『水土里ネットとちぎ』は本会の愛称です

『8月のなし園・せみの合唱』
−主な内容−

平成16年度県農林等建議・要望を実施

ふるさと栃木フェア2003「農業農村整備さなえまつり」

基幹水利施設管理技術者育成支援事業
関東ブロック研修会を開催


農村総合整備事業・農業集落排水事業の推進等を提案要望

土地改良事業予算等の要望事項を国に陳情


全国土地改良施設管理事業推進協議会
総会決議事項を国に要請


「ふるさと田んぼと水」子ども絵画展2003

自然探訪ウォーキングin河内

境林地区水処理センター竣工式

平成15年11月主要行事報告

表紙写真説明



平成16年度県農林等建議・要望を実施
 栃木県農業会議並びに栃木県農政対策協議会は、去る11月6日、宇都宮市内において、平成16年度の栃木県農林等施策並びに予算編成に関する建議・要望を実施した。
 当日は、岩崎実栃木県農業会議会長、豊田計栃木県農業協同組合中央会長、後藤伊位本会副会長、沼部和弘専務理事等県内農業団体代表者が出席し、福田昭夫栃木県知事、橋本俊一同農務部長、吉原雅春同林務部長他関係幹部職員と面談。農業団体から提出された建議・要望をまとめて要請した。
 なお、土地改良関係の要請内容は、次のとおり。 



平成16年度県農林施策等建議・要望書


1.農業農村整備対策
(1) 農業農村整備事業の計画的な推進について
 農業・農村は現在、国内外ともに一段と厳しい環境におかれておりますが、「食料・農業・農村基本法」と「食と農の再生プラン」に基づき、新しい視点に立った施策の展開が期待されているところであります。
 このような中で、安全で安心な食料を生産、供給する農業の持続的な発展と、豊かで活力ある農村社会の確立を図るためには、その基盤となる農業農村整備事業の着実な推進が不可欠であります。
 本県の農業農村整備事業は、これまで概ね順調に進展してきており、圃場の整備率は、68%に達し、また、農業集落排水など生活環境に係わる事業も着実に伸びてきております。
 しかしながら、圃場の整備については、近年、未整備地区に加えて、再整備の要望が出てきている状況にあり、また、農村地域の環境整備、とりわけ下水道の整備は、都市に比べ大幅に遅れているのが現状であります。
 つきましては、本県の農業農村発展の基礎をなしております生産基盤の整備と、生活環境基盤の整備を計画的に推進されますよう要望いたします。

(2)土地改良施設維持管理に関する予算の拡大について
 土地改良施設は、農業生産を支える基本的な施設としての役割のほかに、地域の排水機能や良好な環境維持等の多様な役割を果たしており、施設の機能維持を図るための適正な管理及び整備補修の必要性は、益々増大しております。また、土地改良区が行う整備や施設の適正な管理には、施設台帳の整備が必要となりますが、必ずしも充分とは言えないのが現況であります。
 つきましては、土地改良施設等の適正な管理と国土・環境保全等の多面的機能が発揮できるよう、次の事項について予算の拡大と確保を要望いたします。
(1) 土地改良施設維持管理適正化事業予算の拡大
(2) 施設台帳整備等のための予算の確保

(3)県単土地改良事業予算の拡大について
 食料・農業・農村基本法に即して、農業の生産性向上と農業経営の合理化等を図るには、地域の実情に応じたきめ細かな農業基盤の整備が緊要となってきており、土地改良区等から多くの要望が出ている状況にあります。
 つきましては、県単土地改良事業予算の拡大を要望いたします。

(4) 土地改良区総合強化対策予算の拡大について
 土地改良区は、食料供給力の確保のほか公共・公益的機能を有する土地改良施設の中心的な管理主体として、重要な役割を担っておりますが、本県では運営基盤の脆弱な小規模土地改良区が多いため、これらの役割を適切に果たしていくためには、組織の再編整備等による運営基盤の強化や土地改良区の活性化を図ることが緊急の課題になっております。このため、近年、急速に統合再編に関する活動が盛んに行われております。
 つきましては、土地改良区総合強化対策予算の拡大を要望いたします。

