3号の資料については、可能な限り最新のものを備えて置くものとする。

    (閲覧場所等)
第6条 本会の公開対象資料の閲覧場所は、本会の指定した場所とする。

2  閲覧のできる日は、本会の休日以外の日とし、閲覧の時間は、午前9時から午後4時までとする。
    (閲覧申請の手続等)
第7条 本会の公開対象資料の閲覧を希望する者は、閲覧申請書に必要事項を記載の上、会長に提出しなければならない。
2  総務部総務課の情報公開事務担当者は、前項の閲覧申請書を受理したときは、閲覧受付簿に必要事項を記載しなければならない。

3  閲覧者から閲覧している資料について説明を求められたときは、事務局長が予め指命した者が説明し、その経過は、質疑応答記録簿に記載しておかなければならない。

4  前項の説明に当たっては、本会の業務運営上重大な支障を及ぼすおそれがあると認められる事項を除き、可能な限りその説明に努めるものとする。

5  公開対象資料について、転記又は複写の要請があったときは、事務局長は、その内容、数量等から総合的に判断し、その認否を決定するものとする。

    (費用の負担)
第8条 公開対象資料の閲覧は、無料とする。
2  前条第5項の規定により複写を認めたときは、これに要する実費を徴収するものとする。

    (インターネットによる情報公開)
第9条 第5条第1項に規定する公開対象資料は、同条第2項の規定に拘わらず、その概要をインターネットにより公開することができるものとする。

    (補  則)
第10条 この規程に定めるもののほか、必要な事項は、会長が別に定める。

     附  則
1.この規程は、平成15年8月1日から施行する。
2.この規程は、原則として平成15年度以降において作成した公開対象資料について適用する。

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土地改良事業予算等の要望事項を国に陳情
関東一都九県土地改良事業団体連合会協議会春季総会
 関東一都九県土地改良事業団体連合会協議会(石川豊山梨県土連会長)は、去る6月26日、東京都千代田区平河町の砂防会館において、平成15年度春季総会を開催した。
 総会には、来賓に佐藤昭郎参議院議員、段本幸男参議院議員、佐藤準全国水土里ネット専務理事を招き、平成14年度事業報告、同収支決算、平成15年度事業計画、同収支予算、国に対する農業農村整備事業推進に関する要望及び政策提案事項を原案どおり承認・議決した。
 総会終了後、下記のとおり財務省及び関係国会議員に対して要望を行い、農林水産省及び関東農政局に対して農業農村整備事業推進に関する提案を行った。

春季総会決議事項要望書

(別紙のとおり)

農業農村整備事業推進に関する提案書

(別紙のとおり)


