『水土里ネットとちぎ』は本会の愛称です

『雪地蔵』
−主な内容−

平成16年度農業農村整備事業費の概要

水土里ネットによる農業振興活動の展開方向

芳賀町町内の8土地改良区が合併予備契約書に調印

土地改良区役職員研修会を開催


農業農村整備技術強化対策研修会を開催

お知らせ

平成16年1月主要行事報告

表紙写真説明



平成16年度農業農村整備事業費の概要
 政府は、昨年12月24日の閣議で平成16年度一般会計予算の政府案を決定し、今通常国会に提出した。農林水産予算概算決定の総額は、3兆522億円(対前年比98.1%)、公共投資関係費(施設費含む)は、1兆5015億円(対前年比95.8%)、農業農村整備事業費は、8345億円(対前年比95.0%)で、うち重点分野に6197億円となっている。限られた予算の中で、コスト縮減、事業実施の重点化・効率化、他省庁との連携強化を図ることに留意している。また、事業の新たな展開方向として、米政策改革への対応や地域資源の保全・管理に支えられた農業・農村づくりという視点を盛り込んだ。そのため16年度予算では、1.農業の構造改革を推進する生産基盤の整備(畑地転換・土づくり対策、水利施設維持管理対策、農地情報等の整備)、2.地域資源の利活用による循環型社会の構築(バイオマス利活用の推進、環境を育む農業への支援)、3.国民共有の財産としての美しいむらづくりの推進という3点から対応した予算を計上し、それぞれに必要な新規事業の創設や拡充等を図り、また、ハードとソフトの一体的実施により、施策を効果的に実現するとしている。
 なお、概算決定のポイントについては、次のとおり。

平成16年度 農業農村整備事業費概算決定のポイント

1.概算決定額

8,345億円(対前年比 95.0%)
うち「重点4分野」 6,197億円


2.概算決定額の主な内訳
 
1.農業の構造改革を推進する生産基盤の整備
 4,234億円(対前年比 101.1%)

(1) 米政策改革の推進への支援
○経営体の育成、農地の利用集積等農業の構造改革を加速するための農地整備を、関連するソフト施策との密接な連携の下に実施。
【主な事業】
・経営体育成基盤整備事業    912億円(93.4%)
・経営体育成促進事業(非公共)【拡充】
                 30億円(118.3%)

○地域水田農業ビジョンの実現に向け、きめ細かな基盤づくりを緊急的に行い、効率的な畑作物の生産など多様な水田農業の展開に向けた「畑地転換」、「土づくり」などの取組を支援。
【主な事業】
・地域水田農業支援緊急整備事業【新規】
85億円(皆 増)
・水田利活用緊急支援事業(非公共)【新規】
50億円(皆 増)

○都市化・混住化等が進行する中で、米政策改革による農業構造改革の加速化に対応した農業水利施設の効率的な管理等を実現するための条件を整備。
【主な事業】
・新農業水利システム保全対策事業【新規】
20億円(皆 増)
・新農業水利システム保全整備事業【新規】
80億円(皆 増)
・地域水田農業支援排水対策特別事業【新規】
43億円(皆 増)
・農業水利ストック有効活用緊急整備調査【新規】 
3億円(皆 増)

○産地づくり支援のため、農地情報等を整備するとともに、これら情報の利活用を推進。
【主な事業】
・産地づくり支援農地情報整備促進事業(非公共)【新規】 
9億円(皆 増)

(2) 地域特性に応じた産地形成のための畑地づくり
○地域のニーズに応じた野菜・果樹産地の強化に向け、意欲ある経営体への支援、畑地かんがいの高度化、樹園地の再編強化等の取組を強化。
【主な事業】
・畑地帯総合農地整備事業  438億円(91.0%)
・中山間総合整備事業  568億円(90.0%)
・一般農道整備事業  109億円(94.0%)

(3) 既存ストックの有効活用等による健全な水循環の形成
○水利施設の適切な予防保全対策による長寿命化、機動的かつ効率的な更新や水質浄化施設等の整備を、流域全体の視点から計画的かつ着実に行い、水の安定供給等を通じた健全な水循環系の構築を促進。
【主な事業】
・国営かんがい排水事業  1,798億円(103.1%)
・水質保全対策事業  24億円 (98.0%)
・国営造成水利施設保全対策事業等  16億円(123.4%)

