『水土里ネットとちぎ』は本会の愛称です

『またおこすのか』


−主な内容−

第2回監事会を開催

第2回理事会を開催

第85回臨時総会及び会員研修会を開催

民主党幹事長室・民主党栃木県連・自民党栃木県連に
農業農村整備事業の平成22年度追加予算措置及び
平成23年度予算確保の要請


平成22年度第1回農業農村整備部会を開催

「森が育む水と暮らし」〜見てみよう水土里のとちぎ〜
 バスツアーを開催


全日本中学生水の作文コンクール
栃木県審査会表彰式が開催


利根川水系農業水利協議会栃木県支部
会員及び幹事合同研修会を開催



疏水ネットワーク通常総会及び
疏水フォーラムinひょうご2010


とちぎ"食と農"ふれあいフェア2010
開催のお知らせ


「水を見て!農を考え!恵を味わう!ふれあいウォークin佐野」開催のお知らせ

農業基盤整備資金のご案内

生きもの調査が農村の活性化に寄与する過程

宇都宮大学インターンシップの受け入れ

日本政策金融公庫宇都宮支店からのお知らせ

平成22年7月・8月・9月主要行事報告

表紙写真説明



平成22年度 第2回監事会を開催
 本会は、去る7月2日、栃木県土地改良会館において、第2回監事会を開催した。会議は、石塚総務課長の司会進行で開会し、小沼代表監事並びに大久保専務理事の挨拶に続いて議事に入り、第1号議案平成21年度業務の執行状況、同一般会計の決算並びに財産の状況に関する監査について審議が行なわれ、途中監事会を休会して監査が執行された。監査結果は「概ね良好」と判定され、監査報告書は原案どおり可決された。最後に小沼代表監事並びに野澤監事が監査報告書及び関係帳簿に署名押印を行なって閉会した。



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平成22年度 第2回理事会を開催
 本会は、去る7月23日、栃木県土地改良会館において、第2回理事会を開催した。会議は、福田事務局次長兼総務部長の司会進行で開会し、大久保寿夫会長の開会挨拶に続いて人見允栃木県農政部農地整備課長から来賓挨拶をいただき議事に入った。
 議事は、第1号議案平成21年度事業報告について、第2号議案平成21年度一般会計の決算について、第3号議案平成21年度財産目録について、第4号議案第85回臨時総会の招集及び同総会付議事項について、第5号議案農業農村整備部会員の補欠選任及び部会長の選任について審議が行われ、全議案とも原案どおり承認議決された。
 なお、農業農村整備部会長には、斎藤文夫理事(日光市長)が選任された。

○補欠選任された部会員(敬称略)
市貝町長         入野正明
栃木市長         鈴木俊美
大岩藤土地改良区理事長  石川守久
思川西部土地改良区理事長 椎名英雄
大田原市長        津久井富雄
那珂川町長        大金伊一




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第85回臨時総会・平成22年度会員研修会を開催
 本会は、去る8月24日、日光市内のホテルにおいて、155名の出席(内委任出席19名、書面による出席67名)のもと、第85回臨時総会を開催した。
 総会は、小坂利雄副会長が開会を宣言し、大久保寿夫会長が主催者挨拶を述べた後、栃木県知事(粂川元一栃木県農政部次長代読)及び野田尚吾栃木県議会議長からご祝辞をいただき議事に入った。
 議事は、田井哲日光市土地改良区理事長を議長に選任して進められ、第1号議案平成21年度事業報告について、第2号議案平成21年度一般会計の決算について、第3号議案平成21年度財産目録について審議が行なわれ、3議案とも原案どおり承認された。続いて、第4号議案の役員選任が行なわれ、後記のとおり2名の役員が選任された。
 また、予定した議事が終了したところで、小森瑞男小貝川中部土地改良区理事長から農業農村整備事業の推進等に関する決議案(後記)が提出され、これを満場一致で採択し、小坂利雄副会長の閉会のことばで総会の幕を閉じた。
 引き続き開催した平成22年度会員研修会では、鈴木宣弘東京大学大学院教授から「農政の動向と農業農村整備の重要性」と題して60分にわたる講演をいただいた。



主催者挨拶を述べる大久保寿夫会長


講演をする鈴木宣弘東京大学大学院教授



 さらに、翌日の8月25日の午前中には、南斎好伸栃木県農政部農村振興課長から「今後の農村振興の展開について」と題して、また、人見允同農地整備課長から「農業水利施設の保全管理について」と題してご講演をいただいた。


会員研修風景


新役員(敬称略)
 (理事)津久井 富 雄(大田原市長)
 (監事)石 川 守 久(大岩藤土地改良区理事長)