要 望 要 旨

1 地域の状況
 戦後経済優先の社会は、都市の過密化と農山村の過疎化を助長し、環境の悪化や国土保全機能の低下など様々な問題を発生させ、国民の生活環境までも変えてきた。
 特に関東は、1都9県からなり日本を代表する東京・横浜を中心とした大都市と、この大都市に隣接した地域とからなり、首都圏に近接している有利な地理的条件を生かした都市近郊型農業地帯と、自然や変化に富んだ地域の特徴を活かした中山間地域とに区分され、それぞれ特徴を生かした農業が展開されている。
 しかしながら、中山間地域の農山村は社会・経済的な変革の中で、労働人口の流出による高齢化や過疎化が進み、後継者不足・担い手不足による農地の遊休化は、食料生産は基より環境保全機能が損なわれるなど様々な問題が発生している。
 一方、都市部においては、都市住民の価値観やライフスタイルの多様化により、中山間地域、農業・農村に「ゆとり」や「安らぎ・癒しの場」としての評価が高まり、「都市と農村の共生・対流」に期待が寄せられている。
 このため、これまでも活力ある農山村の構築に向け、生産基盤の整備、農村振興整備事業など、安らぎや潤いのある美しい地域造りを進めていく所であるが、都市部に比べ生産基盤のみならず生活環境基盤の整備が遅れていた中山間地域は更なる取り組みが求められている。
2 地域農業振興の課題
 20世紀が工業の時代であったのに対し、21世紀は人間と環境の調和と共存を基盤とした「潤いや心の豊かさ」を求めた、安全・安心を望む精神文化の時代であり、正に「農業の世紀」といわれております。
 このため、昨年出された『「食」と「農」の再生プラン』の中でも、「農業構造改革の加速化」を進めるため、米政策の大転換として水田農業の構造改革を加速化するとしている。また、「食の安全と安心の確保」の中では、農場から食卓へ顔の見える関係を構築する。
 さらに、「都市と農山漁村の共生・対流」では、人と自然が共生する美の国づくりをするとして、都市と農山村漁村で行き交う故郷を造ることとしている。
 しかしながら、農産物の輸入自由化による価格の低迷に加えて、地理、地形的条件や担い手不足から農地の遊休化が進む中山間地域など、農業構造改革の加速化や都市と農山村の共生・対流には、農業・農村のさらなる振興策が求められている。
 また、いずれの地域においても、既に整備した土地改良施設の老朽化や、保守点検・補修など維持管理費用が増加しているなど新たな問題も発生している。
3 必要な新規事業や制度拡充への要望
 『「食」と「農」の再生プラン』の3本の柱の一つでもある「農業構造改革の加速化」は、水田農業の改革として水田から畑作農業への転換を進めるなかで、二つ目の柱である「食の安全・安心の確保」への相乗効果による新たな担い手の確保を目指すものと考えている。
 さらに、三つ目の柱である「都市と農山村の共生・対流」は、急速な社会構造の変化に、価値観やライフスタイルが多様化し、ゆとりと安らぎ、憩いの場として農山村が見直されていることから、地域の特徴を生かした健全な中山間地域の構築を目指すものであるが、この農山村はそれぞれの地域が豊かで、農業がきちんと営まれていることが大前提であり、個性と個性豊かな農山村を都市住民が理解したとき、真の共生・対流が成り立つものであり、健全な農山村、中山間地域の形成に向け次の施策と更なる拡充を要望する。
(1)農村整備事業の拡充と中山間地域総合整備事業、田園空間整備事業の推進
・生産基盤の整備と併せて美しい農村空間整備を実施する事業の創設を要望
(2)経営体育成基盤整備・経営体育成促進事業の推進
(3)土地改良施設の維持管理に対する公的支援の充実
・土地改良施設が担う多面的機能を確保するため、各種施設の維持管理に公的支援の拡充を要望
(4)土地改良区の組織運営基盤強化のため、合併等土地改良区総合強化対策の推進
(5)新たな米政策を踏まえ、増大する土地改良区の役割に対する支援措置の創設
・地域資源(農地、農業用水)の管理等土地改良区の役割を踏まえた支援措置の創設
(6)農業水利施設等の土地改良施設の円滑な維持更新の推進
(7)農道、農地防災・保全の着実な整備
(8)農業集落排水資源循環統合補助事業の推進
(9)21世紀土地改良区創造運動に対する一層の支援強化



