『水土里ネットとちぎ』は本会の愛称です

『麦秋晴天』
−主な内容−

新たな土地改良長期計画が決定

第26回全国土地改良大会が名古屋市で開催

大火災の消火に農業用水が大活躍

県営土地改良事業換地業務感謝状贈呈式

三部会の合同会議を開催

全国ため池等整備事業推進協議会総会を開催


大橋深沢地区の竣工式

訃報・亀田藤一氏逝去

記念碑物語〜オッパイと土と〜

平成15年10月主要行事報告

表紙写真説明



新たな土地改良長期計画が決定
新たな土地改良長期計画は、平成15年10月10日の閣議で決定された。その概要は、以下の通り。
土地改良長期計画(概要)
 土地改良法(昭和24年法律第195号)第4条の2の規定により、平成15年度から平成19年度までの土地改良長期計画を次のように定める。

第1 土地改良事業についての基本的な方針
○ 我が国の食料・農業・農村に対しては、食料の安全性や安定供給、農業・農村の多面的機能(国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全等)が国民生活の安定に果している役割、自然豊かで美しい景観を有する農村のやすらぎや教育の場としての活用、農業の自然循環機能を活かした循環型社会の構築等について、国民・消費者から強い要請・期待が寄せられている。
○ このような国民・消費者からの要請・期待に応えていくため、食料・農業・農村基本法の理念を国民・消費者の視点からとらえ、以下の「いのち・循環・共生」の視点から政策を展開することが必要である。
「いのち」…安全で安心な食料を安定的に供給することにより国民・消費者の「いのち」を守る農業の基盤づくり
「循環」…自然循環を基礎とする農業の生産基盤の整備を通じて農業用水や有機性資源の「循環」を促進
「共生」…人と自然、都市と農村の「共生」を、農業の持続的な営みや美しく心やすらぐ国民のふるさとづくりを通じて実現
○ 土地改良事業においても、自然と共生する循環創造型事業への転換を進めつつ、農業生産基盤の整備により生産性の向上や農業構造の改善を図り、良質で安全・安心な食料の合理的な価格による安定的な供給を確保することが必要である。
○ また、農業用水の健全な循環を維持・増進し、地域の特性を活かした美しい景観に囲まれた快適な生活環境の形成等により、農業・農村の有する多面的機能のもたらす便益を地域住民や都市住民を含めた国民各層に幅広く提供していく必要がある。
○ このため、土地改良長期計画においては、「いのち・循環・共生」の視点からの計画的かつ総合的な取組みを進める。
○ 本計画に基づき各政策を実施するに当たっては、事業の効率的かつ効果的な実施のため、以下の項目を踏まえて事業を実施する。
  また、今後の経済財政事情、各施策の進捗状況等を勘案しつつ、弾力的に本計画の実施を図るとともに、必要に応じて計画の見直しを行う。

(1) 施策連携の強化
○ 農林水産施策の総合的な取組を一層強化するため、農業生産の基盤及び農村の生活環境の整備と、農業・農村の振興に関する各種施策との連携を強化する。
○ 農業・農村に関するより効果的かつ効率的な社会資本整備を図る観点から、事業の計画・実施段階等において、社会資本整備重点計画や廃棄物処理施設整備計画など他の公共事業計画に位置付けられた事業との連携を推進する。

(2) 既存ストックの有効活用
○ 基幹的農業用用排水施設や農地等の既存ストックの長寿命化に資する維持管理や計画的かつ機動的な更新整備の実施により、その有効活用を図る。
(3) 地域の特性に応じた整備
○ 国、地方公共団体、農業団体等それぞれの適切な役割分担のもとに、地方の自主性を尊重しつつ、これらの連携による効果的な整備の推進を図る。
(4) 多様な主体の参加の促進
○ 農村地域の混住化の進展等により土地改良事業と地域社会の関わりが増している状況を踏まえ、事業の構想から計画・実施段階、施設の利活用・維持保全に至る事業の各段階において、土地改良区に加え、地域住民やNPO等の参加を促進する。
○ 民間の資金、経営能力および技術的能力を活用する観点からPFI(民間の資金等を活用して効率的・効果的に社会資本を整備する手法)の活用を図る。
(5) 事業評価の厳正な運用と透明性の確保
○ 事業実施の効率性向上の観点から、費用対効果分析その他の手法により政策効果を適切に把握し評価する事業評価制度の厳正な運用を図る。
○ 事業の計画、実施、管理の各段階において、積極的な情報公開に努め、透明性を確保する。
(6) 工期管理とコスト縮減
○ 適切に事業の成果をあげるため、事業工期の徹底した管理を行うことにより、事業別に設定する限度工期内での事業の完了に努める。
○ 全てのプロセスをコストの観点から見直し、工事コストの縮減に加え、事業便益の早期発現、将来の維持管理費の縮減による総合的なコスト縮減を図る。

