『水土里ネットとちぎ』は本会の愛称です

『朝焼けのカーテン』
−主な内容−

米政策改革推進のための平成16年度関連施策

食料・農業・農村基本計画を見直し

美しいとちぎのむら写真コンテスト表彰式

西鬼怒の川に親しむ会が農村振興局長賞を受賞


農業委員会の選任委員に土地改良区も

土地改良区の貴重な資料の保存・土地改良電子博物館

平成16年2月主要行事報告

表紙写真説明



米政策改革推進のための平成16年度関連施策
〜21創造運動を支援する制度〜

 米政策改革、農業振興への取り組みは、水土里ネットの新たな役割として、21創造運動の一環として位置づけられるもの。平成16年度予算として農水省が準備した米政策改革に係る事業制度は、21創造運動当初に求められていた制度的・財政的支援を農業振興活動の推進という形で具現化したもので、21創造運動を具体的に進める実効ある手段として、各水土里ネットの積極的な活用が期待される。


 平成13年度から始まった21世紀土地改良区創造運動は、3年を経過した現在、全国の関係者の粘り強い取り組みによって徐々に浸透・広がりを見せてきた。とくに一昨年10月の愛称「水土里ネット」が決定してからは、愛称を全面に出した取り組みが加速し、名刺等で多くの土地改良区が「水土里ネット」を使用するなど、その成果が目に見える形で顕れてきた。
 運動の当初は、賦課金の徴収難や施設管理に支障を及ぼすといった、土地改良区自身の運営難を背景に、運動の目的やメリット、活動の経費など、趣旨には賛同するものの、実行となると懐疑的な反応が多く、活動に対する制度的・財政的支援を求める声が出されていた。しかし、同時に、土地改良法に則った本来業務を踏まえながらも、現状から脱却し、新たな役割や展開方向をもった組織改革を進めなければ、土地改良区が先細りとなるのも周囲の一致した見方であり、多くの土地改良区は“やりたくてもできない”というジレンマを抱えていた。
 こうした意識を変え、一歩前進するため、この3年の間、21世紀土地改良区創造運動推進本部は、普及用パンフレットや事例集の他、平成15年度には先進的な地区を表彰する「21創造運動大賞」を創設するなど、様々な取り組みを展開してきた。
 加えて、農政の大きな転換ともいえる米政策改革によって、水土里ネットの農業振興活動への積極的な関与が求められるなか、水土里ネットの農業振興への取り組みが明らかにされてこなかった現状から、全国水土里ネットは、「水土里ネットの農業振興活動を考える研究会」を立ち上げ、農業振興活動の実態やその可能性、今後の展開方向について、農村振興局と一体になって検討を行なうとともに、今後の活動に対しても農水省に強力な支援を要請してきた。今回の事業制度は、こうした経緯を反映して、21創造運動とも連動した水土里ネットの新たな展開を支援するものだ。

1.土地改良区組織運営基盤強化対策(拡充)
・米政策改革等に対応した土地改良施設の効率的・適正な維持管理を担い得ること
・農業情勢の変化に対応した土地利用調整・営農支援活動を図り得ること
・多面的機能の発揮等により地域社会に貢献すること
 といった米政策改革等諸問題に水土里ネットが的確に対応できるよう、水土里ネットの統合整備の推進や土地利用調整等の積極的な展開を図るための対策を講じることにより、組織経営の基盤強化を図る。
○水土里ネットが取り組もうとする各種の農業振興
 活動の計画づくり
 (実施主体;水土里ネット)
<事業運営改革基本計画策定事業(拡充)>
 土地改良区が自らの事業運営改革基本計画を策定(小規模土地改良区にあっては県土連、市町村が作成)
・広域的な市町村合併等を踏まえた統合整備の構想
・米政策改革に対応するための土地改良施設の効率的・適正な利活用方策
・農業の構造改革のための土地利用調整活動等の展開方向
・地域住民等の維持管理への参加の促進方策
○水土里ネットの農業振興活動に対し、都道府県水土里ネットが行う活動支援及び指導事業(実施主体;全国・都道府県水土里ネット)
<土地改良区組織運営基盤強化推進事業(拡充)>
・米政策改革の諸課題解決のための土地利用調整のための事例調査、濃密指導
・合併、土地利用調整等の研修