提 案 要 旨

1 地域の状況
 戦後経済優先の社会は、都市の過密化と農山村の過疎化を助長し、環境の悪化や国土保全機能の低下など様々な問題を発生させ、国民の生活環境までも変えてきた。
 特に関東は、1都9県からなり日本を代表する東京・横浜を中心とした大都市と、この大都市に隣接した地域とからなり、首都圏に近接している有利な地理的条件を生かした都市近郊型農業地帯と、自然や変化に富んだ地域の特徴を活かした中山間地域とに区分され、それぞれ特徴を生かした農業が展開されている。
 しかしながら、中山間地域の農山村は社会・経済的な変革の中で、労働人口の流出による高齢化や過疎化が進み、後継者不足・担い手不足による農地の遊休化は、食料生産は基より環境保全機能が損なわれるなど様々な問題が発生している。
 一方、都市部においては、都市住民の価値観やライフスタイルの多様化により、中山間地域、農業・農村に「ゆとり」や「安らぎ・癒しの場」としての評価が高まり、「都市と農村の共生・対流」に期待が寄せられている。
 このため、これまでも活力ある農山村の構築に向け、生産基盤の整備、農村振興整備事業など、安らぎや潤いのある美しい地域造りを進めている所であるが、都市部に比べ生産基盤のみならず生活環境基盤の整備が遅れていた中山間地域は更なる取り組みが求められている。
2 地域農業振興の課題
 20世紀が工業の時代であったのに対し、21世紀は人間と環境の調和と共存を基盤とした「潤いや心の豊かさ」を求めた、安全・安心を望む精神文化の時代であり、正に「農業の世紀」といわれております。
 このため、昨年出された『「食」と「農」の再生プラン』の中でも、「農業構造改革の加速化」を進めるため、米政策の大転換として水田農業の構造改革を加速化するとしている。また、「食の安全と安心の確保」の中では、農場から食卓へ顔の見える関係を構築する。
 さらに、「都市と農山漁村の共生・対流」では、人と自然が共生する美の国づくりをするとして、都市と農山村漁村で行き交う故郷を造ることとしている。
 しかしながら、農産物の輸入自由化による価格の低迷に加えて、地理、地形的条件や担い手不足から農地の遊休化が進む中山間地域など、農業構造改革の加速化や都市と農山村の共生・対流には、農業・農村のさらなる振興策が求められている。
 また、いずれの地域においても、既に整備した土地改良施設の老朽化や、保守点検・補修など維持管理費用が増加しているなど新たな問題も発生している。
3 必要な新規事業や制度拡充への提案
 『「食」と「農」の再生プラン』の3本の柱の一つでもある「農業構造改革の加速化」は、水田農業の改革として水田から畑作農業への転換を進めるなかで、二つ目の柱である「食の安全・安心の確保」への相乗効果による新たな担い手の確保を目指すものと考えている。
 さらに、三つ目の柱である「都市と農山村の共生・対流」は、急速な社会構造の変化に、価値観やライフスタイルが多様化し、ゆとりと安らぎ、憩いの場として農山村が見直されていることから、地域の特徴を生かした健全な中山間地域の構築を目指すものであるが、この農山村はそれぞれの地域が豊かで、農業がきちんと営まれていることが大前提であり、個性と個性豊かな農山村を都市住民が理解したとき、真の共生・対流が成り立つものであり、健全な農山村、中山間地域の形成に向け次の施策と更なる拡充を提案する。
(1)農村整備事業の拡充と中山間地域総合整備事業、田園空間整備事業の推進
・生産基盤の整備と併せて美しい農村空間整備を実施する事業の創設を要望
(2)経営体育成基盤整備・経営体育成促進事業の推進
(3)土地改良施設の維持管理に対する公的支援の充実
・土地改良施設が担う多面的機能を確保するため、各種施設の維持管理に公的支援の拡充を要望
(4)土地改良区の組織運営基盤強化のため、合併等土地改良区総合強化対策の推進
(5)新たな米政策を踏まえ、増大する土地改良区の役割に対する支援措置の創設
・地域資源(農地、農業用水)の管理等土地改良区の役割を踏まえた支援措置の創設
(6)農業水利施設等の土地改良施設の円滑な維持更新の推進
(7)農道、農地防災・保全の着実な整備
(8)農業集落排水資源循環統合補助事業の推進
(9)21世紀土地改良区創造運動に対する一層の支援強化

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農村総合整備センター運営委員会を開催
 本会は、去る6月30日、栃木県土地改良会館において、栃木県農村総合整備センター運営委員会を開催した。
 会議に先立って、任期満了に伴い、後藤副会長から後記の委員全員に委嘱状の交付が行われた。
 議題は、第1号議案の運営委員長及び職務代理者の選任については、委員長に渡辺良治小川町長を、職務代理者に宇賀持正紀南河内町長を、それぞれ留任という形で選任した後、平成14年度農村総合整備推進事業実績報告と平成15年度農村総合整備推進事業計画として、技術指導活動及び技術向上対策等を承認、決定して終了した。