2.地域資源の利活用による循環型社会の構築

(1) 循環型の農業・農村の実現に向けたバイオマス利活用の推進
○「バイオマス・ニッポン総合戦略」に基づき、新技術等を活用したリサイクル施設等の整備をソフト対策と一体的に行い、地域における有機性資源の着実な利活用を推進。
【主な事業】
・バイオマス利活用フロンティア整備事業 (非公共)【拡充】
 (地域バイオマス利活用施設整備事業)23億円(112.5%)
・バイオマス利活用フロンティア推進事業 (非公共)【拡充】 
14億円(77.2%)

(2) 地域一体で取り組む「環境を育む農業」への支援
○環境負荷の低い営農や水環境・生態系の保全に対応した基盤づくりを通じ、技術開発、普及活動との連携の下に行う環境と調和した持続的農業への取組を支援。
【主な事業】
・地域環境保全型農業推進総合整備事業(非公共)【新規】
20億円(皆 増)

3.国民共通の財産としての美しいむらづくりの推進

(1) 景観形成の視点に基づく環境創造型事業の新たな展開
○地域住民やNPO等多様な主体の参画による景観に配慮した農村の整備を通じて、次世代に継承される国民共通の財産としての美しいむらづくりを推進。また、「景観への配慮」等を田園環境整備マスタープランに反映。
【主な事業】
・農村振興総合整備事業【拡充】
139億円(129.2%)
・美しいむらづくり総合整備事業【新規】
5億円 (皆 増)
・田園空間整備事業     34億円 (89.9%)
・田園自然環境保全整備事業(非公共)【新規】 
      10億円(皆 増)

(2) 「人・もの・情報」が都市と農村で共生・対流する社会の実現
○事業の進め方などについて、地方の裁量を最大限に活かし、地域が主体となった個性あるむらづくりの推進や、ITの活用による農業や農村の活性化を目指す。「e−むらづくり計画」に基づく情報通信基盤を整備。
【主な事業】
・むらづくり交付金【新規】 100億円(皆 増)
・農村振興支援総合対策事業(非公共)のうち、
 情報基盤整備事業       24億円 (88.7%)

(3) 安全で安心なむらづくりに向けた防災対策
○農村地域における大規模地震対策の推進等のより、農用地等を災害から守り、農業生産の維持、農業経営の安定を図るとともに、地域の安全を確保し、地域社会に貢献する農地防災事業を展開。
【主な事業】
・国営総合農地防災事業    396億円(111.5%)
・農地保全事業        111億円(96.1%)
・土地改良施設耐震対策事業【新規】
                3億円 (皆 増)

3.ハードからソフトへの政策手段の転換
 地域における新たな政策課題に機動的に対応するため、公共事業予算の一部を非公共予算にシフトし(103億円)、非公共事業の創設等を幅広い分野で実施。
 農業農村整備事業とこれらの新しい政策手段との一体的な実施により、地域の主体性、創意工夫に基づく個性ある農村振興に向けた施策目的を効果的に実現。

【主要な新規非公共事業】
項  目内   容概算決定額
(億円)
○水田利活用緊急支援事業 地域の主体性を活かした産地づくりなどを支援するため、畑地転換、土づくり等のきめ細かな条件整備を機動的・緊急的に実施。50
○地域環境保全型農業推進総合整備事業 減農薬等の「環境を育む農業」への取組を推進するため、地域での目標達成に向け、基盤整備や土づくり施設等の整備を総合的に実施。20
○田園自然環境保全整備事業 地域住民、NPO等と連携した、農地、土地改良施設等の自然再生の視点に基づく環境保全型の整備を実施。10
○飼料基盤活用促進事業 自給飼料の生産性の向上を促進するため、地域の実情に即したきめ細かい飼料基盤の整備を機動的に推進。12