第2 事業の実施の目標及び事業量
 「いのち・循環・共生」の各視点から政策目標を設定し、その達成に向けて効率的かつ重点的に事業に取り組む。
1 農用地総合整備事業(農用地の利用上必要な農業用用排水施設(基幹的なものを除く。)及び農業用道路の新設、管理及び変更、区画整理、農用地の造成並びに埋め立て及び干拓その他農用地の改良のため必要な事業)

【意欲と能力のある経営体の育成】
〈事業の実施の目標〉
 農地の整備による生産性の向上と併せて進める農地利用集積により経営規模の拡大を進めるとともに、畑地における農業用用排水施設の整備により経営の強化を進め、効率的かつ安定的な農業経営が生産の相当部分を担う農業構造の実現を図る。
(目指す主な成果)
●農業生産基盤の整備地区において意欲と能力のある経営体への農地の利用集積率を事業実施前より20ポイント以上向上させる。
〈事業量〉
●意欲と能力のある経営体への農地の利用集積を条件として、約13万haにおいて農地の整備を実施する。
●約3.0万haの畑地において農業用用排水施設の整備等を実施する。

【総合的な食料供給基盤の強化(農用地の確保と有効利用)】
〈事業の実施の目標〉
 農地の有効利用、中山間地域等における耕作放棄の発生防止、自給飼料の効率的な生産利用による畜産経営の安定化、良質な農産物の域内・外への輸送の効率化等に資する農用地及び農業用道路の整備等を実施することにより、優良農地の確保を図り、農産物の安定的な供給に資する。
(目指す主な成果)
●基盤整備の実施により水稲と畑作物の選択的作付けが可能となった農地における耕地利用率を105%以上に向上させる。
〈事業量〉
●約6.9万haの農地において水田の汎用化等を実施する。
●中山間地域において、立地条件に応じた農地の整備等を実施する。
●大型機械化体系に対応した草地の整備を実施する。
●地域農業の動向を踏まえた当該地域の産地形成に必要な農用地と地域の流通拠点等を結ぶ基幹的な農業用道路の整備を実施する。

【循環型社会の構築に向けた取組み】
〈事業の実施の目標〉
●生産の基盤を物質循環におく農業の特質を活かし、環境への負荷の少ない循環型社会の構築に資する。
(目指す主な成果)
●家畜排せつ物のたい肥化等による年間処理量
計画期間内に約280万トンの増加
●農業集落排水汚泥のリサイクル率
  45%(平成14年度)→55%(平成19年度)
〈事業量〉
●家畜排せつ物の処理施設の整備を約120地区において実施する。
●農業集落排水汚泥のリサイクルを約940地区において新たに実施する。

【自然と農業生産が調和した豊かな田園自然環境の創造】
〈事業の実施の目標〉
 土地改良事業の環境創造型事業への転換を進めることにより、自然と農業生産が調和した豊かな田園自然環境を創造する。
(目指す主な成果)
●田園自然環境の創造に着手した地域
  約500地域(平成14年度)→約1,700地域(平成19年度)
〈事業量〉
 水路やため池の改修に当たり生態系を保全する工法を積極的に取り入れるなど、農村地域における田園自然環境の創造に向けた整備を実施する。

【個性ある美しいむらづくり】
〈事業の実施の目標〉
 農業の持続的な発展を核として、地域の特性を活かした美しい景観と豊かな田園自然環境に囲まれた快適で魅力ある農村環境を形成し、農村の総合的な振興を図る。
(目指す主な成果)
●汚水処理人口普及率
  74%(平成13年度)→86%(平成19年度)
効率的な汚水処理施設整備を進めるため、地域の特性を踏まえた適切な役割分担の下、農業集落排水施設、下水道、浄化槽等の整備を連携して実施。
●農業集落排水処理人口普及率
  39%(平成14年度)→52%(平成19年度)
※ 汚水処理施設の整備に関する都道府県の構想における農 業集落排水施設の整備対象人口に対する農業集落排水施設を利用できる人口の割合
〈事業量〉
●農業集落排水施設の整備を約1,600地区において実施する。
●美しい景観や豊かな自然環境等の地域の特性を活かした快適で魅力ある農村の実現に向けた整備を約1,500地区において実施する。