◎運営委員会(敬称略)
委 員 長  渡 辺 良 治(栃木県農村総合整備事業促進協議会長)
職務代理者  宇賀持 正 紀(栃木県農村総合整備事業促進協議会副会長)
委   員  野 中 英 夫(栃木県農村振興室長)
委   員  大久保 幸 雄(栃木県農地計画課長)
委   員  後 藤 伊 位(本会副会長)
委   員  沼 部 和 弘(本会専務理事)
委   員  鈴 木 弘 之(本会参事)

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農村総合整備事業促進協議会総会を開催
 栃木県農村総合整備事業促進協議会(会長・渡辺良治小川町長)は、6月30日、栃木県土地改良会館において第27回通常総会を開催した。
 総会は、会員である県内の農村総合整備事業事業実施市町村の代表者が出席、来賓に野中英夫栃木県農務部農村振興室長、大久保幸雄同農地計画課長、沼部和弘栃木県土地改良事業団体連合会専務理事等を迎え盛大に開催された。
 議事では、平成14年度事業報告、同収支決算、平成15年度事業計画、同経費の負担及び払い込み方法、同収支予算の5議案を滞りなく審議決定した。
 平成14年度の主な事業実績としては、図書「新しい村づくり」の購入配布、各種研修会への参加、先進地視察研修の実施、国に対する要請活動の他、栃木県農業集落排水事業研究会を主催して、各種の問題に対する議論を通じて研究活動を展開した。

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土地改良区統合整備推進協議会を開催
 本会は、去る7月14日、栃木県土地改良会館において平成15年度第1回栃木県土地改良区統合整備推進協議会を開催した。
会議は、初めに欠員に伴う委員長の互選が行われ、寺嶋勝豊吾妻土地改良区理事長が選任された。続いて、平成14年度活動報告と平成15年度活動計画が協議され、原案どおり承認・議決された。その後、本県における統合整備の推進状況について協議した。
 なお、平成14年度活動報告においては、上三川地区等13地区における合併等の指導援助の実績を報告し、平成15年度活動計画においては、宇都宮市の鬼怒川左岸地区等14地区に対する合併等の指導援助計画が協議された。
 さらに、本県における統合整備の推進状況においては、栃木県土地改良区統合整備基本計画II期計画の進捗状況と同基本計画III期計画の策定スケジュール等が報告された。


◎委員 (敬称略)
委 員 長 寺 嶋 勝 豊(吾妻土地改良区理事長)
副委員長 沼 部 和 弘(本会専務理事)
  〃   熊 田   善(大田原市土地改良区副理事長)
委  員 大久保 幸 雄(栃木県農地計画課長)
  〃    蕎麦田 友 治(石井川土地改良区理事長)
  〃    大 出   巖(見野土地改良区理事長)
  〃    小 坂 利 雄(真岡市中央土地改良区理事長)
  〃    永 島   明(大岩藤土地改良区理事長)
  〃    印 南 隆 三(矢板内川沿岸土地改良区理事長)
  〃    佐 藤 一 巳(荒川中央土地改良区理事長)
  〃    鈴 木 弘 之(本会参事)

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水土里ネットの商標登録
 全国水土里ネットでは、土地改良区の愛称「水土里ネット」の商標登録を申請していたが、特許庁より下記のとおり登録証書が交付された。

登録証書

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第26回全国土地改良大会
水と土の愛を知り共につたえる農の夢

【大会式典】
 と き:平成15年10月15日(水)13:00〜15:00
 ところ:名古屋市総合体育館レインボーホール
     (21世紀土地改良区創造運動表彰が新設される)

【名古屋城園遊会】
 と き:平成15年10月15日(水)15:45〜17:00
 ところ:名古屋城内

【併催行事】
 と き:平成15年10月15日(水)10:00〜15:00
 ところ:名古屋市総合体育館レインボーホール
     (記念フォトコンテスト、子ども絵画展、パネル展、万博PRコーナー)

 主 催 :全国水土里ネット・水土里ネット愛知
 後 援 :農林水産省・愛知県

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消費税の取扱いの変更について
 消費税法の一部が改正され、平成16年4月1日から適用されることとなった。
 主な改正内容は、次のとおりであるが、詳しくは最寄りの税務署に尋ねてください。

