『水土里ネットとちぎ』は本会の愛称です

『稲刈りをする佐藤さん』
−主な内容−

第83回本会臨時総会・平成21度会員研修会

各管内土地改良団体役職員研修会(推進懇談会)

平成21年度土地改良区職員研修会

利根川水系農業水利協議会栃木県支部会員及び
幹事合同研修会


栃木県水土里情報活用推進協議会第2回総会

下都賀地方土地改良事業推進協議会・会員研修会


下ヶ橋河原地区記念碑除幕式及び竣工式典

徳次郎地区記念碑除幕式及び祝賀会

「第31回全日本中学生水の作文コンクール」
栃木県審査会表彰式


農村の伝統を今に

平成21年7月、8月、9月主要行事報告

表紙写真説明


第83回臨時総会・平成21年度会員研修会を開催
 本会の第83回臨時総会は、去る8月27日、日光市鬼怒川グランドホテルにおいて、166名(内書面による出席75名)の出席のもとで開催した。
 総会は、小坂利雄副会長の開会宣言に始まり、大久保寿夫会長が主催者挨拶述べた後、岩田勝男関東農政局整備部長、栃木県知事代理吉沢崇栃木県農政部次長代読、青木克明栃木県議会議長よりご祝辞を頂戴し、大室智史関東農政局地域整備課農村総合整備係長、小川正順栃木県農政部農村振興課長、福田保同農地整備課長、各農業振興事務所農村振興部長等ご出席いただいた来賓の方々の紹介が行われた。
 議事は、相田英幸江川南部土地改良区理事長を議長に選任して進められ、本総会に上程した平成20年度事業報告、同一般会計の決算、同財産目録の3議案を、原案どおり承認した。続いて、第4号議案の役員の補欠選任では、後記のとおり2名を選任した。以上で、予定した議事が終了し、佐藤一巳副会長の閉会の言葉で総会の幕を閉じた。
 引き続き開催した平成21年度会員研修会では、南部明弘元九州農政局長が「土地改良で地元に元気を」と題して、私の進める3つの仕事(1)水を守る、(2)土を守る、(3)里を守る、今後の農政の課題を解りやすく約60分にわたって説明いただいた。
 さらに、翌日の8月28日の午前中には、小川農村振興課長から「今後の農村振興の展開について」福田農地整備課長から「今後の農業農村整備の展開について」と題してご説明いただき、活発な意見交換を行った後、終了した。

 ◆新 役 員(敬称略)
  橋 本  啓 藏 (南押原土地改良区理事長)
  人 見  健 次 (さくら市長)



第83回臨時総会風景





平成21年度会員研修会風景

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農業農村整備推進懇談会を開催
管内別土地改良団体役職員研修会も同時に開催
 本会と栃木県土地改良事業推進協議会(会長・小坂利雄真岡市土地改良区理事長)の共催による管内別土地改良団体役職員研修会は、農業農村整備推進懇談会と併せて、各地方土地改良事業推進協議会及び栃木県各農業振興事務所等関係機関にご協力をいただき、去る7月1日の塩谷管内を皮切りに7月29日の安足管内まで延べ8日間にわたり、市町及び土地改良区等の役職員388名の参加を得て開催した。
 会議は、第1部として農業農村整備推進懇談会を開催。来賓として県から各農業振興事務所農村振興部長をはじめ、担当者及び各地方土地改良事業推進協議会長等を招き、それぞれご挨拶をいただいたほか、平成21年度農業振興事務所管内の事業の実施についてご説明をいただいた。また、本会からは、(1)水土里ネットとちぎの概要について(2)[1]経済危機対策「農地有効利用支援整備事業」について[2]土地改良施設維持管理適正化事業について本会職員が説明した後、これらを含めて土地改良事業全般及び本会運営に関する意見要望など活発に意見交換を行った。
 第2部は、土地改良団体役職員研修会を開催し、栃木県農政部農地整備課管理指導担当官を講師に、(1)土地改良区活動指針への取り組みに向けたフォローアップについて、(2)土地改良区会計経理についての講議を実施した。