(5) 21世紀土地改良区創造運動に対する支援制度の創設について
 21世紀土地改良区創造運動は、「水と土」の管理者という土地改良区が果たしてきた役割・機能を改めて見直すとともに、その存在意義について関係者が誇りを持ち、地域住民に期待される新たな土地改良区の役割に対し、今後どのように取り組んでいくかを地域住民と一緒になって考えることを提案する運動であり、現在、地域と連携した様々な取り組みが全国的に展開されているところであります。
 つきましては、土地改良施設の公共・公益的な役割を考慮し、その維持保全に係る運動であります21世紀土地改良区創造運動を行政施策として位置付け、運動に取り組もうとする土地改良区等に対する支援制度を創設するよう要望いたします。


2.県より国に対して要望されたい事項
(1)土地改良施設管理費補助について
 土地改良施設の大規模化や公益性、安全性の確保等のため高度な管理を要する施設が多くなっており、土地改良区の管理費が増加し、農家負担が増大しております。
 つきましては、国営造成施設管理体制整備事業(管理体制整備型)の対象期間の延長と県営造成施設の管理費補助制度の創設について、国に対し働きかけられますよう要望いたします。

(2) 環境に配慮した生産基盤整備を推進するための支援制度の創設について
 近年、環境に配慮した農業施策の重要性が強調されております。こうしたことから農業農村整備事業においても、今後は、生態系に配慮した工法での水路整備や自然環境を保全するための用地の確保等に新たな経費が必要になってきます。
 つきましては、こうした環境に配慮したことに伴う事業費増を全額公費負担とする助成制度の創設について、国に対して働きかけられますよう要望いたします。

(3) 土地改良区総合強化対策の拡充について
 土地改良区総合強化対策の一環として実施している土地改良区統合整備体制強化事業は、平成15年度で完了することになっておりますが、その後についても、食料供給力の確保のほか公共・公益的機能を有する土地改良施設の中心的な管理主体としての土地改良区の事業運営基盤を強化するために、統合整備を一層推進する必要があります。
 つきましては、土地改良区総合強化対策を拡充して、土地改良区統合整備体制強化事業完了後の継続的助成制度の創設について、国に対し働きかけられますよう要望いたします。

(4) 農村環境計画策定事業に関する予算の拡大について
 近年、環境に対する国民の関心が高まる中で、農業農村整備事業においても総合的かつ効率的な環境保全策を講じることが重要となってきています。
 適切な環境への配慮や、地域住民の多種多様な意向に機動的に対応するためには、環境に対する総合的な調査を行い、事業上の対応策や各種環境整備メニューの選定を行う必要があります。そのため、農村環境計画を策定するために必要な予算の充分な確保と新規採択枠の拡大を国に対し働きかけられますよう要望いたします。

(5) 新たな米政策に対応する土地改良区の体制整備について
 土地改良区は、農地・水・農道等農村部における社会基盤を自主的に整備・管理し、美しく安全な国土の保全に寄与してきました。
 しかし、今後は、長期的な米価の低迷や、新たな米政策に伴う産地間競争の激化及び一層の担い手への農地利用の集積並びに水田の畑地化等に起因して、従来のような土地改良施設の維持管理を行うことは困難になるものと想定されます。
 つきましては、新たな農業情勢に対応して、土地改良区が従前通りの機能を発揮できるよう、管理の効率化等の体制整備を行うために必要な助成制度の創設を、国に対して働きかけられますよう要望いたします。

