WTO農業交渉が枠組み合意 農業農村整備事業推進懇談会 土地改良区新任役職員研修会 土地改良区統合整備推進協議会 |
田んぼの生き物調査2004 瑞穂野南部地区農業集落排水事業竣工式 平成16年7月主要行事報告 表紙写真説明 |
WTO農業交渉が枠組み合意 |
スイス・ジュネーブで開かれていた世界貿易機関(WTO)の多角的貿易自由化交渉(新ラウンド)は、農業分野を含む各分野の自由化に向けた新しいルールの枠組みで合意に達した。
一般的な関税削減の在り方について高関税品目ほど削減幅を大きくする階層方式が採用された。ただし、我が国のコメや乳製品などの重要品目については、一般の品目とは異なる特別な扱いが認められ、品目数については、各国が適切な数を指定できる余地が残った。
重要品目について、低関税での輸入量の割当拡大が盛り込まれているものの、その内容については、自由度の高いものになった。例えば、コメにしても、主食用やくず米などに細分化した割当もできるとみられるため、今後の交渉で実質的な影響を少なくする可能性が開かれている。
重要品目の枠外税率については、最低削減率の必要性が最後まで明記されていたが、日本を含む食料輸入国グループが強く拒否し、最終的には削除された。
国内農業に対する補助金や価格支持など、国内支持の分野については、実施期間の初年度において基準期間の水準から2割以上の削減が求められた。品目別の助成量についても上限額が設定されることとなった。
食料輸出国が実施している輸出に対する様々な支援措置についても、厳しい規律が課せられた。すべての輸出補助金は撤廃され、商業的な食料援助や償還期間が180日を超える輸出信用なども禁止される。
今後は、来年12月に香港で開かれる閣僚会議に向け、関税削減率など具体的な数値を盛り込んだ交渉に入って行く予定とされている。
枠組み合意のポイント
市場アクセス
・一般的な関税削減は階層方式
・重要品目は特別扱い
・重要品目の数は各国が適切な数を指定
・関税割当量は柔軟性を持って拡大
・上限関税の設定については先送り
・特別セーフガードについては先送り
輸出競争
・すべての輸出補助金の撤廃
・180日を超える輸出信用などの禁止
・商業的な食料援助の禁止
国内支持
・品目別にAMSに上限を設定
農業農村整備事業推進懇談会を開催 |
本会及び栃木県土地改良事業推進協議会(会長・小坂利雄真岡市中央土地改良区理事長)の共催による農業農村整備事業推進懇談会は、各地方土地改良事業推進協議会及び栃木県各農業振興事務所等関係機関にご協力をいただき、去る6月7日の塩谷管内を皮切りに7月21日の那須管内まで延べ8日間にわたり、市町村及び土地改良区等の役職員321名の参加を得て開催した。
会議は、来賓として県から各農業振興事務所農村振興部長をはじめ、担当官及び各地方土地改良事業推進協議会長等を招き、それぞれご挨拶をいただいたほか、各農業振興事務所には、(1)平成16年度農業振興事務所管内の事業の実施についてご講演をいただいた。また、本会からは、(2)今後の農業農村整備事業の推進について(事業の展開方向)、(3)土地改良区統合整備について本会職員が説明した後、これらを含めて土地改良事業全般及び本会運営に関する意見要望をいただくなど活発に意見交換を行い、有意義な懇談会となった。
提出いただいた意見要望等の概要については、次のとおり。
◆21世紀土地改良区創造運動関係
運動に対する本会の取組姿勢及び支援方法などの質問が出された。
◆施設管理関係
国営造成施設管理体制整備促進事業及び土地改良施設維持管理適正化事業並びに基幹水利施設技術管理者育成支援事業の予算拡大及び事業の継続要望、施設台帳整備や水路整備に関する質問が出された。
◆環境に配慮した事業関係
魚道を確保できる事業の実施及び負担に関する要望が出された。