2.産地づくり支援農地情報整備促進事業(新規)
 農地情報システムは、農地の集積や作付計画の検討、水利用の調整など農地管理や営農活動を行う上で有効な手段。今後の地域水田農業ビジョンの策定をその実現を図ること、さらに市町村、土地改良区、農協等各種団体間の農地情報の共有化や相互利用に資する農地情報システムの構築、データ整備を支援することにより、地域の産地づくりを推進し、農村地域の振興を図る。
○水土里ネットが行なう新規の農地GIS整備や情報を共有化する事業(実施主体;市町村、水土里ネット、農協、農業委員会等)
・事業内容は、〜地域の農業関係団体等で構成する協議会において定められた農地情報の地理情報化、相互利用、情報発信に基づく以下の事業
  1.農地情報にかかるデータ整備
  2.農地情報の相互利用のためのシステム導入
・採択要件は、地域水田農業ビジョン策定地区で、地域の農業関係団体等が構成する協議会が、農地情報の地理情報化、相互利用、情報発信にかかる構想を策定

3.農業水利ストック有効活用緊急整備調査(新規)
 農業水利施設情報のデジタル化・カルテ化を図り、データベースの構築を行う以下の調査を緊急的に実施。
・デジタル化・カルテ化を行ない利活用するためのシステム開発
・完了している農業水利施設情報等のデジタル化・カルテ化のための情報収集
 また、産地づくりを支援するため、農業水利施設情報と農地情報との相互連携、データの持続的管理のための体制整備を図る
○水土里ネット及び都道府県水土里ネットは、事業実施主体(国)に対する情報提供等の業務を受託

4.地域水田農業支援緊急整備事業(新規)
 地域水田農業ビジョンの実現、即ち、地域の特性に応じた水田の有効利用や地域農業の振興に資するため、耕地の汎用化をはじめとした農用地の高度利用や水田の畑地化、良好な土づくり等、地域の主体性が生かせるような条件整備を機動的かつ緊急的に実施。
○地域水田農業ビジョンの実現を支援するため「畑地転換」、「土づくり」などきめ細かな基盤の整備を実施(実施主体;都道府県)
・緊急整備型の採択要件のうち、農業振興に係るものは、地域水田農業支援整備構想が作成され、整備する地域の営農計画等を盛り込んだ「地域水田農業支援総合土地改良計画」を作成すること/担い手の経営等面積割合が20%以上でかつ、事業の実施により地域水田農業ビジョンに沿って担い手への集積が見込まれること等
・畑地転換型で農業振興に係る採択要件は、地域水田農業ビジョンが策定され、地域単位の産地づくり構想等畑作の営農計画が位置づけられていること/受益面積のうち少なくとも10ha以上の水田を他地目に転換すること/担い手の経営等面積割合が20%以上でかつ、事業の実施により地域水田農業ビジョンに沿って担い手への集積が見込まれること等

5.水田利活用緊急支援事業(新規)
 地域ごとの水田農業の今後のあり方については、地域の作付・販売戦略、水田の利活用、担い手育成等の将来方向を明確にした地域水田農業ビジョンを自ら作成し、戦略確立のための積極的な取り組みに向けた、きめ細かな基盤づくりの推進が不可欠。
 このため、地域特性に応じた水田の利活用を促進する観点から、「水田の畑地化の促進」や「水田の畑地化の定着」に向けた産地づくりなど、地域の主体性が生かせる条件整備を農地の状況に応じて、機動的かつ緊急的に「水田利活用緊急支援事業」を実施。
○米政策改革に即応した地域の主体性による営農展開に資する緊急的な条件整備(実施主体;市町村、水土里ネット、農協等)
・事業内容は、(基幹工種)1.農業用用排水施設、2.暗渠排水、3.客土、4.農地造成(水田から畑への地目転換含む)、5.土壌改良、(併せ行う工種)6.区画整理、7.農用地保全、8.営農用水施設等
・採択要件として、地域水田農業ビジョンを策定している地域単位の産地づくりの構想に沿った整備であること/基幹工種1.〜5.のいずれか、もしくは2工種以上/基幹工種の面積合計が5haであること