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「農業農村整備さなえまつり」を出展
ふるさと栃木フェア2003
 栃木県農業会議並びに栃木県農政対策協議会は、去る11月6日、宇都宮市内において、平成16年度の栃木県農林等施策並びに予算編成に関する建議・要望を実施した。
 当日は、岩崎実栃木県農業会議会長、豊田計栃木県農業協同組合中央会長、後藤伊位本会副会長、沼部和弘専務理事等県内農業団体代表者が出席し、福田昭夫栃木県知事、橋本俊一同農務部長、吉原雅春同林務部長他関係幹部職員と面談。農業団体から提出された建議・要望をまとめて要請した。
 なお、土地改良関係の要請内容は、次のとおり。 
 本会は、去る10月24日から26日の3日間にかけて、宇都宮市のマロニエプラザで開催された「ふるさと栃木フェア2003」に「農業農村整備さなえまつり」を出展した。
 このフェアは、栃木県の主催で開催しているもので、2000年は、全国都市緑化フェアの開催により取りやめられたが、1999年まで11回開催された「ふるさとマロニエフェア」を継承するもので、2001年より「ふるさと栃木フェア」と改められた。本会は、都市と農村との交流による農業農村整備事業の広報活動として1995年より出展しており、2000年の全国都市緑化フェアを含めて9回目を数える。
 今回の出展内容は、水・土・里をメインテーマに、農業農村整備事業と土地改良区の役割をPRするため、水の浄化PRコーナー、農業集落排水事業PRコーナー、田んぼの学校PRコーナー、農産物直売コーナーの四分野を展示した。
 水の浄化PRコーナーでは、水生動植物の水槽、メダカの池、ホタルの幼虫などの展示で、子供達の人気の的となった。
 農業集落排水事業PRコーナーでは、排水処理施設の模型、水をきれいにする微生物の顕微鏡での観察、汚泥による肥料の無料配布など、都市住民が興味を持てるよう工夫した。
 田んぼの学校PRコーナーでは、生物ふれあい広場を設置し、最近では珍しくなった「イモリ」、「タガメ」、「ミズカマキリ」、「ヤゴ」などの水生生物に子供達が直接触れる体験を通じて、農村環境保全の重要性を理解してもらうこととした。
 農産物直売コーナーでは、事業や土地改良区、21創造運動の紹介をしながら、清原南部土地改良区が地区内でとれたフルーツトマト、ハウストマト桃太郎を販売、奥塩原土地改良区が高原ダイコンとホウレンソウを販売した。さらには、古代米の展示・配布や精米体験など充実した展示内容となった。
 開催期間中、約10万人の県民が訪れ、市町村毎の物産店や農産物直売所での買物、各種の試食会、イベントなどを楽しんだ。




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基幹水利施設管理技術者育成支援事業
関東ブロック研修会を開催
 本会は、去る11月5日から7日まで、宇都宮市内において、平成15年度基幹水利施設管理技術者育成支援事業関東ブロック研修会を開催した。
 研修会は、全国水土里ネットの委託により、本会が当番県として開催したもので、基幹水利施設の管理技術者の育成を目的としたものであり、関東各県の水土里ネット等の職員16名が参加し、開講式には、沼部和弘水土里ネットとちぎ専務理事と屋代博栃木県農地計画課長補佐が挨拶を述べて開講、後記のカリキュラムのとおり行った。
 11月7日の閉講式には、三田長義全国水土里ネット技術顧問と飯島一優水土里ネットとちぎ指導部長が挨拶を述べて閉講した。

研修カリキュラム (敬称略)

(1)土地改良施設の現状と課題
  関東農政局整備部水利整備課
        農業土木専門官 佐々木 利 隆
(2)土地改良施設の管理
  関東農政局土地改良技術事務所
         施設管理課長 長 尾   隆
(3)土地改良施設点検整備
  関東農政局土地改良技術事務所
         施設管理課長 長 尾   隆
(4)点検整備・積算
  関東農政局土地改良技術事務所
         施設管理課長 長 尾   隆
(5)電気設備の保守・管理
  水土里ネットとちぎ
        電気主任技術者 加 藤 周 弘
(6)ポンプ整備・診断実習(大岩藤第1揚水機場)
(7)ポンプ製作工場視察(株式会社由倉)
(8)施設管理事例発表
(9)意見交換



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農村総合整備事業・農業集落排水事業の推進等を提案要望
 関東地区農村総合整備推進協議会は、10月31日に第30回通常総会を東京都において開催し、国に対する提案及び要望事項を採択し、同日農林水産省及び関東農政局並びに関係国会議員に陳情を行った。
 なお、提案及び要望事項は、次のとおり。

提案要旨

 関東ブロック管内の農業農村整備事業につきましては、平素より格別のご高配を賜り、関係者一同深く感謝申し上げます。
 特に、一都九県からなる関東地域は、東京・横浜といった大都市と、これを取り巻く地域からなり、それぞれ地域の特徴を生かした農業を展開する中で、「食料生産」はもとより、「環境保全」や「自然生態系の保全」など、私たちの生活環境の多くを担っております。
 しかしながら、農業を取り巻く環境は農産物の輸入自由化による価格の低迷に加えて、農業従事者の高齢化や担い手不足により、耕作放棄地の増加や中山間地域の活力低下など、多くの課題を抱えております。
 このような農業・農村の実態とは相反し、経済の進展により個々の価値観やライフスタイルが多様化し、国民から中山間地域や農業・農村に「ゆとり」や「安らぎ・癒しの場」としての評価が高まるなど、「都市と農村の共生・対流」に期待が寄せられております。
 このため、これまでも農業・農村の活性化と維持・保全に向けた様々な事業展開を図ってきたところでありますが、都市部に比べ生産基盤のみならず生活環境基盤など、あらゆる整備の遅れていた、「中山間地域」「農業・農村」の健全な地域形成と構築に向けた施策についてさらなる支援強化と拡充に向けた予算措置を提案いたします。