決   議


 我が国の農業・農村は、基幹的な労働力の6割を65歳以上の高齢農家が担う中、米価の低迷と相まって担い手不足が懸念される一方、食料自給率は4割程度に低迷している。
 食料自給率の向上のため、生産性の向上と水田の汎用化に資するとともに、担い手への農地利用集積に効果的な圃場整備は未だ4割程度が未整備であり、農業水利施設についても、今後10余年間は耐用年数に到達する施設のピークが続く状況にある。
 このため、政府は、本年3月に新たな食料・農業・農村基本計画を閣議決定し、食と地域の再生に向けて、食料・農業・農村政策を国家戦略として位置付け、政府一丸となって政策を推進していくことを表明したところであり、大いに期待するものである。
 しかしながら、具体的な政策を推進するために必要な予算である平成22年度農業農村整備事業費は、前年度に比べて4割を下回る大幅な削減となっている。
 農地や農業水利施設は、食料生産の基礎として不可欠なものであり、農地の改良や施設の更新が円滑に推進されなければ、食料生産の減少を招くほか、転作作物への転換が滞ることによって、食料自給率の向上に支障を来すばかりでなく、農村地域の災害の誘発などの増加により、農業・農村に重大な影響を及ぼすものと危惧するところである。
 農業・農村は国の大本であり、我が国の豊かな国土や自然環境は、農業・農村が健全に発展して初めて維持されるものである。
 そこで、我が国の農業・農村を根底から支えている農業農村整備の厳しい状況を打開するため、次の事項の実現を政府に求めることを第85回臨時総会の名において決議する。




1.戸別所得補償制度の効果の発現に大きく寄与している農業農村整備事業の積極的な推進
2.農業農村整備事業の推進に必要な平成22年度追加予算を講じるとともに、平成23年度における予算を確保すること
3.国は、農業水利システムを安定的に機能させるため、基幹的施設を中心に積極的に関与し、適切な保全管理を行うとともに、計画的な更新・整備を推進すること
4.水田の汎用化に向けた排水対策などの農地整備を国策として推進すること

平成22年8月24日

栃木県土地改良事業団体連合会第85回臨時総会

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民主党幹事長室・民主党栃木県連・自民党栃木県連に
農業農村整備事業の平成22年度追加予算措置及び
平成23年度予算確保の要請
 本会は、去る8月10日、民主党栃木県連及び自民党栃木県連に対して、農業農村整備事業に関する平成22年度追加予算措置と平成23年度予算確保の要請を行った。また、8月20日には民主党幹事長室・農林水産省・関係国会議員に対しても要請を実施した。
 今回の要請は、今年度の農業農村整備事業予算が対前年比36.9%と大幅に削減され、当県において圃場整備が4割程度いまだ未整備であることに加え、全国的に農業水利施設の耐用年数のピークを今後10年間は続くものとされている等の農業農村整備事業の実施に厳しい影響を受けている現状に危機感を抱き、8月24日に開催された当会第85回臨時総会で小貝川中部土地改良区小森瑞男(みずお)理事長から提唱され、決議した内容を網羅した要請書を持参しての要請活動である。
 8月10日は、本会から大久保寿夫会長・小坂利雄副会長・大久保幸雄専務理事が、民主党栃木県連を訪ねて、福田昭夫幹事長に要請書を手渡し、内容を説明した後、同席された谷博之参議院議員・石森久嗣衆議院議員・田城郁参議院議員の3名も含めて、意見を交わした。次に自民党栃木県連では、石坂真一幹事長に要請書を手渡した。
 8月20日は、本会より大久保会長・小坂副会長・大久保専務理事が民主党幹事長室で要請するため、国会議事堂衆議院第15控室で手塚仁雄民主党副幹事長と面談し、玉木朝子衆議院議員・田城郁参議院議員の両議員同席により、農業農村整備事業の平成22年度追加予算を講じるよう求めるとともに、平成23年度予算確保の必要性を説明し、要請書を手渡した。
 次に衆議院第一議員会館・衆議院第二議員会館・参議院議員会館・農林水産省に場所を移動し、要請を行った。なお、要請先及び要請書内容については、下記のとおりである。

(敬称略)
民主党代表    菅 直人
民主党幹事長   枝野幸男
民主党政調会長  玄葉光一郎
民主党副幹事長  手塚仁雄
農林水産大臣   山田正彦
農林水産副大臣   篠原 孝
農林水産副大臣   郡司 彰
農林水産大臣政務官 佐々木隆博
農林水産大臣政務官 舟山康江
国家戦略担当大臣  荒井 聡
衆議院議員     奥田 建(農林水産担当副幹事長)
衆議院議員     茂木敏充
衆議院議員     渡辺喜美
衆議院議員     佐藤 勉
参議院議員     一川保夫(農林水産部門会議座長)
参議院議員     平野達男(農林水産担当政調会副会長)
参議院議員     上野通子
参議院議員     三原じゅん子
農林水産省振興局長 吉村 馨
農林水産省農村振興局次長 齋藤晴美
農林水産省整備部長    齊藤政満