2 基幹農業用用排水施設整備事業(農用地の利用上必要な農業用用排水施設で基幹的なものの新設、管理及び変更)

【安定的な用水供給機能等の確保】
〈事業の実施の目標〉
 土地改良区(水土里ネット)等による適切な管理、必要な更新等を通じた農業用用排水施設の既存ストックの有効活用や畑地における農業用用排水施設の整備等により、安定的な用水供給機能及び排水条件の確保を図り、良質な農産物の安定供給及び農業用水の健全な循環を通じた親水空間の形成等に資する。
(目指す主な成果)
基幹的農業用用排水施設の長寿命化やライフサイクルコストの低減を図りつつ、施設が有する延べ約250万haの農地に対する安定的な用水供給機能及び排水条件の確保を図る。
〈事業量〉
 基幹的農業用用排水施設(水路約4.5万km)について、予防保全対策や施設ごとの更新適期に応じた必要な更新整備を実施するとともに、畑地における農業用用排水施設の新規整備等を実施する。

3 防災事業(農用地の保全のため必要な事業)
【農業災害の防止と安全・安心な地域社会の形成への貢献】
〈事業の実施の目標〉
 農業災害を防止し、農業生産の維持及び農業経営の安定を図り、併せて農用地の保全を通じて、国土の保全に資するとともに、地域住民の生命・財産及び生活環境の安全を確保する。
(目指す主な成果)
●湛水被害等が発生するおそれのある農用地の延べ面積
 約100万ha(平成14年度)→約76万ha(平成19年度)
〈事業量〉
●それぞれの土地条件に応じて必要な農地防災、農地保全等の各種防災事業を約4,500地区で総合的に推進する。

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第26回全国土地改良大会が名古屋市で開催
21創造運動大賞の表彰


 「水と土の愛を知り 共生につたえる農の夢」をテーマに、第26回全国土地改良大会が全国土地改良事業団体連合会及び愛知県土地改良事業団体連合会が主催し、農林水産省、愛知県の後援により、去る10月15日、愛知県名古屋市の名古屋市総合体育館レインボーホールにおいて、全国から約4800名が参加して盛大に開催され、本県からは、土地改良区役職員、県職員、本会役職員等38名が参加した。
 大会開催の主旨は、「いのち」、「循環」、「共生」という新たな視点に立った農業農村整備事業の積極的な展開と「食料・農業・農村基本法」の基本理念の実現のために同事業が果たす役割の重要性を広く国民にアピールする。」としている。



 記念式典は、オープニングに愛知県警察音楽隊によるドリル演奏。女性隊員を交えたパフォーマンスで参加者の目と耳を楽しませた。午後1時、司会者が開会を告げた後、日高昇愛知県土連副会長の開会挨拶で始まり、国家斉唱、Z川博愛知県土連会長の開催県挨拶、野中広務全土連会長の主催者挨拶、神田真秋愛知県知事の歓迎挨拶があり、太田信介農村振興局長が農林水産大臣祝辞を代読され、小林秀央愛知県議会議長が祝辞を述べられた。
 来賓紹介と祝電披露後、21創造運動大賞の表彰に移り、中央選考委員の平野啓子氏が受賞10地区の水土里ネットを紹介を兼ねて講評を述べ、本県の那須野ケ原土地改良区連合ほか9地区に野中全土連会長から表彰状が伝達された。
 続いて、土地改良事業功績者の農林水産大臣賞6名、農村振興局長賞16名、全土連会長賞47名の表彰が行われた。本県からは、農村振興局長賞を小坂利雄真岡市中央土地改良区理事長が、全土連会長賞を寺嶋勝豊吾妻土地改良区理事長が受賞された。
 次に、平成14年度農業農村整備優良地区コンクール受賞地区16地区と、全国7都市で開催した「100万人都市水土里のシンポジウム」がスライドで紹介された。
 基調報告では、太田農村振興局長が、農業農村整備事業を巡る最近の情勢について「省庁再編」、「米政策改革」、「バイオマス・ニッポン総合戦略」、「オーライ・ニッポン会議」、「水とみどりの美の里プラン21」、「新たな土地改良長期計画」などの新しい動きや、これらの背景を踏まえた農業農村整備に係る施策、土地改良区の今後などを説明した。
 引き続き、水土里ネット愛知の新入職員の片岡俊博氏と内山智会氏が「我々の使命は、地域住民や関係団体など多様な人々と手を携えつつ、稔りある大地と美しい田園空間を守り育むことにある。」と大会宣言を行った。
 次期開催県紹介では、新潟県のPRビデオが上映され、大会旗が愛知県土連から全土連へ、そして新潟県へと引き継がれたところで、磯部新潟県土連副会長が挨拶し、「トキめく未来、水土里のふるさと」をテーマに来年10月5日、新潟市「朱鷺メッセ」で開催したいと述べた。
 いよいよ大会も大詰め、今期大会の成功を祝し、そして次期大会の成功を祈りながら、吹田全土連副会長の発声により万歳三唱が行われた。結びに神谷金衛愛知県土連副会長が閉会の挨拶を述べて式典を滞りなく閉幕した。
 午後3時30分からは、名古屋城へと場所を移し、園遊会が開かれた。
 本県参加団は、式典当日の15日から16日にかけて愛知県内の農業農村整備事業等視察を実施した。