1.農村総合整備事業等の推進について
 平成14年に出された『「食」と「農」の再生プラン』においても、「農業構造改革を加速」「食の安全と安心の確保」「都市と農山漁村の共生・対流」を3本の柱として、美の国づくりに向けた「食農一環」施策を展開することとしています。
 これらの施策も、健全な農業・農村が維持・保全されていることが前提であると同時に、特に、共生・対流はそれぞれ自立する者同士が交り合うことであり、どちらかに寄りかかろうとするものではないことから、健全な農業・農村、中山間地域の構築に向け次の事業について、さらなる充実と拡充に向けた予算措置を提案いたします。
 (1) 農村総合整備統合補助事業
 (2) 農村振興総合整備事業(統合補助事業を含む)
 (3) 田園空間整備事業
 (4) 集落基盤整備事業
 (5) 集落地域整備統合補助事業
 (6) むらづくり総合整備事業

2.農業集落排水事業の推進について
 農業・農村地域は、食料の生産はもとより国土の保全、水源の涵養、自然生態系の保全など数多くの役割を担っております。
 しかしながら、農村集落は混住化の進展に伴う生活様式の多様化により、農業用水の汚濁の進行による、悪臭や農作物の生育障害など多くの課題が発生しております。
 21世紀は「潤いや心の豊かさ」を求めた、「安全・安心を望む精神文化」の時代だといわれ、「都市と農村との共生・対流」においても、農業・農村への期待は大きなものがあることから、安らぎや潤いのある美しい農村空間を構築するため、農業集落排水事業のさらなる拡充を提案いたします。
 又、平成12年度に制定された循環型社会形成促進基本法においては、資源循環型社会の構築が求められていることから、コンポスト処理等についても、さらなる拡充に向けた取り組みと予算措置を提案いたします。
(1) 農業集落排水資源循環統合補助事業の制度拡充
と要綱の緩和
(2) コンポスト施設計画に向けた調査設計費の創設


要望要旨

 関東ブロック管内の農業農村整備事業につきましては、平素より格別のご高配を賜り、関係者一同深く感謝申し上げます。
 特に、一都九県からなる関東地域は、東京・横浜といった大都市と、これを取り巻く地域からなり、それぞれ地域の特徴を生かした農業を展開する中で、「食料生産」はもとより、「環境保全」や「自然生態系の保全」など、私たちの生活環境の多くを担っております。
 しかしながら、農業を取り巻く環境は農産物の輸入自由化による価格の低迷に加えて、農業従事者の高齢化や担い手不足により、耕作放棄地の増加や中山間地域の活力低下など、多くの課題を抱えております。
 このような農業・農村の実態とは相反し、経済の進展により個々の価値観やライフスタイルが多様化し、国民から中山間地域や農業・農村に「ゆとり」や「安らぎ・癒しの場」としての評価が高まるなど、「都市と農村の共生・対流」に期待が寄せられております。
 このため、これまでも農業・農村の活性化と維持・保全に向けた様々な事業展開を図ってきたところでありますが、都市部に比べ生産基盤のみならず生活環境基盤など、あらゆる整備の遅れていた、「中山間地域」「農業・農村」の健全な地域形成と構築に向けた施策についてさらなる支援強化と拡充に向けた予算措置を要望いたします。