6.地域環境保全型農業推進総合整備事業(新規)
 地域における環境保全型農業の推進計画の目標達成に向けて、地域一体となった環境保全型農業を推進するために必要な基盤整備、土づくりと併せて行う水環境・生態系の保全整備を行うとともに、普及や効果の検証・分析、情報発信等を支援
○土づくり、化学肥料低減、農薬低減、水質改善等の実現を図るための基盤整備や体制整備(実施主体;都道府県、市町村、都道府県水土里ネット、水土里ネット、農協等)
・事業内容は、1.生産基盤整備、2.土づくり施設整備、3.水質保全施設整備、4.生態系保全施設整備、5.効果検証・情報発信体制整備
・採択要件として、面的な広がりをもって環境保全農業に取り組むこと/環境保全型農業の推進計画(市町村等)で、実践計画と目標が設定されていること/生産基盤整備の面積が5ha以上



事業名農業振興への展開
土地改良区組織運営基盤強化対策事業運営改革基本計画策定事業 水土里ネットが事業運営改革基本計画を策定
 ・米政策改革に対応する施設の利活用方策
 ・土地利用調整活動等の展開方策
 ・地域住民等の維持管理への参加の促進方策
産地づくり支援農地情報整備促進事業 農地情報にかかるデータ整備、相互利用のためのシステム導入により、
 ・農地の流動化促進
 ・作付調整や団地化の推進
 ・営農指導の実践
 ・生産流通の履歴情報を付加した図面によりトレーサビリティの確保といった活用方策が想定
農業水利ストック有効活用緊急整備調査 農業水利施設情報の整備(実施主体;国)に対する情報収集への委託等による協力等・データベースの利活用
地域水田農業支援緊急整備事業 地域水田農業ビジョンを反映し、地域水田農業の改革方向に即した緊急的な条件整備(実施主体;都道府県)
水田利活用緊急支援事業 地域の主体性による営農展開に資する緊急的な条件整備
 ・水田の畑地化の促進・定着に向けた産地づくり
地域環境保全型農業推進総合整備事業 環境保全型農業の推進計画(土づくり、減農薬、減化学肥料等)の達成に向けた施設等の整備
 ・土づくり施設整備
 ・水質保全施設整備
 ・生態系保全施設整備
 ・効果の検証・分析、情報発信

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食料・農業・農村基本計画を見直し
亀井農相が政策審に諮問、夏ごろ中間まとめ
品目横断的な政策、地域資源保全政策など

 農水省は去る12月9日、食料・農業・農村政策審議会を開き、亀井善之農相は食料・農業・農村基本計画の見直しについて諮問した。年明けから企画部会を月1、2回のペースで開いて、検討し、夏ごろに中間論点を整理する。来年,05年3月までに新基本計画を策定、答申する。そして、実行可能な改革から来年度の施策に反映していく。

 同計画は、食料・農業・農村基本法が目指す理念を実現するための具体的な施策や計画を示したもの。食料・農業・農村を巡る情勢の変化、施策の効果についての評価を踏まえて、おおむね5年ごとに見直すことになっている。現在の基本計画は、2000年3月に閣議決定された。
 見直しに当たっては、(1)品目別の価格・経営安定政策から、直接支払いも視野に入れた、地域農業の担い手の経営を支援する品目横断的な政策への移行、(2)望ましい農業構造・土地利用を実現するための担い手・農地制度の改革、(3)環境保全を重視した施策の一層の推進と、農地・水等の地域資源の保全のための政策の確立−の3点を主な検討課題としている。
 亀井農相は「スピード感をもって農業改革に取り組む必要がある。そのためには前例にとらわれず大きな視点で議論して欲しい」と強調した。また、国民に開かれた透明性のある議論を行ない、消費者、国民の理解を得ていきたい、と述べた。
 意見交換では、出席委員から、同基本計画を国民的な議論によって見直す必要性や食料安全保障の観点からの食料自給率の位置づけを求める意見などが出され、また政策伝達ルートに問題があるとして情報伝達を多様化すべきだとの要請があった。
 品目横断的な政策への移行については、具体的な質問と要望が出され、農水省の担当課長があらまし次のような考えを示した。国際競争力の観点から、どうしても超えられない格差のある土地利用型農業には安定的な支援が必要であり、畑作はその優先順位が高い。しかし、他の作目も必要でないとは考えていない。その手法は、保険方式も含め、検討俎上にあったものはプラン案として示したい。