21創造運動大賞
那須野ケ原土地改良区連合

〜情報発信フロンティア〜
 情報発信フロンティアとして、調整池を利用したトライアスロン競技の誘致をはじめとした様々な活動を展開するとともに、各種活動をマスコミや世界水フォーラムなどのイベントにおいて広く情報発信している取り組みが高く評価された。


農村振興局長賞
小坂利雄氏の略歴




大正15年10月生まれ、77歳。真岡市下大田和在住。昭和55年1月から真岡市中央土地改良区理事長、平成9年2月から真岡市土地改良区協議会長、平成10年4月から芳賀郡市土地改良区協議会長に就任。
平成13年4月から栃木県土地改良事業推進協議会長、同年11月から栃木県21世紀土地改良区創造運動推進本部長、平成15年4月から本会理事を務める。
21全国土地改良事業団体連合会長賞
寺嶋勝豊氏の略歴




昭和10年3月生まれ、68歳。佐野市下羽田町在住。
昭和60年9月から吾妻土地改良区理事、平成2年2月に同区理事長に就任。平成元年10月から佐野用水土地改良区連合理事、平成12年4月に同連合理事長に就任。平成10年4月から安足土地改良事業推進協議会長、平成13年3月から本会理事を務める。
他に、昭和58年5月から平成15年4月まで佐野市議会議員、昭和62年7月から平成10年6月までの間に佐野市農業委員を8年間務める。

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大火災の消火に農業用水が大活躍
那須野ケ原土地改良区連合等が消火活動を支援
 ブリヂストン栃木工場で、9月8日正午頃に発生した火災は、鎮火までの3日間(46時間)に、消防車延べ179台、消防関係者延べ1815人が出動し、近隣住民約5000人が避難する大規模なものとなった。
 火災発生5時間後、黒磯市消防署から、那須野ケ原土地改良区連合(渡辺喜美理事長)に対し、消火用水が不足しているため、火災が発生した工場の近傍を流れている熊川への農業用水放流の協力要請があった。
 この要請を受けた同連合は、直ちに(約5分後)火災現場直近にある東那須野用水路(品川堀)の東那須野放水口のゲート操作を行い、熊川に毎秒約1.5トンの緊急放流を行った。
 その後、さらに黒磯市からの協力要請に応じ、関係者の了解を得て那須疏水幹線に設置された箕輪放水口からも毎秒約4トンの緊急放流を追加した。これらの水量は、同連合が管理する最大用水量の3分1強にも及ぶ毎秒約5.5トンという膨大な水量を供給し続けた。
 熊川は、火災工場付近では、扇状地特有の伏流河川となっており、普段は全く水が流れていない。「熊川になぜ沢山の水がながれていたのか」、「あの水がなかったら、どんなに沢山の消防士や消防車が駆けつけたところで、手をこまねくばかりだったろうに」という声が聞こえた。緊急放流から鎮火までの3日間、同連合役職員と単区土地改良区等が一丸となって緊急支援体制を敷き、限界水位に達している用水路等の巡回パトロールを行うなど、夜を徹した支援活動を行った。
 火災発生から2週間後の9月24日、ブリヂストンの渡辺恵夫社長は、記者会見し、火災による損失額は400億円に上ると発表されたが、このような同連合
の迅速な判断と対応がなければ、延焼は拡大し、さらに大きな被害になったと予想される。
 農業用水と農業水利施設が多面的機能を発揮し、地域社会へ大きく貢献した事例である。

大火災の消火に農業用水が大活躍
那須野ケ原土地改良区連合等が消火活動を支援
熊川から汲み上げる消防

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県営土地改良事業換地業務感謝状贈呈式
 県営土地改良事業の換地業務が完了した土地改良区に対する感謝状の贈呈式が、去る10月15日に栃木県公館において開催され、長年にわたって土地改良事業の円滑な推進に尽力され、換地業務を完了した次の11の土地改良区に対し、栃木県知事よりそれぞれ感謝状が贈呈された。