1.農村総合整備事業等の推進について
 平成14年に出された『「食」と「農」の再生プラン』においても、「農業構造改革を加速」「食の安全と安心の確保」「都市と農山漁村の共生・対流」を3本の柱として、美の国づくりに向けた「食農一環」施策を展開することとしています。
 これらの施策も、健全な農業・農村が維持・保全されていることが前提であると同時に、特に、共生・対流はそれぞれ自立する者同士が交り合うことであり、どちらかに寄りかかろうとするものではないことから、健全な農業・農村、中山間地域の構築に向け次の事業について、さらなる充実と拡充に向けた予算措置を要望いたします。
 (1) 農村総合整備統合補助事業
 (2) 農村振興総合整備事業(統合補助事業を含む)
 (3) 田園空間整備事業
 (4) 集落基盤整備事業
 (5) 集落地域整備統合補助事業
 (6) むらづくり総合整備事業

2.農業集落排水事業の推進について
 農業・農村地域は、食料の生産はもとより国土の保全、水源の涵養、自然生態系の保全など数多くの役割を担っております。
 しかしながら、農村集落は混住化の進展に伴う生活様式の多様化により、農業用水の汚濁の進行による、悪臭や農作物の生育障害など多くの課題が発生しております。
 21世紀は「潤いや心の豊かさ」を求めた、「安全・安心を望む精神文化」の時代だといわれ、「都市と農村との共生・対流」においても、農業・農村への期待は大きなものがあることから、安らぎや潤いのある美しい農村空間を構築するため、農業集落排水事業のさらなる拡充を提案いたします。
 又、平成12年度に制定された循環型社会形成促進基本法においては、資源循環型社会の構築が求められていることから、コンポスト処理等についても、さらなる拡充に向けた取り組みと予算措置を要望いたします。
 (1) 農業集落排水資源循環統合補助事業の制度拡
   充と要綱の緩和
 (2) コンポスト施設計画に向けた調査設計費の創設

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土地改良事業予算等の要望事項を国に陳情
 関東一都九県土地改良事業団体連合会協議会は、去る11月7日、平成15年度秋季総会決議事項の国に対する農業農村整備事業推進に関する提案要望を農林水産省、財務省、関係国会議員に対して行った。

農業農村整備事業推進に関する提案書


提案要旨


1地域の状況

 日本の農業は、遠い昔から地域の風土の中で自然と人間とが共生する形で営まれてきた。
 特に、水田を中心とした農業は、水と緑豊かな環境を創り出すとともに独自の文化を培い、持続的な営みは食料生産に加えて、国土の保全や環境の保全、さらにはアメニティの供給など、地域社会の安定とともに、訪れる人たちに「安らぎ」や「潤い」といった心の豊かさをもたらすなど、農業・農村の担う役割は経済効率だけでは計り知れないものがある。
 しかしながら、経済成長と共に、農業もまた経済効率に重点を置いて評価されるようになった結果、農業従事者の減少や耕作放棄地の増大、農村地域の過疎化など様々な問題が発生している。

2事業制度拡充の提案

 農業・農村、中山間地域の活力向上を図るため、これまでも「農業農村整備事業」や「中山間地域総合整備事業」などにより生産基盤や生活環境等の整備を進めてきた。
 しかしながら、整備目標の達成には未だ多くの時間を必要とするなかで、農業・農村の活力向上を図るため、昨年出された『「食」と「農」の再生プラン』の中でも、「農業構造改革の加速化」「食の安全と安心の確保」「都市と農山漁村の共生・対流」など、具体的な取り組みが打ち出されたところであるが、健全で活力ある農山村、中山間地域の形成に向け次の施策とさらなる拡充を提案する。
1)農地整備
 関東は、水田の整備率58%、畑地の整備率48%であるが、未整備地の多くは中山間地域に点在し、地理・地形的条件から現行制度での取り組みが難しいことと、既に整備が終わった地域でも社会情勢に即した再整備が求められている。

2)農業水利施設整備
 核家族化による混住化は農村社会でも農業用水の汚濁の進行や農業用施設の維持管理など様々な問題が発生している。
 特に、農業用用排水の分離や自然生態系への保全活用をも平衡させると同時に、耐用年数の経過による再整備も、新たな用途に即した整備が求められている。

3)循環型社会の構築
 バイオマス・ニッポン総合戦略が昨年暮れに閣議決定され、2010年を目途にバイオマス利活用の目標を示すと共に、78項目の具体的行動計画が示される中で、農村に眠る家畜糞尿や農作物残渣など、有機性資源の有効活用による環境への負荷軽減と、循環型社会の構築に向けた早急な事業展開が求められている。