下都賀管内研修会風景



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平成21年度土地改良区職員研修会を開催
 本会は、去る7月30日、31日の両日、日光市鬼怒川温泉大原の鬼怒川グランドホテルにおいて、平成21年度土地改良区職員研修会を開催した。同研修会は、近年における会員の組織の変化や本会に対する負託の変化、さらには時代の要請が激変している中で、会員土地改良区間の情報交換や交流を促進させるとともに、会員と本会の共存共栄の発展に資する目的で、今年度初めて開催したもの。
研修会は、石塚総務課長の司会進行で開会し、最初に篠崎事務局長が開会挨拶を述べ、本会業務の概要等について説明を行った。続いて研修に入り、次の研修項目について、それぞれ本会担当職員が説明を行った。
 (1)情勢報告(農地法改正、県財政等)
 (2)水土里情報を活用した管理体制整備の支援
 (3)農地有効利用支援整備事業
 (4)土地改良施設維持管理適正化事業
 (5)地域農業水利施設ストックマネジメント事業
 (6)土地改良区統合整備
 (7)賦課金滞納処分
 後半の研修は、寒河江川土地改良区の高橋龍一理事長から「地域住民とともに築く水辺環境」と題して、同土地改良区が行っている地域住民参加型の維持管理活動等について講演をいただいた。




講演する寒河江川(区) 高橋理事長





寒河江川の取組事例
 2日目の研修は、篠崎事務局長が座長となり、前日の研修会におけるアンケートで要望の多かった「統合整備」「滞納処分」を中心に活発な意見交換が行われた。また、那須野ヶ原土地改良区連合の星野恵美子事務局長から「那須野ヶ原のチャレンジ!米と電気は自分たちで作りたい」と題して、同土地改良区連合のさまざまな取組みについて講演をいただいた。


意見交換会



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利根川水系農業水利協議会栃木県支部会員及び
幹事合同研修会を開催
 利根川水系農業水利協議会栃木県支部は、去る9月4日、支部会員及び幹事合同研修会を開催した。
 同研修会は、先の7月13日の栃木県支部第2回幹事会における事業計画決定に基づき、支部会員と幹事合同で「赤城西麓土地改良区施設における水管理状況」の視察を目的に実施され、栃木県河内農業振興事務所根本政行農村振興部長補佐兼整備課長をはじめ、会員・関係機関から38名が参加した。研修会開会にあたって小坂利雄同支部副会長(真岡市土地改良区理事長)が「支部発足から10年が経過するが、この間大きな渇水などの問題もなく、農業用水が適正に確保されてきたことは、関係機関からの水利等の情報提供に負うところが大であり、御礼申し上げる。本日の研修先の赤城西麓地区は、赤城山西麓の標高350mから950mに展開する畑作地帯で、国営農業水利事業の完成以前は、干ばつの常習地帯で零細な畑作経営を強いられた地区でしたが、農業用水の通水を契機として、農業構造の変革が進展し、首都圏の生鮮食料供給基地としての地位を確保してきた地区ということで、私どもの地域農業の推進に多くの示唆を与えてくれるものと期待しております。」などと挨拶された。
 研修は、群馬県渋川市の「赤城西麓土地改良区」事務所において、萩原正雄事務局長他3名の担当者から、土地改良区の概要、国営赤城西麓農業水利事業並びに県営畑地帯総合整備事業(一般型及び担い手育成型)の概要及び国・県営造成施設の水管理状況等について詳細な説明を受けた。その後、現地に移動し、国営事業造成の基幹施設「利根調整池」を見学して終了した。研修では、当土地改良区の管理する施設における水管理については、農業用水を効率的に運用し、地域全体に円滑に供給するための用水管理と施設の機能が十分発揮できるための施設管理をめざして施設管理運営委員会を再編成し、管理の効率化を図っていること。当地区が、国営事業の完了によって農業用水の安定的な供給が確保されて、高収益作物への転換が進行し、露地栽培から施設栽培へと農業経営形態が変化し、地域農業変革へとつながり、高速道路網の整備とあいまって、首都圏に直結する生鮮食料供給基地としての役割を担っていること。事業により造成された農業水利施設が、親水公園として住民の憩の空間として活用されたり、農業用水は、畑かん用水の他に、火災時の消防用水や積雪時の消雪用水に利用されるなど地域用水としても活用されていること。地域農業の将来展望等を考えた、小学生等を対象とした学校教育との連携への取組など。協議会の業務に留まらず、多くの貴重な意見を拝聴することで、大きな収穫を得る研修となった。
 帰路車中では、福田信博総務部長が、研修会閉会の挨拶を行い、無事研修会の終了となった。