農業農村整備事業 平成16年度予算 概算決定の概要(国費)
(単位:百万円、%)
事     項H15年度
予算額
A
H16年度
概算決定額
B
対前年
伸 率
B/A
農業農村整備事業
  (うち農村振興局)
878,880
858,422
834,542
815,117
95.0
95.0
(農業生産基盤整備)
1.かんがい排水
   うち国営かん排
2.経営体育成基盤
3.諸土地改良
   うち新農業水利システム保全対策事業
4.畑地帯総合農地整備
   うち担い手育成・支援型
5.国営農用地再編整備
6.機構事業
7.その他
469,276
222,338
174,353
97,610
6,360
0
61,947
41,594
18,712
30,764
31,544
458,706
222,241
179,815
91,180
8,029
2,000
55,461
39,255
21,728
29,250
30,817
97.7
100.0
103.1
93.4
126.2
皆増
89.5
94.4
116.1
95.1
97.7
(農村整備)
8.農道整備
9.農業集落排水
10.農村総合整備
11.農村振興
   うちむらづくり交付金
12.中山間総合整備
13.その他
293,672
81091
79,260
24,913
28,747
0
63,057
16,604
256,041
71,900
62,400
18,450
32,068
10,000
56,759
14,464
87.2
88.7
78.7
74.1
111.6
皆増
90.0
87.1
(農地等保全管理)
14.防災保全
  (1)直轄地すべり
  (2)国営総合農地防災
  (3)農地防災
  (4)農地保全等
15.土地改良施設管理
16.その他
115,932
97504
6,000
35,485
35,257
20,762
14,050
4,378
119,795
101,550
5,550
39,563
36,042
20,395
13,738
4,507
103.3
104.1
92.5
111.5
102.2
98.2
97.8
102.9
注:百万円単位に四捨五入のため、計が合わない場合がある。

TOPへ


水土里ネットによる農業振興活動の展開方向
水土里ネットの農業振興活動を考える研究会報告

 全国水土里ネットでは「水土里ネットの農業振興活動を考える研究会」を平成15年1月に立ち上げ(本紙平成15年2月1日発行第443号に掲載)、今後、土地改良区が水土里ネットの名に相応しい団体として地域農業への期待に応えるとともに、自身の活動、運営基盤の強化にも資するため、従来の活動領域を広げる視点も含めて、農業の振興に向けた新たな活動分野にどのように関与すべきかについて検討を行ってきたが、昨年12月、その報告書「水土里ネットによる農業振興活動の展開方向」が公表された。
 その報告骨子については、次のとおり。

「水土里ネットの農業振興活動を考える研究会」報告骨子

はじめに
 本報告骨子(案)は、本年1月以来、土地改良区(以下、「水土里ネット」という。)の農業振興への関与のあり方について、水土里ネットからの意見と既に取り組まれているいくつかの活動事例を参考に、農業振興活動を推進するうえでの課題と展開方向を中心として本研究会が行ってきた検討の結果をとりまとめたもの。

1.農業振興活動を巡る情勢

1 水土里ネットの役割
○ 事業の実施、施設の管理を通じて国民の多様な食料を確保し、農村環境の保全、美しい景観、豊かな自然環境の創出など多面的機能の発揮にも貢献。

2 農業農村等を巡る情勢
○ 農家数の減少、農業の国際化の進展、それに伴う農産物価格の低迷を背景とした農業経営に対する意欲低下による離農や耕作放棄地の増加により、水土里ネットの業務への悪影響が懸念。

3 農業振興活動の取り組み
○ 業務の円滑な推進に加えて、農地の流動化促進、農業振興のための地域活動、営農に対する支援、直売所の運営支援など、地域農業の振興に資する様々な活動を各地で展開。
2.農業振興活動の位置付け

1 水土里ネットの業務
○ 事業の実施と施設の管理を行う中で、用水利用の規範の形成、地域用水機能や生態系保全機能の発揮、農地の高質化、換地による農地の集団化などに寄与。

2.農業振興活動と水土里ネットの業務との位置付け
○ 農業振興活動は概ね3つのタイプに分類。各地の厳しい農業情勢に対応するため、業務の成果をより一層高めようとする活動などに積極的に取り組む必要。

3.今後多くの水土里ネットが取り組むべき活動
○ 農業の構造改革や米政策改革への対応のため、土地利用調整機能を十全に発揮するとともに、業務の成果をより一層高めようとする活動として、土づくり、農業振興のために地域づくりなどは、多くの水土里ネットが取り組むべき活動。
3.事例調査