4)美しい農村の創造
 「潤い」と「安らぎ」と「多様な生き物の生息空間」を有する農山村の構築を図るため、経済効率で律することのない施策の展開と、環境・景観等地域の特性に十分な配慮をした、農村集落や農業施設の整備が求められている。
このため、特に次の事項について提案します。

1. 農業・農村の活力向上支援
 (1) 新たな土地改良長期計画の着実な推進
 (2) 農業生産基盤整備事業、中山間地域総合整備事
   業の着実な推進と、地域の実態に即した事業展開
・美しい農村の創造
 (3) 農業集落排水資源循環統合補助事業の推進
・循環型社会の構築
 (4) 農道事業の着実な推進
 (5) 農地防災・保全事業の着実な推進
 (6) 都市・農山漁村の共生・対流に向けた新たな中
山間地域支援策の拡充・強化
 (7) 米政策大綱推進に向けた農業用施設への支援強化
 (8) 農業の多面的効果・機能の定量的な経済効果指
標の把握と情報の発信

2. 農業用施設保全強化支援対策
 (1) 土地改良施設の維持管理に公的支援の拡充
 (2) 土地改良施設更新事業の拡充・強化
 (3) 土地改良区の組織運営基盤強化のため土地改良
   区総合強化対策の推進

3. 土地改良事業団体連合会の機能の強化

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総会決議事項を国に要請
全国土地改良施設管理事業推進協議会
 全国土地改良施設管理事業推進協議会(会長:野中広務全国水土里ネット会長)第7回総会は、去る11月25日、東京都港区の虎ノ門パストラルにおいて、
渡辺喜美衆議院議員、佐藤昭郎参議院議員、段本幸男参議院議員、農林水産省の太田信介農村振興局長ほか多数の来賓を招き、全国の会員多数が出席して総会を開催した。
 この協議会は、土地改良施設の国による直轄管理及び県の管理による補助管理の受益団体で結成されていた「基幹土地改良施設管理事業推進協議会」と土地改良区等の管理業務担当者の特別指導を実施する都道府県土地改良事業団体連合会で結成されていた「全国土地改良施設技術管理事業促進協議会」を平成9年に発展的に統合して発足したものである。
 総会に先立ち、兵庫県八千代町産業課長の細尾勝博氏を講師に迎え、「都市と農村交流共生対流による新しい心のふるさとづくり」と題して約1時間の講演会を行った。
 総会においては、平成16年度施設管理関係予算要
求の概要と新たな土地改良長期計画について、勝山達郎農林水産省農村振興局水利整備課施設管理室長から説明があった後、予定した8議案を原案どおり議決・承認し、第9号議案の役員の改選を行って総会を終了した。
 なお、総会終了後、陳情団を編成し、平成16年施設管理事業関係予算の確保、新規事業の創設等を関係財務省及び農林水産省並びに国会議員に要請した。
 なお、要請書の内容は次のとおり。

要請書


 国営土地改良事業等によって造成された基幹的な土地改良施設に係る管理事業の実施に当たりましては、平素から格別の御高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 ご承知のとおり、ダム、頭首工、用排水路などの土地改良施設は、農業生産を支える重要な施設であるばかりではなく、地域社会にとっても欠かすことのできない社会資本としての役割を担っており、施設機能の長期にわたる維持保全並びに安全かつ適正な管理が強く要請されております。
 このため、関係受益団体一同としては、関係行政機関のご指導の下に、日夜これら施設の管理事業に取り組んでいるところであります。
 平成16年度の予算編成に当たりましては、次のとおり新規事業の創設等予算の確保に対しまして、特段の御高配を賜りますよう受益団体挙げて要請申し上げます。


1 直轄管理事業・広域農業水利施設総合管理事業・国営造成施設県管理費補助事業・基幹水利施設管理事業の推進について
 直轄管理事業、広域農業水利施設総合管理事業、国営造成施設県管理費補助事業及び基幹水利施設管理事業は、土地改良施設のうち重要かつ公共性の高い施設を対象とするものであり、特に施設が大規模化、複雑化している今日においては、その果たす役割は、極めて重要であります。
 つきましては、要求予算枠の確保につきまして、特段の御配慮を賜りますようお願い申し上げます。