平成15年度感謝状贈呈の土地改良区の概要
土地改良区名理事長名
理事長
事務所
所在
市町村名
事業名地区名換地
区名
面積
(ha)
換地処分
公告年月
工事
期間
家中南部
土地改良区
理事長
黒川  博夫
都賀町県営圃場
整備事業
家中南部
地区
148.9H15. 3.18
S60〜H12
宿前
土地改良区
理事長
柏崎   勝
栃木市県営圃場
整備事業
大塚宿前
地区
51.5H14. 9. 3
H元〜H13
大田原市
土地改良区
理事長
千保  一夫
大田原市県営圃場
整備事業
羽田地区170.6H14. 9.24
H2〜H13
芳賀町西部
土地改良区
理事長
大根田  尭
芳賀町県営圃場
整備事業
西水沼第
II期地区

48.5
14.6
H14. 7. 9
H14. 7. 9
H3〜
H12
水沼台
土地改良区
理事長
土井   武
芳賀町県営圃場
整備事業
水沼台
地区
60.1H14. 8. 6
H3〜H12
益子町大沢
土地改良区
理事長
佐藤  忠雄
益子町県営圃場
整備事業
益子町大沢
地区
116.7H15. 2.18
H5〜H12
大塚
土地改良区
理事長
中田  芳宏
栃木市県営圃場
整備事業
大塚地区142.8H14.11. 5
H3〜H13
東山新田
土地改良区
理事長
高垣  幸一
喜連川町県営圃場
整備事業
東山新田
地区

15.9
32.3
H15. 2.18
H13.11.27
H6〜
H12
猪倉
土地改良区
理事長
渡辺   渡
今市市県営圃場
整備事業
中猪倉
地区
47.2H15. 3.18
H7〜H12
蟇沼堰
土地改良区
理事長
郡司 啓一郎
塩原町県営圃場
整備事業
中山間塩原
(蟇沼)
地区
12.4H14. 5. 7
H9〜H13
箒川沿岸
土地改良区
理事長
室井  誠男
塩原町県営圃場
整備事業
中山間塩原
(高阿津)
地区
18.8H14. 6. 4H9〜H13



家中南部土地改良区




宿前土地改良区



大田原市土地改良区




芳賀町西部土地改良区



水沼台土地改良区




益子町大沢土地改良区



大塚土地改良区




東山新田土地改良区



猪倉土地改良区




蟇沼堰土地改良区



箒川沿岸土地改良区










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三部会の合同会議を開催
開発整備部会・圃場整備部会・水利防災部会


 本会は、去る10月10日、宇都宮市内において開発整備部会・圃場整備部会・水利防災部会の三部会の平成15年度第1回合同会議を開催した。
 会議には、来賓に大久保幸雄栃木県農地計画課長をはじめ、池田裕文同農地整備課主幹、福田保同農村振興室長補佐を招いて、三部会員が出席して行った。
 会議は、後藤伊位本会副会長から任期満了に伴う委嘱状が交付された後に始まり、三部会を代表して斎藤文夫開発整備部会長が開会挨拶を述べられ、続いて後藤副会長、大久保農地計画課長が挨拶を述べられた後、佐藤一巳圃場整備部会長を議長に選任して議事が進められた。



三部会の合同会議



 議事は、第1号議案の副部会長を互選し、第2号議案平成14年度活動報告、第3号議案平成15年度活動計画を原案どおり議決、承認した。その後、協議事項に入り、平成16年度県農林施策並びに予算編成に関する建議要望事項を審議し、活発な意見、貴重な助言をいただいた。
 その他、平成16年度農業農村整備事業費の概算要求と米政策改革及び関連対策について、大久保農地計画課長から説明を受けて閉会した。
 なお、新たに委嘱された部会員は次のとおり。
◆開発整備部会(各敬称略)
部 会 長 斎 藤 文 夫(今市市)
副部会長 猪 瀬 成 男(上三川町)
〃   山 口 公 久(矢板市)
部 会 員 玉 生 勝 経(河内町)
〃   湯 澤 隆 夫(粟野町)
〃   藤 田 忠 義(二宮町)
〃   古 口 達 也(茂木町)
〃   日向野 義 幸(栃木市)
〃   杉 山 金市郎(都賀町)
〃   植 木 誠 也(塩谷町)
〃   千 保 一 夫(大田原市)
〃   佐 藤 正 洋(那須町)
〃   福 田 弘 平(烏山町)
〃   渡 辺 良 治(小川町)
〃   吉 谷 宗 夫(足利市)
〃   立 川 裕 康(葛生町)