食料・農業・農村基本計画に関する審議の進め方
年 月項  目
03年12月  食料・農業・農村審議会(12月9日)
 ・基本計画変更についての諮問
04年
 企画部会
 ・現行基本計画の検証と食料、農 業、農村をめぐる課題等について
  議論 (1ヶ月に1〜2回ペースで開催)
夏頃
 食料・農業・農村政策審議会
 ・中間論点整理
年末
 企画部会
 ・政策のあり方について議論 (1ヶ月に1〜2回ペースで開催)食料・農業・農村政策審議会
 ・論点整理
05年
 企画部会
 ・基本計画案について議論
3 月
 食料・農業・農村政策審議会
 ・基本計画変更について答申

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美しいとちぎのむら写真コンテスト表彰式
 本会は、栃木県及びふるさととちぎ21活性化塾並びに栃木県むらづくり大会開催委員会との共催で「第10回美しいとちぎのむら写真コンテスト」を実施し、2月17日、宇都宮市一の沢町にオープンしたばかりの「とちぎアグリプラザ」において入賞作品の表彰を行った。
 表彰式は、栃木県知事代理で農務部長の橋本俊一氏、ふるさととちぎ21活性化塾長で栃木県農業振興公社理事長の中村修氏、鈴木弘之本会参事等が出席し、各賞の受賞者に表彰状が伝達された。
 また、高田審査委員(栃木県写真家協会長)から審査経緯及び最優秀賞作品2点についての講評が述べられた。
 受賞作品は同所玄関ホールにおいて2月13日から18日まで展示し、広く県民に紹介した。
 入賞作品については、次のとおりであるが、先月号から本紙に掲載しており、できる限り紹介する予定である。

入賞作品(敬称略・在住地)
◆景観保持文化部門
◎最優秀賞(知事賞)
「野の語らい」     菅 谷   勇 (真岡市)
◎優秀賞(県農務部長賞)
「収穫」        五月女 久 雄(宇都宮市)
「体験学習」      斎 藤 和 男 (小山市)
「祭の舞に向う」    江 川   清(宇都宮市)
◎入選(主催者賞)
「田植えの頃」     鈴 木 三 朗 (茂木町)
「春の畑では」     柚 木 光 明 (市貝町)
「ヒガンバナの里」   大野木 和 子 (益子町)
「稚児の舞」      渡 辺   実 (小山市)
「家族で収穫」     井 伊 研 一 (小山市)
「下組の大杉」     梅 原   昌(宇都宮市)
「赤男体」       木 村   務 (今市市)
「雪地蔵」       大 橋 志保子 (氏家町)
「子供相撲」      佐 海 忠 夫 (真岡市)
「秋晴れ」       長谷川 静 江(南那須町)

◆農業農村整備部門
◎最優秀賞(知事賞)
「夏の小倉堰」     海老沼 清一郎 (小山市)
◎優秀賞(県農務部長賞)
「美田、通学路」    冨 永   明(宇都宮市)
「豊量水資源」     江 川 多 嘉(宇都宮市)
「田植え準備」     佐 海 忠 夫 (真岡市)
◎入選(主催者賞)
「水の恵み」      古 口 芳 夫(宇都宮市)
「満水の堰」      征 矢 光 子 (鹿沼市)
「三連めがね橋」    石 山 敏 節 (小山市)
「6条植え」      井 伊 研 一 (小山市)
「朝焼けのカーテン」  木 村   務 (今市市)
「花の用水路」     大 橋 志保子 (氏家町)
「整備された水路」   渡 辺 福三郎(宇都宮市)
「むらを潤す」     吉 崎 邦 男(宇都宮市)

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西鬼怒の川に親しむ会が農村振興局長賞を受賞
田園自然再生活動コンクール