説明する赤城西麓(区)萩原事務局長





システム管理室全風景

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「栃木県水土里情報活用推進協議会」第2回総会開催
 栃木県水土里情報活用推進協議会は、去る9月7日、栃木県土地改良会館において、第2回総会を開催した。
 同協議会は、水土里情報利活用促進事業により整備する農地情報の適切な管理運営と会員となる県・市町・並びに農業関係機関が連携して農地情報の利活用を図ることにより今後の農地施策の推進、更には本県の農業農村の持続的な発展と振興に寄与することを目的として平成18年5月15日本会内に設立された。
 開会にあたり大久保幸雄協議会会長は、「水土里情報の円滑な推進と情報整備のスピードアップ、さらには情報の共有化に向けた体制整備を進めるには、県、市町、農業関係機関の連携が不可欠です。本協議会としては、地図情報の管理・提供に関する具体的な内容を定めると言った難題に加え、農地利用の現状をより詳細にとらえるため、農地情報の提供と農地情報図の共有化を、各関係機関に働きかけて行きたいと思います。」と挨拶を述べた。続いて、栃木県農政部農地整備課の和氣課長補佐から挨拶をいただき、その後大久保協議会会長が議長となり議事に入った。
 議案は2議案が上程され、第1号議案「栃木県水土里情報活用推進協議会規約の一部改正について」が原案どおり可決された。
 第2号議案「栃木県水土里情報活用推進協議会役員の改選について」では、事務局より「第1号議案で承認を頂いた目的にもある情報の共有システムの運用体制の構築を図るという意味で、会長には基盤地図情報を整備する栃木県土地改良事業団体連合会の大久保専務、副会長には農地情報の共有化を推進する栃木県担い手育成総合支援協議会の野口隆夫事務局長にお願いしたいと考えています。」との説明を行い、了承された。
 議事終了後、事務局より「事業報告について」並びに「水土里情報の活用推進について」説明があった。
 今後は協議会として、基盤地図情報の利用を県・市町及び農業関係機関に働きかけ、会員の加入促進を図ることや、地域担い手育成総合支援協議会に対し、農地情報共有化支援事業の活用を働きかけていくこと、また水土里情報システムにかかる利用負担のあり方についても検討を始めることなどの方針が示され、閉会した。



開会挨拶を述べる大久保幸雄協議会長



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下都賀地方土地改良事業推進協議会会員研修会
 下都賀地方土地改良事業推進協議会は、去る8月20日、21日の両日、福島県喜多方市方面「会津北部土地改良区」に会員研修会を開催した。
 参加者は、同協議会山中政博会長(小山用水土地改良区理事長)を始め71名の会員が2台の大型バスで参加した。
 会津北部土地改良区では、山口信也理事長の出迎えをいただき、高笠喜市事務局長の概要説明を伺った。
 同土地改良区は、昭和46年10月に会津北部地区大規模土地改良事業促進委員会を発足以来、11の近隣土地改良区との合併により、現在の土地改良区が設立されている。(受益面積4,570ha、組合員数3,739人)
 昭和47年度より国営・県営かんがい排水事業、県営・団体営土地総事業等を多数実施し、管理施設もダム1箇所、溜池2箇所、発電所1箇所、頭首工12箇所、幹線用水路L=18.5km、支線用排水路L=35.0km、揚水機1箇所 など多種多様の施設を管理している。
 水路の管理は末端受益面積100haまでは土地改良区(職員数10名)が管理し、100ha未満は各地区の水利委員に草刈等の維持管理をお願いしている。
 また、国営造成施設管理体制整備事業を導入し、整備補修はストックマネジメント事業や維持管理適正化事業等を導入するなど、管理費の軽減を図り組合員の賦課金の軽減に努めている。
 賦課金等は10a当たり700円(維持管理費)+1,450円(経常賦課金)+約1,850円(国営・県営事業等の償還金)=約4,000円/10aである。
 会津北部土地改良区では、多数の施設を管理しながら賦課金が10a当たり維持管理費、経常賦課金合わせて2,150円/10aには大変な努力を払われていることを痛感した。