◆圃場整備部会
部 会 長 佐 藤 一 巳(荒川中央土地改良区)
副部会長 手 塚 信 作(黒川東土地改良区)
〃   相 馬 一 郎(西那須野東部土地改良区)
部 会 員 加 藤 一 克(姿川土地改良区)
〃   高 木 和 善(上田西芦沼土地改良区)
〃   穐 本 一 郎(小倉堰土地改良区)
〃   佐 藤 忠 雄(益子町大沢土地改良区)
〃   保 坂 國 雄(物井土地改良区)
〃   黒 川 博 夫(家中南部土地改良区)
〃   篠 崎 通 男(寺尾南部土地改良区)
〃   吉 田 一 吉(風見上平土地改良区)
〃   荒 井   平(荒川沿岸土地改良区)
〃   渡 邉 好 男(金田北部土地改良区)
〃   秋 元   昇(小川第一土地改良区)
〃   近 藤 英 一(三和土地改良区)
〃   出 居 要 一(田沼町土地改良区)
◆水利防災部会
部 会 長 小 坂 利 雄(真岡市中央土地改良区)
副部会長 山 中 政 博(小山用水土地改良区)
  〃   坂 斎 光 雄(三栗谷用水土地改良区)
部 会 員 黒 川 英 代(江川土地改良区)
  〃   橋 本 啓 藏(南押原土地改良区)
  〃   福 田 茂 正(大谷川流域土地改良区)
  〃   荒 井   輝(芳賀町東高橋土地改良区)
  〃   三 門   正(小野藤土地改良)
  〃   長 島 雄一郎(氏家西部土地改良区)
  〃   古 口 雄 久(高根沢土地改良区)
  〃   加 藤 昌 男(東那須野土地改良区)
  〃   斎 藤 知 寿(那須町迯室針生土地改良区)
  〃   郡 司 昭 三(小白井用水土地改良区)
  〃   森     幹(烏山町中山土地改良区)
  〃   寺 嶋 勝 豊(吾妻土地改良区)

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全国ため池等整備事業推進協議会総会を開催
 全国ため池等整備事業推進協議会総会は、去る10月23日、東京都千代田区平河町の全国都市会館において、中條康朗農林水産省農村振興局整備部長ほか多数の来賓を招き、全国の会員多数が出席して総会を開催した。
 総会においては、第5回ため池のある風景写真コンテストの入賞作品の発表があり、最優秀賞1点、優秀賞2点、全土連賞1点、特別賞30点が表彰された。
 最優秀賞には、山口県豊北町在住の西島昭夫氏の作品で同県油谷町の松永の池を写した「稲刈体験の日」が輝いた。続いて、記念講演に移り、兵庫県堂池ため池協議会長(同県高砂市西浜自治会長)の生嶋洋一氏が「地域ぐるみのため池保全活動」と題して、同市内の4カ所のため池を地域とのふれあい場としての整備を契機に施設の活用などを通じた保全活動を講演された。さらに、ため池をめぐる情勢について、井上明農村振興局防災課長から、土地改良長期計画、ため池整備事業の平成16年度概算要求と新規制度等の説明があった後、予定した8議案を原案どおり議決、承認して総会を終了した。
 なお、総会終了後、陳情団を編成し、平成16年度農業農村整備事業及びため池等整備事業予算の確保、新規採択要望地区の全面採択等を関係国会議員並びに農林水産省に要請した。

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大橋深沢地区の竣工式
 このほど、団体営土地改良総合整備事業大橋深沢地区が竣工の運びとなり、10月22日、現地での記念碑除幕式と祝賀会が挙行された。
 式典には、杉山金市郎都賀町長、斉藤昌己都賀町議会議長、栃木県知事代理の飛田卓也農務部参事兼下都賀農業振興事務所長他多数の来賓と関口清大橋深沢南土地改良区理事長はじめ多くの役員が出席し、盛大に挙行された。

◆事業の概要◆
事 業 名 団体営土地改良総合整備事業(区画整理型)
     大橋深沢地区
地区面積 24.1ha
総事業費 3億8642万円
工  期 昭和61年度〜平成12年度
組合員数 53名



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訃報・亀田藤一氏逝去
 元瑞穂野東部土地改良区理事長の亀田藤一氏(77歳)におかれましては、去る9月11日に逝去されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