1 概略調査
○ 全国の農業振興活動の事例を調べるためアンケート調査を実施。確認された118の事例の約7割は生産関連の活動。生産関連の活動のうち約4割が土地利用調整活動。

2 詳細調査
○ 118の事例のうち、特徴的な取り組みを行っている12の事例を詳細調査の対象として抽出。現地ヒアリングにより、活動の背景、経緯、内容、効果、課題、将来展望等を把握。

 (1) 土地利用調整
○ 水土里ネット旭鷹、水土里ネット愛西では、農地GISを活用して担い手への農地利用集積を推進。水土里ネット上津、水土里ネット御調町今津野では、水土里ネットの役員が農業生産法人や集落営農組織を設立し、作業受委託と利用権設定による農地集積を推進。

 (2) 農業振興のための地域づくり
○ 水土里ネット亀田郷では、役員が設立した(財)亀田郷地域センターが、地域の環境改善活動、消費者との交流会、直売所の設置・運営、公共用地等の管理業務の受託などを行い、地域の社会資本の維持保全に貢献。

 (3) 土づくり
○ 水土里ネット東葛北部は、市が設置した堆肥センターの管理業務を受託。生産された堆肥を農家に無料で配布することによる農地の土づくりに貢献。水土里ネット印旛沼では、排水路の堆積土砂の農地への還元、排水路周辺に群生する芦を原料とした堆肥の試験製造などを実施。

 (4) 営農支援
○ 水土里ネット清原南部は、営農対策委員会の下部組織が、農産物直売所の設置、農業機械リース、大手スーパーとの契約栽培の仲介など推進。水土里ネット群馬用水は、ネット内に営農指導課を設置し、農業用水を活用した営農改善指導を推進。水土里ネット茶屋新田では、同ネットが事務局となって市、農協とともに設立した「有機農業推進協議会」が、実証栽培、堆肥の試験製造などを推進。水土里ネット旭鷹では、衛星情報を活用した低タンパク米生産に向けた取り組みを推進。

 (5) 加工・流通・販売
○ 水土里ネット寒河江川は、市が設置した直売所に対して、販売員の派遣、売上げ事務の代行など直売所の運営を支援。水土里ネット佐布里では、同ネットが事務局となって設立した営農委員会や同委員会が別に組織した研究会が、朝市や、佐布里梅栽培の講習会などを開催。水土里ネット上津では、同ネットの役員が設立した農業生産法人「比々岐ファーム」が、米の産直販売、みそ、豆腐、こんにゃく等の加工と販売、学校給食への提供など地産地消を推進。

3 事例に見られる特徴
 (1) 活動の背景
○ 12の事例からうかがえる活動の背景は、1.農業水利施設の維持管理への悪影響に対する懸念、2.農業の構造改革、米政策改革の推進など新たな政策課題に対する対応の必要性、3.生産基盤整備による農業振興に対するモチベーションの向上に集約。

 (2) 活動の組織形態
○ 活動の組織形態は4つのタイプに分類。水土里ネット役員の強いリーダーシップがある場合、人員配置が整備されている場合、収益活動を行う場合などで組織形態を選定。

 (3) 新たな活動に対する水土里ネットの意向
○ 水土里ネットは、自らの業務に関連して保有している情報やノウハウを活用して、新たな取り組みを行いたいとの意向を有している。

4.農業振興活動の課題と方向性

1 水土里ネットの活動の制約と位置付け
○ 水土里ネットの農業振興活動は、土地改良事業又は附帯事業に該当することが前提。活動を行う際には、1.公共法人としての性格、2.「組合員の共同の利益」の増進、3.リスクの有無などの観点からのチェックが必要。全体を構成する個々の組合員が個々の取り組みに応じて利益を受けるという農業振興活動の性格上、今後は「農家個々の私益」の観点もチェック項目として組み込む必要。

2 活動ごとの課題と展開方向
 (1) 土地利用調整
○ 土地利用調整については、事業完了後の活動がなかなか進まない点や、土地利用調整の一環としての農地保有合理化事業が制度的な制約によって行えないなどの課題を解決する必要。

1.事業完了後の活動の継続性確保
○ 農地GISの整備の一層の推進、水土里ネットが保有する農業水利施設情報のデジタル化等を進め、一層効率的な土地利用調整を推進していく必要。