概要説明する高笠事務局長





中央管理所
 研修2日目には、郡山布引高原風力発電所を視察した。
 同地区は、布引大根で有名な布引高原の大根畑の中に風車を設置し、農業と大規模風力発電事業との共存を図り、猪苗代湖からも近く地域の観光資源としても大きな期待を集め、33基も立並ぶ光景はまるでSFの世界に入り込んだかの様子であった。
 高原の発電施設は(株)グリーンパワー郡山布引[J−POWER]が運営し、出力6万5,980kw(2,000kw×32基、1,980kw×1基)の日本最大級のウィンドファームである。
 年間総発電力量は1億2,500万kwhで、一般家庭35,000世帯分の年間消費電力量に相当する。
 更に、年間のCO2の削減は約5万3,000tの削減が図られ、乗用車約6万6,000台分の排出量に当たる。
 風車及びタワー等全てがドイツ製で、総事業費約120億円(3億6,364万円/基)を投じている。
 土地改良区内には多数の施設が点在し、その施設等を利用することによって、水力、風力、太陽光発電など土地改良区の運営費の軽減に今後可能性のある領域と考えられる。



郡山布引高原風力発電所の全体図





畑の中の風車

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下ヶ橋河原地区記念碑序幕式及び竣工式典
 この度、県営経営体育成基盤整備事業下ヶ橋河原地区が竣工の運びとなり、去る7月14日、宇都宮市下ヶ橋町地内において記念碑除幕式、竣工記念式典が挙行された。
 記念碑除幕式では、下ヶ橋河原土地改良区の手塚豊理事長をはじめ、栃木県知事代理の粂川元一栃木県農政部参事兼河内農業振興事務所長、宇都宮市長代理の手塚英和経済部長、五月女裕久彦県議会議員、本会会長代理の大久保幸雄専務理事による除幕の儀に始まり、今後の地区繁栄を祈念した玉串奉奠等しめやかにとり行われた。また、竣工記念式典についても多数の来賓、土地改良区役員及び組合員が出席し盛大に挙行された。

◆事業の概要◆
 事業名 県営経営体育成基盤整備事業
 事業区域  宇都宮市下ヶ橋町、白沢町
 事業実施年度  平成6年度〜平成20年度
 受益面積  141ha
 総事業費  18億200万円
 組合員数  108名






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徳次郎地区記念碑序幕式及び祝賀会
 この度、県営経営体育成基盤整備事業徳次郎地区が竣工の運びとなり、去る7月17日、宇都宮市徳次郎町地内において記念碑除幕式、竣工記念式典及び祝賀会が挙行された。
 式典及び祝賀会には、栃木県知事代理の粂川元一栃木県農政部参事兼河内農業振興事務所長、高橋文吉県議会議員、宇都宮市長代理の手塚英和経済部長、桜井啓一市議会議員、本会会長代理の大久保幸雄専務理事他、多数の来賓と入江利長富屋西部土地改良区理事長をはじめ多数の役員及び組合員が出席する中、盛大に挙行された。
◆事業の概要◆
 事業名 県営経営体育成基盤整備事業 徳次郎 地区
 事業区域  宇都宮市徳次郎町(西部地区)
 事業実施年度  平成15年度〜20年度
 事業受益面積  50ha
 総事業費  10億1千8百万円
 組合員数  63名