◆圃場整備事業関係
圃場整備事業実施後の担い手の育成及び地区外の非農用地との整形に関する質問が出された。
◆その他
換地関係データを活用した土地原簿の作成に関する要望等が出された。
土地改良区新任役職員研修会を開催 |
本会は、去る7月5日、栃木県土地改良会館において、平成16年度土地改良区新任役職員研修会を開催した。
研修会は、会員市町村職員及び水土里ネットの新任役職員等170名が参加。開会挨拶は、大野敬治水土里ネットとちぎ専務理事が述べた後、早速研修に入り、初めに「土地改良区の組織運営について」と題して、栃木県農務部農地計画課管理指導担当の井上正一課長補佐が、県内の土地改良区の現状と課題、土地改良区の組織、運営、財務等全般、施設の計画的な更新整備を踏まえた維持管理体制の確立、統合整備の推進についての説明があった。加えて、法第132条に基づく検査における今年度の重点指導事項と昨年度検査における主要指摘事項の内容が示された。
次に、全国水土里ネット管理システム研究部の秋田憲司主任研究員が「土地改良区の統合整備について」と題して、全国ベースでの土地改良区数が昭和36年度をピークに合併等により減少していること、また、各道府県の土地改良区統合整備基本計画の策定状況とその推進状況及び国の補助制度である土地改良区組織運営基盤強化対策等の説明があった。
さらに、全国水土里ネット中央土地改良管理指導センターの宮本敏也主査が「土地改良区等の行う土地改良事業に係る消費税について」と題して、平成15年度税制改正における消費税法の改正を踏まえて改訂された「わかりやすい消費税と土地改良」をテキストとして使用し、本年4月から適用された事業者免税点の引下げ、簡易課税制度の適用上限の引下げを中心に、消費税の具体的な計算方法、課税事業者届出書等の記載方法等を説明された。また、事前提出された質疑に対する回答を行った。
土地改良区統合整備推進協議会を開催 |
本会は、去る7月12日、栃木県土地改良会館において平成16年度第1回栃木県土地改良区統合整備推進協議会を開催した。
会議は、寺嶋勝豊委員長と大久保幸雄栃木県農務部農地計画課長が挨拶を述べた後、初めに副委員長の互選を行った結果、大野敬治本会専務理事と郡司啓一郎蟇沼堰土地改良区理事長が選任された。その後、平成15年度活動報告と平成16年度活動計画が協議され、原案どおり承認・議決された。さらに、栃木県土地改良区統合整備三期計画について協議した。
なお、平成15年度活動報告においては、宇都宮市の鬼怒川左岸地区等12地区における合併等の指導援助の実績を報告し、平成16年度活動計画においては、宇都宮市の鬼怒川右岸地区等16地区に対する合併等の指導援助計画が協議された。
◎委員 (敬称略)委 員 長 寺 嶋 勝 豊 (吾妻土地改良区理事長)
副委員長 大 野 敬 治 (本会専務理事)
〃 郡 司 啓一郎 (蟇沼堰土地改良区理事長)
委 員 大久保 幸 雄 (栃木県農地計画課長)
〃 吉 澤 新 市 (石井川土地改良区理事長)
〃 大 出 巖 (見野土地改良区理事長)
〃 小 坂 利 雄 (真岡市中央土地改良区理事長)
〃 永 島 明 (大岩藤土地改良区理事長)
〃 印 南 隆 三 (矢板内川沿岸土地改良区理事長)
〃 佐 藤 一 巳 (荒川中央土地改良区理事長)
〃 阿久津 正 男 (本会参事)
田んぼの生き物調査2004 |
真夏日の7月31日、二宮町清次郎口用水土地改良区(井澤孝次理事長)は、来年度に予定されている圃場整備事業の着工を前にして、地域住民が足元の自然環境を知り、併せて、地域の子供達に水田や川に慣れ親しみ、そこに生息する生き物を調べることを通して、その関係を肌で感じるための体験の場を提供することを目的に、田んぼの生き物調査2004を開催した。