 なお、告別式は、9月14日に宇都宮市東刑部町の自宅におきまして、故人の遺徳を偲ぶ多数の参列者に見守られ、しめやかに執り行われました。


◆故人の略歴

大正14年11月16日生まれ
昭和56年3月河内土地改良事務所長を最後に栃木県庁を退職。鬼怒中央土地改良区連合事務局長を経て昭和61年10月から平成14年12月の解散まで瑞穂野東部土地改良区理事長を務め、県営圃場整備事業瑞穂野東部地区の着工から完成に至るまでその身を捧げる。この間、栃木県土地改良事業団体連合会監事、栃木県圃場整備事業連絡協議会長等の要職を務めた。

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記念碑物語〜オッパイと土と〜


前国分寺町長・はくつる会理事長
若 林 英 二


 土地改良記念碑が、あちこちの路傍や水辺に建っている。
 黒々と空にそびえる黒御影石は、土地改良のため身を捧げ通して、人生を終えた百姓の先覚者の像のように見える。
 碑の裏側には、理事長以下役員の名が何十名も、深々と刻まれている。それは、労多くして、報われることのない功労者への勲記のように見える。
 事実、巨費を投じ、ムダのように思われる記念碑の建立に、だれ一人異を唱える人はいなかった。

 市街地にしても、農山村にしても、〜行政にとって〜土地の基盤整備ほど難しい仕事はない。
 なぜか。
 田の面には父の汗が、
 田のクロには母の涙が土深く浸みこんでいるから、多少便利になっても、そこが、他人の土地として換地されることに堪えられないのであろう。
 わが町最大の改良区は、石橋、小山市を包かつする四百ヘクタールに及ぶ。
 計画したのは昭和40年代半ば、着工できたのは昭和53年だから、8年間も激しい反対運動に直面したことになる。
 予算に盛らねば、本省に熱意が伝わらない。盛っても施行は不可能で、何回予算を流したことだろう。

 一月、二月、三月。着工前の早春ほど嫌な季節は無かった。
 人々は野良で、路傍で集会でささやき合った。
 今年は〜事業が〜着工出来べ〜か?
 苗代をどうしたら良かんべ〜。
 どうせ今年もダメだべ〜。
 反対派は気勢を揚げ、賛成派は私を無能呼ばわりしているように聞こえる。

 亀田という下都賀土地改良事務所長に連れられて本省に陳情に行った。
 反対運動の強さを知っている私は、と場に引かれるヒツジのようにうつむいて後について行った。所長は、「千万人といえども我征かん」の足取りで廊下を駆けめぐった。
 お蔭様で、企画から25年、着工以来16年、気の遠くなるような歳月を経て、さしも難攻不落の土地改良区は見事な美田に生まれ変わった。
 もはや、いかなる渇水期でも水ケンカはなく、田植えの水はカンカンと音をたてて稚苗を育てている。

 土地改良の完工記念碑は通常、県知事とか高名な先生が筆を執るのが多い。
 これらの名士は漢字の素養があり、古文をひもとき推敲(こう)にすいこうを重ねて名文を書く。
 戦前の人だって読めぬ碑文を、漢字制限時代の人が読めないのは、「あたり前田のクラッカー」というところである。
 県知事よりも、農林大臣よりも「若林町長」が苦労したのだから、碑文を書かせてあげよう。改良区役員の温情であった。
 私は、貧しい農村にあって、着る物も食べ物もろくに与えられず、泣きながら沢山の子を育ててきた農村女性の涙を、碑文に書くことにした。それには、「オッパイ」を書かねばならぬ。

 茨城県開城町役場と、関本公民館のロビーの壁は、見事な陶板の絵で構成されている。
 下館在住の版画家飯野農夫也先生の力作である。
 バックに名峰筑波山が尖ってそびえ、梨畑の手前で多勢の女たちがムギを刈っている。
 傍では若い婦人が豊かなムネを惜し気もなく開き、幼子に授乳している。
 数人の娘たちは、立つありムギを刈るあり、カマを研ぐ者あり手ぬぐいを結ぶ人あり、昔日の麦秋を知る人は涙を催す。
 娘たちは赤い帯をキリッと結んでいるので、くびれと腰のふくらみはカマキリを思わせる。
 陶板は開城町の宝というべきか。