2.農地保有合理化事業
○ 農地保有合理化事業は、換地と異なり、長期的かつ広範囲に土地利用調整が可能な手段。ほ場整備における換地と一体として推進すれば農地集積を飛躍的に促進できることから、農地保有合理化機能は水土里ネットに相応しい機能。

3.一定地域外農地の取り扱い
○ 農地GISの整備については、システムを保有している機関が他の機関のデータを一元的に集積し提供して行くなど、地域の社会資本全体のなかで有効かつ効率的な方法を見いだすべき。

 (2) 市民農園の開設と運営
○ 市民農園は、耕作意欲減退者の農地を有効活用する効果的な手段。構造改革特区において、水土里ネットが開設主体としての取り組みを積極的に進め、現行法における開設主体としての位置付けを検討することが重要。

 (3) 農業振興のための地域づくり
○ 水土里ネットのノウハウを活用して、農業振興のための活動を実施していくことが重要。農業体験学習、食農教育、地産地消など、国民、消費者に目線を向けた地域活動やグリーンツーリズムを活用した都市農村交流に取り組み、農産物のイメージアップやブランド化につなげていくことが重要。

 (4) 営農支援
1.営農への一貫した関与
○ 事業の効果を十全に発揮させることにより、組合員の農業所得の安定化を図るため、事業のみならず将来の営農方向まで視野に入れた対応を行うことは土地改良事業の実施主体として取り組むべき課題。
2.土づくり
○ 有機性資源等による土づくりは、事業の効果を高める上で不可欠であり、今後とも積極的に取り込む必要。有機性資源を製造する堆肥センターは、法に位置付けられている「客土」に類似する事業として新たに位置付けるか、本来の業務との密接な関連性を有する活動として、附帯事業に位置付ける余地。
3.環境保全型農業の推進
○ 農産物の安全・安心志向の高まりを受け、農産物の有機ブランド化や環境ブランド化などに貢献するため、土壌診断、農業用水の水質検査、バイオマス発電の計画策定に積極的に取り組むべき。
4.農地GISの営農への活用の推進
○ 農地GISを、農業団体との連携のもと、農産物の品質向上のための営農面での活用に応用するとともに、水土里ネットのIT化を進めることによって、トレーサビリティーの確立等にも貢献して行くことが重要。

 (5) 直売所、加工所の設置及び運営
○ 組合員の農業所得を確保することにより賦課金の円滑な徴収を確保する観点から、リスクを伴わない方法を選択した上で、附帯事業に位置付けない形で組合員の合意のもとに直売所の設置及び運営を行うことは可能。

 (6) 各種事業の受託の推進
○ 都市化、混住化の進展に伴い、受益地内に市町村道、農村公園をはじめとした公共施設の新設が予想される中、水土里ネットの運営基盤の強化に資するため、自らが持つノウハウを活用して、公共施設や施設用地の管理などの業務を受託していくことが重要。

3 米政策改革への対応
○ 水土里ネットは、地域の水田農業の方向性を定める「地域水田農業推進協議会」へ参画し、生産の多様化に伴う農業用水のきめ細かな管理、ほ場の排水条件の改良、集団転作の推進、担い手への農地集積のための土地利用調整への対応など、米政策改革の推進に貢献して行くことが重要。

4 行政や農業団体との連携
○ 農業振興活動に取り組む際には、行政や他の農業団体と連携し、各組織の機能を相互に補完し合う調整が必要。行政等の広域化等に伴って営農指導等のサービスが低下している地域では、本来他の機関が担うべき機能を水土里ネットが補う形で活動を展開することが重要。

5 体制の整備
○ 地域の実情や活動の内容に応じて、活動の体制(タイプ)を適切に選択することが重要。まずは「地域水田農業推進協議会」に主体的に参画するとともに、普及所OBなどの専門家の雇用、農協及び系統組織等との人事交流も効果的。

6 活動の普及とPR
○ 活動への取り組み意欲があり、組織体制が整備されている水土里ネットから活動を始め、地域の制約条件・制度的・資金的課題等の解消を図りながらその積み重ねによって各地の水土里ネットへ普及していくことが重要。