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全日本中学生水の作文コンクール表彰式
 栃木県と栃木県水の週間実行委員会主催による「全日本中学生水の作文コンクール栃木県審査会表彰式」は、去る8月7日、栃木県公館において挙行された。この「作文コンクール」は、私たちの毎日の生活を始め、農業や工業などの産業活動を支える重要な資源である水について、次代を担う中学生に日常の生活体験などから考えていただくことを目的に、「水の週間」行事の一環として毎年開催されているもので、今年で31回となります。
 表彰式は、池田猛栃木県県土整備部長の開会挨拶に始まり、優秀賞5名、特別賞12名、佳作3名の方々に賞状と副賞が伝達された。特別賞の栃木県土地改良事業団体連合会長賞には、高根沢町立北高根沢中学校3年羽足美香さんの作品「水の危機」(後掲)が受賞した。
 最後に後援者を代表して国土交通省湯西川ダム工事事務所長が祝辞を述べ、「作品を読ませていただいて、皆さんの水を守る取組みの素晴らしさ、内容の深さに感銘した。水の故郷である栃木に住む皆さんの水保全のためのこの素晴らしい取組みを周囲の方たちにも広めていただきたい。」と結んだ。


栃木県土地改良事業団体連合会長賞

「水の危機」


高根沢町立北高根沢中学校 3年 羽 足 美 香



 私たちは、水を頼りに生活しているといっても過言ではないと思います。朝起きたら顔を洗い、トイレに行き、飲み物を飲む。私たちの生活は、水なくして考えられません。日本はその国土の四方を海に囲まれ、春に始まり冬に終わる四季があります。しかし、このように自然豊かな国は世界でも非常にまれです。私たちは、水は豊富で安価であると思いがちですが、水が有限で貴重な資源となっていることを十分に理解しなければならないと思います。そして、ともすれば、ムダ使いしがちであったこれまでの水の利用を改めて、水は必要なだけ使用し、ムダな水使用は無くすように節水型社会をつくっていく 
必要があると思います。
 たとえば、コップ三杯程度ですむ歯みがきも、水の流しっぱなしでは三十秒で約六リットルのムダがあります。水の使い方を変えることで、ムダな水を使わなくても済みます。
 私の家は、農業をやっています。農業に必要な水は、水稲などの生育に必要な水田かんがい用水、野菜・果樹などの生育や品質の向上に必要な畑地かんがい用水、家畜飼養などに必要な畜産用水などです。
農業用水で一番かかせないのが、水田かんがい用水です。私の家にとっての水は、生活を支える命そのものなのです。
 世界でも水を最も使用しているのは農業ですが、それとて小規模農家が気まぐれな天気に従って仕事をしている傍らで、灌漑ポンプが富裕農家のために二十四時間水を供給している例もあります。水が不足しているときに、誰がどのような条件で利用するかは、関係者の力関係が如実に現れるそうです。つまり、「水は権力」といっても過言ではありません。
 この現実は、一国内にとどまらず、国境を跨いだ世界でも見られると思います。和平の兆しの見えないパレスチナ紛争の一端は、ヨルダン川等における水資源の獲得にあるともいわれているそうです。
 このように私たちの生活になくてはならない水を守るために、私たちは何ができるのでしょうか。
 水は、太陽のエネルギーと地球の重力にたえず地球上を循環しています。私たちは、太古の昔から変わることなく繰り返されているこの大きな循環の中で水を利用しているのです。私たちが水を使うということは、この水の循環の道筋を変えていることになります。ですから、その循環を極力かえないようなとりくみが私たち一人ひとりにかかっているのです。また、水を使うということは、水の循環を通じて私たちの行為が互いに影響をしあっているということになります。このため、水を巡る様々な課題が発生すれば、課題が発生している地域のみで解決できることは少なく、多くの場合は、水の循環によりつながった地域との連携が必要になります。
 水は、私たちが共有する貴重な財産でありそれを次の世代に引き継いでいく責任があります。私たち一人ひとりが、自らの手で水をいかし、そして守るという意識をもって、健全な水循環の構築に取り組んでいく必要があると思います。