 かつて若妻は、「農家の労働の手」としてもらわれて来た。
 人々はあいさつに「いい嫁をもらったナイ」といわずに「手がふえて良かったナイ」という。
 手がふえたとは、タダ働きの労働者が増えた、ということで、事実、半年働いてもタビ一足肌着一枚、婚家で買ってくれるでなし、五月節句に帷子(かたびら=麻製の着物)一枚をくれるだけだった。
〜農村医者の奥様の話〜
 農家の嫁の姑が忍んで来て、「嫁の病気は、生家からしょって来たのだから、医料は向こうへ請求してくんろ」、といった。
 明治大正昭和。農村の生活は日本中そんなものであった。
 野良のお茶。家まで往復では時間のムダ。時には昼食まで田んぼへ運ぶ。
 おやつは赤ん坊の頭ほどあるオニギリ、オカズはタクアンかキュウリの古漬けだった。
 子守りの背の赤ん坊が餓えに泣く。農婦は茶席を作ると赤ん坊を引き取って豊かなムネを開く。赤ん坊は両の手で双ツの乳房を握って、だれにも取られまいとするのだった。
 大川の堤防に沿う田を持つ人は悠然と足を伸ばして茶をすする。
 大ていの人は狭い用水の土揚げにゴザを敷いて休む。
 まだ、赤ん坊が飲み足らないのに、忙しいんだからオシマイ、といいながらオッパイをたたまねばならぬ嫁のつらさ。

 このつらさを、記念碑に残さねばならぬ。


 (前略)
  太郎君も花子さんも赤ん坊はみんな、ここの田んぼで母さんからオッパイをもらったんだよ。
  その時、忙しいんだから早く飲めっていわれたんだよ。
  (後略)


♪戦いすんで日が暮れて♪
 土地改良反対派も賛成の幹部も一様に年老いた。昔なら、とうに西方へ旅しているはずの七十超の農夫がトラクターやコンバインの操作をしている。もし、反対を恐れて改良を断念したら、今ごろどうなっていただろうか。

 早苗振りの日、女たちは小ッ堀で足を洗った。そのふくらはぎの白さは今も目に残る。
 昔、久米の仙人が空を飛んでいると、小川で洗い物をしている女たちの白いはぎに目がくらみ、神通力を失い地に落ちたという。
 仙人ですら然り、いわんや凡人に於いてをや。
 馬洗い場も、男どもに目の毒の白いふくらはぎを洗った小ッ堀も姿を消した。
 忙しいんだから早く飲め、といわれた赤ん坊は、みんな親孝行に育った。

(この随筆は、栃木県農業者懇談会発行の「くらしと農業」に連載されている「古城のほとり」の一節を、許可を得て転載いたしました。土地改良事業関係者のご苦労と、事業の必要性を改めて感じながら、かつての農村を彷彿とさせる叙情豊かな作品です。この文章に登場する下都賀土地改良事務所長の亀田氏とは、河内土地改良事務所長を最後に県庁を退職され、その後、瑞穂野東部土地改良区理事長、本会監事等を歴任され、土地改良一筋に人生の大半を費やされた故・亀田藤一氏であります。)

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平成15年10月主要行事報告
行  事
2〜3農地流動化支援水利用調整システム研修会(初任研修)
4第2回田川用水堰ふれあい祭
7関東管内米政策改革ブロック説明会・意見交換会
8〜9関東一都九県土地改良事業団体連合会協議会秋季総会
9〜10栃木県農村総合整備事業促進協議会先進地視察研修
10開発整備部会・圃場整備部会・水利防災部会第1回合同会議
15県営土地改良事業の換地業務に係る感謝状贈呈式
15〜16第26回全国土地改良大会
17栃木県水田農業推進協議会
18花と農産物の清南大地食の祭典
19平成15年度土地改良換地士資格試験
22団体営土地改良総合整備事業大橋深沢地区竣工式
22〜23芳賀郡市土地改良区協議会会員研修会
23全国ため池等整備事業推進協議会通常総会
24〜26ふるさと栃木フェア2003
24社団法人農業農村整備情報総合センター臨時総会
27〜28安足土地改良事業推進協議会現地研修会
28〜29南那須地域土地改良事業推進協議会視察研修会
30農村振興地理情報システム地方説明会
31関東地区農村総合整備推進連絡協議会第30回通常総会
31〜6水土里の体験展’03

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表紙写真説明

表紙の写真『麦秋晴天』

○作 者
 野 中 慶 二 氏(小山市在住)

○撮影地 下都賀郡国分寺町

○コ メ ン ト
 平成14年度「美しいとちぎのむら写真コンテスト」農業農村整備部門で入選に輝いた作品です。
 麦刈り作業の写真です。随筆「記念碑物語〜オッパイと土と〜」の一節に「昔日の麦秋を知る人は涙を催す」というくだりがありますが、現代の麦刈りはごらんのとおりです。是非とも開城町の陶板を見たいものです。
 

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