7 行政による支援
○ 農業振興活動を継続的に推進していくためには、拠点施設や農地GISの整備など行政の支援を要請していくことが重要。

おわりに
本報告骨子(案)は、現行の制度的枠組みの中で、今後の水土里ネットによる農業振興活動の展開方向を示したもので、今後、現場への浸透を図るなかで十分な議論が行われることにより、地域の実情に即した活動が展開されることを期待。その際、活動の必要性・必然性とともの、本報告における提案事項の現場への適合性を検証しつつ、必要に応じた制度上の見直しも視野に入れた検討を行うことが肝要。

TOPへ


芳賀町町内の8土地改良区が合併予備契約書に調印
 芳賀町町内にある「芳賀町北部」、「芳賀町西部」、「芳賀町下高根沢」、「芳賀町東高橋」、「芳賀町西高橋」、「芳賀町下延生」、「芳賀町八ツ木」、「芳賀町唐桶」の8土地改良区は、1月26日、森仁芳賀町長、殿村聖二栃木県農務部参事兼芳賀農業振興事務所長の立ち会いのもとで、合併予備契約書の調印式を行った。
 8土地改良区は、平成16年度内にそれぞれ総会を開いて合併を承認し、新土地改良区設立委員を選出する。同委員会が関係法令に基づき、合併に関するすべての事務を行い、平成17年6月に新土地改良区の設立を目指すこととしている。県内の市町村単位で合併土地改良区が誕生するのは、高根沢町、大田原市、上三川町、馬頭町、氏家町、黒磯市、市貝町、南河内町に続き9例目になる。農業・農村を取り巻く環境が年々厳しくなる中、組織の一本化により、土地改良区の活性化や運営基盤の強化、事務の合理化による経費節減を図るのが目的である。
 芳賀町土地改良区協議会加入の8土地改良区は、芳賀町北部を除いて既に農業用用排水等の維持管理に移行している。このため、平成13年に合併推進協議会を設立して、合併に向けた整備計画書づくりなどを進めてきた。



統合整備の概要
旧改良区名面  積役員数総代数組合員数事業概要
芳賀町北部724.8ha25人50人950人県圃実施中
芳賀町西部588.6ha29人46人614人維持管理
芳賀町下高根沢523.1ha14人30人503人維持管理
芳賀町東高橋442.7ha18人37人400人維持管理
芳賀町西高橋200.8ha13人―人241人維持管理
芳賀町下延生186.5ha10人―人196人維持管理
芳賀町八ツ木30.5ha12人―人94人維持管理
芳賀町唐桶49.1ha10人―人79人維持管理
合  計2,746.1ha131人163人3,077人重 複  ha
新土地改良区2,746.1ha25人50人3,077人重 複 ― 人

TOPへ


土地改良区役職員研修会を開催
 本会は、昨年12月2日と3日の両日、塩谷郡藤原町において、平成15年度土地改良区役職員研修会を開催した。
 研修会には、野澤章浤栃木県農務部技監等を来賓に迎え、会員市町村及び水土里ネットの役職員13名が参加した。開会挨拶は、沼部和弘水土里ネットとちぎ専務理事が述べ、来賓を代表して野澤技監が述べられた後、研修に入り、初めに、栃木県農務部農地計画課管理指導担当の千金楽宏係長が「栃木県土地改良区統合整備基本計画III期計画について」と題して、計画期間、計画の基本方針、目標、手法、重点指導地区等の説明を行った。
 引き続き千金楽宏係長が「米政策改革に向けての土地改良区の取り組みについて」と題して、新たな米政策の成功に向けて、水土里ネットが地域の農業振興にどのように活動できるかなどを説明した。
 続いて、ふるさととちぎ21活性化塾アドバイザーの上野文夫氏が「学ぶ・動く・交わり」〜荒墾の活動を通して〜と題して、小山市桑地区を中心とした活動の経験をもとに、農業・農村の活性化に向けた自主学習と実践活動の展開及び消費者との交流による農業に対する理解の促進と情報の発信についての経験談や意見が述べられた。
 以上で初日の研修を終え、翌3日には、県営かんがい排水事業大室地区で造成した大室ダムの現地視察を行って解散した。