 農林水産省、社団法人農村環境整備センター、田んぼフォーラム実行委員会主催による田園自然再生シンポジウムは、1月23日と24日の両日、東京都において開催され、田園自然再生活動コンクールの表彰式やその活動報告など、また、田んぼフォーラムを通して、自然と共生した農村づくりについて、幅広く活発な議論が繰り広げられた。
 田園自然再生活動コンクールでは、全国から100事例の応募があり、その中から8団体に農林水産大臣賞をはじめ各賞が授与された。栃木県からは、河内郡河内町の西鬼怒の川に親しむ会が農村振興局長賞の栄誉に輝いた。
 田園自然再生活動コンクールは、農村地域において、農業生産との調和を図りながら、自然環境保全・再生活動を行っている優良事例について表彰し、その成果を広く紹介することによって、農村地域の自然環境に対する国民の理解を深めるとともに、こうした活動の普及を図り、自然と共生した農村づくりの推進に資することを目的として、本年度から実施している。
 表彰される各賞は、最高位の農林水産大臣賞は総合的に優れた取組み、農村振興局長賞は農業農村振興・地域づくりに向けた取組み、自然環境局長賞は自然や生態系の保全・再生に向けた取組み、朝日新聞社賞は活動内容が幅広く、社会的貢献度が高い取組み、子どもと生きもの賞は子どもたちの環境教育への取組み、パートナーシップ賞は多様な主体が連携した取組み、オーライ!ニッポン賞は都市と農村の共生・対流によって実施している取組み、まちなかのふるさと賞は都市部における優れた取組みに対して贈られる。
 西鬼怒の川に親しむ会の受賞理由は、圃場整備にあたり、河川の一部を生態系保全空間として保持し、水田・水路の落差解消を図るなど、地域固有の自然環境の保全に配慮しており、生態系に配慮した圃場整備の全国的なモデルとなっている。また、数多くの地域住民、企業、学識経験者等の参加のもとで、人と自然が共生できる農村自然環境の保全活動を多面的に展開しており、農村振興の観点から優れた取組みであるとしている。

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農業委員会の選任委員に土地改良区も
農業委員会改正法案を今国会に提出

 農林水産省は、農政改革を進める八つの改正法案を提出すると伝えられている。その中で、地方分権に向けた改革とも関連させて推進する農業委員会改正法案では、選任委員の選出方法を見直し、団体推薦委員に土地改良区を追加することとなっている。これまで、農業協同組合、農業共済組合だけが推薦主体となっていたが、平成14年5月13日付けの事務次官通達によって、農業委員会の選任委員の選任にあたっては、土地改良、水利慣行等について学識経験のある者(他4項目の学識経験者)を欠くことのないよう推薦及び選任がなされることが望ましいと行政指導されていたところである。今回の改正案が成立した場合は、団体推薦委員として土地改良区の代表者が加わることになる。
 農業委員会等に関する法律の一部を改正する法律案は、1月27日、自民党の第6回農業委員会等に関する議員懇話会で協議され、2月6日、同党農林水産部会・総合農政調査会・林政調査会合同会議での協議を経て、閣議決定されて提出される見込みである。
 改正法案の骨子は、農業委員会の設置についての市町村の裁量を拡大するとともに、その業務運営の効率化などを促進するため、必置基準の見直し、選挙委員の下限定数を条例に委任するなどとしている。また、選任委員の選出方法についても見直し、構造政策の推進に向けた体制整備を図るとして、団体推薦委員の推薦主体に土地改良区を追加するとともに、議会推薦委員の定数上限を5人から4人に引き下げる。
 農業委員会は、農地法等の法令業務執行、構造政策の推進を役割としている。しかし、関係者から、組織の再編・効率化が急務、委員数が過大、活動が総花的で地域差が大きいなどの課題が出されていた。昨年4月には、農業委員会等に関する議員懇話会が報告書を取りまとめ、改革の方向を示した。このような動きなどを受けて農業委員会制度が大きく見直されることになった。
 改革の内容を見ると、先ず農業委員会の必置基準面積算定の見直しでは、市街化区域内農地面積を除外する。具体的な数値は、政令に委任する。次いで、選挙委員定数の下限の条例への委任については、農業委員会をスリム化するため、法定化されている選挙委員の下限定数10人を廃止して、条例に委任する。活動の重点化については、法令業務以外で行う業務は、農地に関する業務と農業経営の合理化に関する業務に重点化する。選任委員の選出方法の見直しでは、構造政策推進の体制整備を図るとして、団体推薦委員に土地改良区を追加する。そのほか、選挙委員の解任方法、部会制度を見直すとしている。