水の作文 本会会長賞授与





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農村の伝統を今に


水土里ネットとちぎ 総務部会員支援課  高 橋 伸 拓


 物質社会が現在まで発展し、農村地域に形成された文化や伝統、歴史といったものが影をひそめている。しかし、それは失われたわけではなく、機能性や利便性優先の生活様式のなかで注視されず、人々の心に潜在しているはずである。里人が大切にしてきた田の神や水の神、道祖神、庚申塚などは、形をとどめているものの、周囲は雑草が繁茂して管理が行き届かない状況が多くみられる。また、集落内の祭りなどの神事には人手が少なく、開催不可能という話も良く聞く。里人が大切に祀ってきた「八百万の神々」への感謝という、心の豊かさは完全に影を潜めてしまったのだろうか。そのような状況の中で近年、昔の伝統を今の子供たちに紹介する取組が行われるようになってきた。
 ここでは、農地・水・環境保全向上対策に取り組む浄法寺環境保全委員会(那珂川町)に、私が生態系アドバイザーとして参加したときの模様を紹介したいと思う。当日は、ゲンジボタル・ヘイケボタル観賞会が企画されており、地域住民を集めて実施された。まだ明るい時分に「蛍籠」を作るという催しがあり、30cm程度の長さの麦わらがきれいに切りそろえて準備されていた。実際に「蛍籠」とはどのようなものなのかを知らずにいたため、大変に驚いた。蛍籠づくりの名人は、3本の麦わらを巧みに折り曲げつなぎ、たちまち見事な「蛍籠」が完成した。現地で捕ったホタルを入れるものと言えば、いつもの虫かごである。物質社会のなかに生きてきた私にとっては、大きなショックを受けたのだった。
 物が無いなら無いなりに、工夫を凝らしてきた農村の文化・・・それは人の想像力を開花させ、心豊かに生きるためのヒントのような何かを次世代に語り継ぐものなのかもしれない。




名人が作った蛍籠





材料の麦わら

蛍籠づくりの様子




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平成21年7・8・9月主要行事報告
7月
行  事
1塩谷管内土地改良団体役職員研修会(推進懇談会)
2本会第2回監事会
6芳賀管内土地改良団体役職員研修会(推進懇談会)
7本会第2回理事会
9那須管内土地改良団体役職員研修会(推進懇談会)
14下ヶ橋河原地区記念碑除幕式及び竣工式典
15上都賀管内土地改良団体役職員研修会(推進懇談会)
17徳次郎地区記念碑除幕式及び祝賀会
21南那須地域土地改良事業推進協議会通常総会
21南那須管内土地改良団体役職員研修会(推進懇談会)
23下都賀管内土地改良団体役職員研修会(推進懇談会)
27河内管内土地改良団体役職員研修会(推進懇談会)
28全国農業集落排水事業推進協議会第20回通常総会
29安足管内土地改良団体役職員研修会(推進懇談会)
30〜31平成21年度土地改良区職員研修会

8月
行  事
3平成21年度第1回農地利用集積推進対策会議
6〜 7関東一都九県土地改良事業団体連合会協議会担当部課長会議
7第31回全日本中学生水の作文コンクール栃木県審査会表彰式
10〜11第51回土地改良団体職員研修会
20〜21平成21年度下都賀地方土地改良事業推進協議会・会員研修会
27第83回本会臨時総会
27〜28平成21年度会員研修会

9月
4利根川水系農業水利協議会栃木県支部会員及び幹事合同研修会
7栃木県水土里情報活用推進協議会第2回総会
10〜11土地改良施設診断・管理指導等に関する事例集作成ブロック検討会
18関東一都九県土地改良事業団体連合会協議会事務責任者会議
18関東地区農村総合整備推進連絡協議会事務責任者会議

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表紙写真説明

表紙の写真『稲刈りをする佐藤さん』

○撮影者
 作新学院高等部 1年 山野邊 友梨 さん

○コ メ ン ト
 平成20年度「美しいとちぎのむら写真コンテスト」
 農業に生き生きと携わる人々の部門で見事優秀賞に輝いた作品です。
 審査講評は、「コンバインで稲刈りする感じが的確に表現されている。特に周りの情景を広く入れたことにより、作品が引き立ち、とてもよくまとまっている。」というものでした。

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