TOPへ


農業農村整備技術強化対策研修会を開催
 平成15年度農業農村整備技術強化対策事業一般研修会は、県、市町村、水土里ネット、本会等の職員を対象に農業農村整備事業に係る知識、技能を修得させるための研修会として、毎年度本会が主催しているが、本年度は、農業農村整備事業の新たな展開方向として米政策改革の支援に資するため事業制度の説明、受講希望の多かった事業執行計画の着眼点、新技術として話題になっているバイオマス利活用をテーマにして、栃木県土地改良会館において、去る1月21日、受講者152名が出席して、下記のカリキュラムのとおり開催した。
 また、受講者に対するアンケート調査の結果、今後取り上げて欲しい研修課題では、工事検査等の現地研修、生態系に配慮した事業の事例、土地改良区と担い手育成・農地利用集積への取組み方法の研修等の要望が寄せられ、今後の研修科目の設定の参考になった。

研修カリキュラム         (敬称略)
「農業農村整備事業の概要・事業制度について」
   栃木県農務部農地計画課
          課長補佐  大 木 光 夫
「事業執行計画の着眼点について」工事執行事務・工事管理・工事監督・最近の県の執行動向・会計検査の状況
   栃木県農務部農政課指導検査班
          副検査監  北 原 茂 夫
「バイオマスの利活用について」
   栃木県農務部農村振興室
        総括室長補佐  福 田   保
「資源循環型堆肥化施設の実施事例紹介」茂木町美土里館
   茂木町農林課土づくり推進室
         紹介長補佐  矢 野 健 司


TOPへ


お 知 ら せ
 本会の第72回通常総会は、3月26日(金)午前10時から栃木県土地改良会館において開催する予定です。




メールアドレスの変更について(お知らせ)


 2月15日から下記のとおり、メールアドレスが変更となりましたのでご案内申し上げます。




所 属メールアドレス
総務課(代表)doren-s1@snow.ucatv.ne.jp
経理課doren-s2@snow.ucatv.ne.jp
企画電算課doren-s3@snow.ucatv.ne.jp
技術情報課doren-g1@snow.ucatv.ne.jp
調査計画課doren-g2@snow.ucatv.ne.jp
農村整備一課doren-g3@snow.ucatv.ne.jp
農村整備二課doren-g4@snow.ucatv.ne.jp
集落排水課doren-g5@snow.ucatv.ne.jp
集落排水施設課doren-g6@snow.ucatv.ne.jp
換地計画課doren-k1@snow.ucatv.ne.jp
換地一課doren-k2@snow.ucatv.ne.jp
換地二課doren-k3@snow.ucatv.ne.jp
測量課doren-k4@snow.ucatv.ne.jp
地籍調査室doren-k5@snow.ucatv.ne.jp
指導課doren-s4@snow.ucatv.ne.jp
管理課doren-s5@snow.ucatv.ne.jp


TOPへ


平成16年1月主要行事報告
行  事
5仕事初め式
13浄化槽の法定検査に関する説明会
14〜16土地改良区検査官による検査
15県営圃場整備事業長沼西部地区起工式
15関東管内標準積算システム利用団体連絡会
16関東一都九県水土里ネット協議会事務責任者合同会議
19〜20農業農村整備事業品質確保・向上対策事業関東地方研修会
20栃木県監査委員本監査
20土地改良区における消費税研修会
21農業農村整備技術強化対策事業一般研修会
21農業土木学会第36回中央研修会
23〜24田園自然再生シンポジウム
26芳賀町町内土地改良区合併予備調印式
26第2回農業集落排水事業低コスト技術研究会
26水土里ネットの農業振興活動・平成16年度拡充予算等説明会
28農地流動化支援水利用調整事業システム研修会
28換地計画推進全国会議
29平成15年度第1回栃木県農業集落排水事業研究会
29〜30土地改良区役職員研修会

TOPへ


表紙写真説明

表紙の写真『雪地蔵』

○撮影者
 大 橋 志保子さん
 (塩谷郡氏家町在住)

○撮影地 塩谷郡喜連川町

○コ メ ン ト
 平成15年度「美しいとちぎのむら写真コンテスト」景観保持・文化部門で入選に輝いた作品です。
 雪が舞う夜間にお地蔵様を撮影するという発想が素晴らしいと想います。闇に光る雪、お地蔵様がまとった赤い布、そして石の色のコントラストが幻想的な世界を作り出しています。ストロボの光が遠くまで届かないことを上手く利用した作品です。
 

TOPへ