1.事業者免税点の引き下げ
 納税義務が免除される基準期間における課税売上高の上限が三千万円から一千万円に引き下げられる。基準期間において、課税売上高が一千万円を超えることになった場合は、消費税課税事業者届出書を速やかに所轄税務署に提出する必要がある。

2.簡易課税制度の適用上限の引き下げ
 簡易課税制度を適用することができる基準期間における課税売上高の上限が二億円から五千万円に引き下げられる。

3.中間申告・納付回数の改正
 直前の課税期間の確定消費税額が、四千八百万円を超える場合には、一月毎(年11回)の中間申告・納付を行うことになる。

4.課税期間の特例
 新たに一月の期間を課税期間とする特例が設けられる。

5.総額表示の義務づけ
 課税事業者が、取引先の相手方に対し、役務の提供等の取引を行うに際し、あらかじめその取引価格を表示するためには、消費税額(地方消費税額を含む)を含めた価格を表示することが義務づけられた。

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訃報・蕎麦田友治氏逝去
 石井川土地改良区理事長の蕎麦田友治氏(83歳)におかれましては、去る7月25日に逝去されました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
 なお、告別式は、7月28日に宇都宮市八幡台の栃の葉戸祭ホールにおきまして、故人の遺徳を偲ぶ多数の参列者に見守られ、しめやかに執り行われました。

◆故人の略歴

大正9年6月7日生まれ
昭和29年8月から平成元年8月までに通算して31年間宇都宮市農業委員を務める。
昭和50年5月から平成3年4月まで宇都宮市議会議員。石井川土地改良区の役員歴は、昭和43年4月から理事、昭和51年4月から本年7月までに通算して25年間理事長を務める。また、鬼怒中央土地改良区連合の役員歴は、昭和63年4月から理事、平成2年4月から本年3月まで理事長を務める。
平成11年11月には土地改良事業功労により栃木県知事表彰を、平成14年10月には農林水産大臣表彰を受賞した。

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平成15年7月主要行事報告
行  事
2河内管内農業農村整備事業推進懇談会
3平成15年度利根川水系農業水利協議会栃木県支部第2回幹事会
4本会第2回監事会(平成14年度決算監査)
4上都賀土地改良事業推進協議会第26回通常総会
10塩谷管内農業農村整備事業推進懇談会
14本会第2回理事会
14平成15年度第1回栃木県土地改良区統合整備推進協議会
15上都賀管内農業農村整備事業推進懇談会
15芳賀管内農業農村整備事業推進懇談会
16土地改良負担金総合償還対策事業ブロック打合せ会議
17農業集落排水事業八ツ木地区処理施設竣工式
17〜18第45回土地改良団体職員研修会
18平成15年度利根川水系農業水利協議会栃木県支部幹事研修会
18平成15年度県土木部課程外・農務部・林務部専門研修
18バイオマスに関するシンポジウム
24安足管内農業農村整備事業推進懇談会
24塩谷管内農村振興部所管事業担当者会議
25下都賀管内農業農村整備事業推進懇談会
29〜31平成15年度換地関係業務新規担当職員研修会
30農村の汚水処理推進に係わる研修会
30那珂川地域広域基盤確立対策推進栃木協議会幹事会

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表紙写真説明

表紙の写真『故郷の祭り』

○作 者
 海老沼 清一郎 氏(小山市在住)

○撮影地 那須郡南那須町

○コ メ ン ト
 平成14年度「美しいとちぎのむら写真コンテスト」農業農村整備部門で最優秀賞に輝いた作品です。
 県営かんがい排水事業で造成された「大室ダム」の写真です。審査員の講評は、「全体的に大胆な構図で見る人を圧倒します。手前の『動』に対して、バックの『静』がうまくマッチして、主題の堰からの流れがより一層強調されています。」とのことです。

○撮影者の手記
 平成14年度「美しいとちぎのむら写真コンテスト」
景観保持・文化部門で入選に輝いた作品です。
 8月は、花火大会や盆踊りなどの夏祭りが盛んに行われます。写真は、南那須町のふるさとまつりの様子を写していますが、大提灯の上空で開いた花火を見事にとらえています。ひと夏の思い出として人々の記憶に残るでしょうね。
 

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