2 新農業水利システム保全対策の創設について
 農業水利システムは、食料の安定供給確保のための重要な基盤であり、社会の安定及び国民の安心と健康の維持を図る上でその役割を永続的に発揮させることが不可欠であります。
 都市化・混住化等が進展する中で、米政策改革による農業構造改革の加速化と多様な水田営農の展開に対応するため、施設管理の省力化等による新たな農業水利システムの構築と整備・更新を総合的に実施する新農業水利システム保全対策事業及び新農業水利システム保全整備事業の創設をお願い申し上げます。

3 農業水利ストックの有効活用のための予防保全対策の推進と現行制度の充実・強化について
 基幹的な農業水利施設は、その機能の適切な維持保全等を通じて施設の長寿命化を図り、既存ストックの有効活用を実現することが極めて重要であります。
 つきましては、施設の長寿命化に向けた予防保全対策を一層推進するため、予防保全対策及び機動的な整備更新等を効率的に実施するための農業水利施設情報のデジタル化、カルテ化を図り、一元的なデータベースの構築等を緊急的に行う調査の実施や要求予算枠の確保につきまして、特段の御配慮を賜りますようお願い申し上げます。
 また、施設管理の適正化や安全等の確保を図るため、現行制度の充実・強化や予算要求枠の確保につきましても、特段の御配慮を賜りますようお願い申し上げます。

平成15年11月25日
      全国土地改良施設管理事業推進協議会
             会長 野 中 広 務

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河内町立田原西小の松尾凪紗さんが文部科学大臣奨励賞
「ふるさとの田んぼと水」子ども絵画展2003

 ふるさとの田んぼと水・子ども絵画展2003は、全国土地改良事業団体連合会等の主催、農林水産省等の後援で実施。去る10月7日に本審査が行われ、入賞作品24点、入選作品116点が選ばれた。このうち本県関係では、入賞作品に2点、入選作品に14点が入る健闘を見せた。特に、ベスト3に入る文部科学大臣奨励賞に河内町立田原西小学校6年の松尾凪紗さんの作品「8月のなし園・せみの合唱」(表紙に掲載)
が選ばれ、11月1日、東京駅八重洲地下街メインアベニュー展示会場(10月31日〜11月6日、一般に展示)において受賞した。
 入賞作品は、全国土地改良事業団体連合会のホームページ、新・田舎人フォーラム(http://www.inakajin.or.jp/)で閲覧可能。貸出しにも応じている。