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土地改良区の貴重な資料の保存
土地改良電子博物館
 全国の土地改良区等で所蔵している土地改良事業等に関わる写真、絵図、古文書などの貴重な資料を電子化し、後世に引き継ぐため、土地改良電子アーカイブス(土地改良電子博物館の設立と一部情報のインターネットで閲覧)の構築を、全国水土里ネットと農業農村整備情報総合センターの共同で実施しており、このたび、資料の収集に協力を呼びかけている。
 土地改良区、さらにはその関連地域には、土地改良区と土地改良事業の成立の経過や背景、そしてそれらの意義を語る多くの貴重な資料が所蔵されている。それらは、土地改良区の大切な基本的財産であるとともに、貴重な情報資源である。この情報資源は、現在取り組んでいる21世紀土地改良区創造運動にも役立つものであり、土地改良区にとって末永く大切にしていかなければならないものである。しかしながら、古くからある写真や古文書等の資料は、散逸しやすいものであるし、老朽化してボロボロになったり、読めなくなったりもする。
 そこで、まず第1に、土地改良区に所蔵されている貴重な資料を決して古くなることのない電子化された情報にする。パソコンで見ることのできる電子化された情報は、いつでも紙の資料として再現できるので、土地改良区の古びることのない後世に引き継いでいける財産になる。もちろん、元の資料は、作業終了とともに返却される。第2には、全国の各土地改良区の資料は、電子化されたことによって、大変使いやすくなり、共有の財産としてお互いに役立て、ある部分は公開資料として、インターネット等を通じて土地改良区や土地改良事業の外部理解の推進に役立てることができる。その有力な手段が土地改良電子博物館である。
 提供された資料の電子情報化は、農業農村整備情報総合センターで行うが、費用はかからない。また、電子化情報の活用及び電子博物館の設立は、全国水土里ネットと農業農村整備情報総合センターの共同で行うとしている。
 詳しくは、全国水土里ネット(TEL 03−3234−5591)又は農業農村整備情報総合センター(TEL 03−5695−7170)にお問い合わせをお願いします。

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平成16年2月主要行事報告
行  事
2関東農政局管内平成16年度予算説明・意見交換会
3関東農地集団化推進協議会講習会
4〜5平成15年度利根川水系土地改良情報連絡会
6米政策改革に係る市町村・農協等担当者会議
6利根川水系農業水利協議会研究会
9農村振興支援事業全国研修会
9〜10農業集落排水事業担当者全国研修会
13本会平成15年度第3回監事会
13米政策改革関連(圃場整備・水利施設管理)創設事業制度説明会
16土地改良施設管理研修会
17美しいとちぎのむら写真コンテスト表彰式
17都道府県水土里ネット事務責任者会議
18社団法人日本農業集落排水協会都道府県水土里ネット事務責任者会議
18〜19平成15年度交換分合全国研修会
19〜20芳賀郡市土地改良区協議会関係職員・監事研修会
20本会平成15年度第4回理事会
20栃木県河宇土地改良協議会職員等研修会
24全国農業集落排水事業推進協議会第14回通常総会
27安足土地改良事業協議会事務局員研修会

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表紙写真説明

表紙の写真『朝焼けのカーテン』

○撮影者
 木 村   務さん
 (今市市在住)

○撮影地 今市市

○コ メ ン ト
 平成15年度「美しいとちぎのむら写真コンテスト」農業農村整備部門で入選した作品です。
 頭首工の写真ですが、堰を乗り越えて落ちる水量の豊富さと、朝日に反射する水の勢いの力強さが伝わってきます。また、春になれば、朝日に輝く背景の雪山の雪が解けて、河川を潤してくれるという期待感も感じることができる作品です。
 

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