当日は、日焼けした親子連れと土地改良区の役員総勢74名が、水辺の生き物探検隊3班と昆虫探検隊1班に分かれ、自然がいっぱいの水田地帯に踏み入った。
生き物探検隊は、フナ、ナマズ、コイ、タモロコ、ギバチ、ドジョウなど多種多様な生き物がいることに感心しながら、大人も一緒になって大奮闘し、沢山の成果をあげていた。
昆虫探検隊は、鬼怒川の河川敷が近いことから、トンボ、コオロギ、バッタ、キタテハ、アブラゼミなど多くの昆虫が生息しており、驚きと共に自然のありがたさを肌で感じていた。
この周辺では、既に圃場整備が完了し、近代的な営農が行われている一方で、特に、水路においては、コンクリートによって整備されたため、著しく生き物が減少していることから、今回、改めて旧来の田んぼの役割の大きさに驚かされた。
特に、当土地改良区では、農村地域に住んでいる数々の生き物が将来にわたって生息できるような環境を守り、それらを次世代に引き継いでいくことが大きな使命であるとしており、高生産性農業のための土地基盤整備を行いつつ、自然環境の保全と農業の振興を両立できる工夫をみんなで考えようと様々な取組みを行っている。
瑞穂野南部地区農業集落排水事業竣工式 |
このほど、団体営農業集落排水事業瑞穂野南部地区の東木代処理場が竣工の運びとなり、去る7月28日、現地での竣工記念式典が挙行された。
式典には、福田富一宇都宮市長はじめ、小野里豊宇都宮市議会議長、鈴木喜四郎栃木県河内農業振興事務所次長ほか多数の来賓と関係者が出席し、盛大に挙行された。
◆事業の概要◆事 業 名 団体営農業集落排水事業瑞穂野南部地区
処 理 方 式 連続流入間欠ばっ気方式
計画処理人口 2,320人
計 画 汚 水 量 627m3/日
供 用 開 始 平成16年6月
平成16年7月主要行事報告 |
日 行 事 2 平成16年度第2回監事会(平成15年度決算監査) 5 土地改良区新任役職員研修会 6 個人情報保護法説明会 8 土地改良負担金総合償還対策事業全国担当者会議 9 塩谷管内農村振興部所管事業担当者会議 12 平成16年度第2回理事会 12 平成16年度第1回栃木県土地改良区統合整備推進協議会 13 栃木県農政対策協議会第47回総会 15〜16 第46回土地改良団体職員研修会 21 那須管内農業農村整備事業推進懇談会 22 第13回関東ブロック土地連農業集落排水事業技術検討会 23 瑞穂野南部地区農業集落排水処理施設竣工式 30 栃木県農林年金連絡協議会事務担当者研修会 30 土地改良事業推進事務担当者会議
表紙写真説明 |
表紙の写真『夏の小倉堰』
○撮影者
海老沼 清一郎さん
(小山市駅南町)
○撮影地 上都賀郡西方町
○コ メ ン ト
平成15年度「美しいとちぎのむら写真コンテスト」農業農村整備部門で最優秀賞に輝いた作品です。
講評は、全体的に堰からの流れを画面いっぱいに表現し、遠くの静と近くの動がうまくマッチし、水と遊ぶまさに自然との共生がうまく表現されている作品。また、斜めに走る堰の流れに奥行きが出て、画面が広々とした構成になっているというものでした。小倉堰は、近年、その美しい姿が話題になっている模様で、ファンもいるということです。
○撮影者の手記
梅雨明けが待たれ冷夏だったこの夏、8月3日30度を超える暑い日となり、川に思いを寄せて訪れた小倉堰。昼を過ぎた頃、東北道の橋下でバーベキューをしていた人達が涼を求めて戯れる姿を見て、私は少年時代を思い出しながら撮った中の一枚の写真です。
私も農業の経験がありますが、川と水は生活の基盤であり、また、川は、水田を潤すばかりでなく、豪雨の時には姿を変えて集落を守る大きな力を保有している。今日、ダム問題がニュース等で報道されているが、こうした堰等の活用で水資源の確保ができることを願いたいと思っています。