県内入賞者(敬称略)
文部科学大臣奨励賞「8月のなし園・せみの合唱」
 河内町立田原西小学校6年 松 尾 凪 紗

全国農業協同組合中央会長賞
「大好きなかごしまでのいねかり」
 高根沢町立西小学校3年 上 原 雅 也

県内入選者(敬称略)
「さむいなつでもおこめがちゃんとそだつマシーン」
 市貝町立市貝小学校1年 永 山 順 基

「にぎやかな田んぼ」
 宇都宮市立五代小学校2年 大 島 英里奈

「いなごのなえ作り」
 都賀町立赤津小学校2年 森 田 将 司

「汽車が来たあ!」
 小山市立羽川小学校3年 大 足 卓 矢

「どかんの中の王様」
 足利市立久野小学校3年 久 保 杏 菜

「ひ料をまくおじいちゃん」
 佐野市立犬伏小学校4年 仲 山 千 智

「おじいちゃんちでかんぴょうのおてつだい」
 小山市立羽川小学校4年 堀 田 昌 吾

「大きく育ったイネと子ども」
 茂木町立中川小学校4年 矢 野 瑞 希

「田んぼと水」
 今市市立猪倉小学校5年 加 藤 麻 衣

「クモのお昼ご飯」
 足利市立久野小学校5年 久 保 千 秋

「キャベツ畑」
 南河内町立緑小学校5年 細 見 果 歩

「おじいちゃんの田んぼ」
 氏家町立氏家小学校5年 栗 原 千 佳

「小貝川」
 市貝町立市貝小学校6年 菅 沼   梓

「那珂川」
 茂木町立中川小学校6年 小 林   舞




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自然探訪ウォーキングin河内
 栃木県21世紀土地改良区創造運動本部及び鬼怒川中部地区管理体制整備推進協議会並びに鬼怒中央地区管理体制整備推進協議会は、去る11月16日の日曜日に、栃木県農務部の後援を得て、都市住民や地域の非農家等約100名の参加者をにより「自然探訪ウォーキングin河内」を実施した。
 この催しは、都市住民や農村の地域住民の方々に余暇を利用したウォーキング体験を通じて、農業用水の役割や農業用水路等の土地改良施設の維持管理の大切さや苦労などについて認識を深める場を提供することにより、農業・農村の多面的な機能に対する県民の理解増進に資する目的で、今回が初めての企画であった。
 当日は、汗ばむほどの晴天に恵まれ、集合地の鬼怒川河川公園駐車場において開会式を挙行、21創造運動本部を代表して水土里ネットとちぎの鈴木弘之参事が開催趣旨を説明。鬼怒中央土地改良区連合の吉澤新市理事長は、「土地改良に携わる者として、その役割を一般の方々に理解していただくことは、非常に意義深く、このような機会を数多く作り、地域の方々と共に支え合う農業・農村を作っていきたい。」と挨拶された。後援団体の大久保幸雄栃木県農地計画課長が挨拶を述べられた後、日程等の説明、準備体操を行って、いよいよ2班に分かれてコースに出発した。
 県営圃場整備事業で整備された水田地帯を横断して復元拠点の白沢宿へ、江戸時代の本陣の宇加地邸宅、澤姫酒造、黒漆塗彩色を施した白沢南彫刻屋台などを見学した後、県営農村自然環境整備事業で整備した白沢農村公園緑地で一休み。鬼怒川右岸の桜づつみで昼食をとった後、ゴール地点の岡本頭首工へ足取りも軽やかに向かった。
 鬼怒中央土地改良区連合の事務所前に到着すると、岩本大同連合事務局長などから国営鬼怒中央地区農業水利事業などの概要の説明を受けて岡本頭首工を見学。同所において、上田憲一鬼怒川中部土地改良区連合事務局長が閉会挨拶を述べて解散した。


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境林地区水処理センター竣工式
 このほど、団体営農業集落排水事業境林地区の排水処理施設が竣工の運びとなり、去る11月19日、現地での竣工記念式典が挙行された。
 式典には、山口公久矢板市長はじめ、小田部弘栃木県塩谷農業振興事務所長ほか多数の来賓と関係者が出席し、盛大に挙行された。

◆事業の概要◆
事  業  名 団体営農業集落排水事業境林地区
所  在  地 矢板市木幡
処理方式 連続流入間欠ばっ気方式
管路延長 7,500m
計画処理人口 1,540人
供用開始 平成15年6月


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平成15年11月主要行事報告
行  事
1ふるさと田んぼと水子ども絵画展2003表彰式
5全国農村振興技術連盟関東協議会現地研修会
5〜7基幹水利施設管理技術者育成支援事業関東ブロック研修会
6平成16年度県農林施策並びに予算に関する要請会
7関東一都九県土地改良事業団体連合会協議会陳情
13〜14関東ブロック土地改良換地関係訴訟検討会
16自然探訪ウォーキングin河内
16西鬼怒地区自然環境フォーラム
19境林地区水処理センター竣工式
19第39回農地集団化事業推進全国研究会
20栃木県換地センター農地集団化規模拡大連絡会議
20〜21栃木県農業集落排水事業連絡協議会先進地視察研修
21栃木県換地センター農地連坦化(経営規模拡大等)研修会
25全国土地改良施設管理事業推進協議会第7回通常総会
26平成16年度農業農村整備事業予算拡大陳情
26農業農村整備の集い
26栃木県農業経営基盤強化促進大会

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表紙写真説明

表紙の写真『8月のなし園・せみの合唱』

○作 者
 松 尾 凪 紗さん(河内町立田原西小学校6年)

○コ メ ン ト
 「ふるさと田んぼと水」子ども絵画展2003で文部科学大臣奨励賞に輝いた作品です。
 講評は、「丁寧に描き込んであり、日本画の色の使い方にも似た、とても色調の落ち着いた良い絵である。
今までで梨を描いた人は一人もなかったが、梨というめずらしい題材を選びながら、緑を多く主張して描いていることに感心した。葉っぱ一枚一枚に光が当たり、違って見える様子など、緑の変化が非常に良く考えられていて、小学6年生でこれだけ緑の幅が出せるのは大したものである。蝉も細かくじっくりと描かれ、実に上手い絵だった。もう少し色の生き生きした感じがあるともっと良かったかも知れないが、梨の色がとても良く出ていて美しい。」というものであります。
 

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