手塚仁雄民主党副幹事長


平野達男民主党政調会副会長




一色保夫民主党副幹事長


荒井聡国家戦略担当大臣







要  請  書


 我が国の農業・農村は、基幹的な労働力の6割を65歳以上の高齢農家が担う中、米価の低迷と相まって担い手不足が懸念される一方、食料自給率は4割程度に低迷しております。
 食料自給率の向上のため、生産性の向上と水田の汎用化に資するとともに、担い手への農地利用集積に効果的な圃場整備は未だ4割程度が未整備であり、農業水利施設につきましても、今後10余年間は耐用年数に到達する施設のピークが続く状況にあります。
 しかしながら、具体的な政策を推進するために必要な予算であります平成22年度農業農村整備事業は、前年度に比べて4割を下回る大幅な削減となっております。
 農地や農業水利施設は、食料生産の基礎として不可欠なものであり、農地の改良や施設の更新が円滑に推進されなければ、食料生産の減少を招くほか、転作作物への転換が滞ることによって、食料自給率の向上に支障を来たすばかりでなく、農村地帯の災害の誘発などの増加により、農業・農村に重大な影響を及ぼすものと危惧しているところであります。
 そこで、我が国の農業・農村を根底から支えている農業農村整備の厳しい状況を打開するため、次の事項の実現を強く要請いたします。





1.戸別所得補償制度の効果の実現に大きく寄与している農業農村整備事業の積極的な推進
2.農業農村整備事業の推進に必要な平成22年度追加予算を講ずるとともに、平成23年度における予算を確保すること
3.国は、農業水利システムを安定的に機能させるため、基幹的施設を中心に積極的に関与し、適切な保全管理を行うとともに、計画的な更新・整備を推進すること
4.水田の汎用化に向けた排水対策などの農地整備を国策として推進すること


    平成22年8月20日

栃木県土地改良事業団体連合会
会 長   大久保 寿 夫

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平成22年度 第1回農業農村整備部会を開催
 本会は、去る9月24日、栃木県土地改良会館において、平成22年度第1回農業農村整備部会を開催した。
 農業農村整備部会は、農業農村整備事業の積極的な進展を図るための諸対策の検討及び推進のための諸活動を行うことを業務としている。
 会議は、石塚総務課長の司会進行で開会し、小坂利雄本会副会長及び斎藤文夫部会長(日光市長)の主催者挨拶、並びに人見允栃木県農政部農地整備課長から来賓挨拶をいただいた後、議事に入った。
 議事は、斎藤文夫部会長が議長となって進められ、第1号議案副部会長の互選について、篠崎事務局長が説明を行い、会議に諮った結果、那須町土地改良区津久井恭夫理事長が選任された。
 続いて協議事項に移り、斎藤文夫部会長が座長となって進められ、(1)平成21年度活動報告について(2)平成22年度活動計画について(3)平成23年度県農業等施策並びに予算編成に関する建議・要請事項について、篠崎事務局長が説明を行ったところ、いずれも原案どおり承認された。
 次に、その他として、(1)平成23年度農業農村整備事業費概算要求等について、人見允農地整備課長から説明をいただいた。また、(2)平成23年度農業農村整備事業予算拡大陳情について、篠崎事務局長が説明を行い、協力を要請した。

 新たに委嘱された部会員は次のとおり。(敬称略)
  入野 正明(市貝町長)
  鈴木 俊美(栃木市長)
  石川 守久(大岩藤土地改良区理事長)
  椎名 英雄(思川西部土地改良区理事長)
  津久井富雄(大田原市長)
  大金 伊一(那珂川町長)
 任期:平成24年3月31日









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「森が育む水と暮らし」 〜見てみよう水土里のとちぎ〜
バスツアーを開催
 去る8月21日(土)晴天の中、水土里ネットとちぎは、参加者26名で日光市及び塩谷町へ初めてのバスツアーを開催した。当ツアーは、農業用水と水源林の役割などについて、理解を深めることを目的として、「農業用水水源地域保全対策事業」を活用した、農業者・一般住民・子供たちへの啓発活動の一環として開催したものである。
 今回は、今市ダムから農業用水に至るまでの「水の道」を巡るツアーと位置づけ、身近で四季折々に変化する鬼怒川の自然の魅力に触れつつ、豊かな自然の恵みと、技術のハーモニーからエネルギーを生み出す水力発電施設並びに農業用水取水施設の見学を行なった。
 午前の部、まず知識を得るため「TEPCO鬼怒川ランド」で、暮らしを支える水と電気について、見て・触れて・体験をして知識の充電を諮った。昼食は、緑豊かな「小百川桜公園」で、持参したお弁当をほおばった。午後の部、午前の知識を活かし「今市ダム」そして、地下100mにある「今市発電所」へ向けて出発した。ダムの目的や用途、また、滅多に見学することの出来ない地下発電所の説明を受け、参加者は熱心に聞き入っていた。



地下発電所にて記念撮影


 日光市をあとに、水源を鬼怒川に求め、かんがい用水を安定的に供給することを目的に施設を設け取水・かんがいしている「佐貫頭首工」へ向かった。ここでは、関係者より施設の概要についての説明があり、普段口にする農作物が出来るまでの水と農業の関係について、欠かすことの出来ない役割と重要さを現地で学んだ。
 無事にバスツアーを終えることができ、参加をされた皆さんからは、「普段では見られない場所を見学でき、すごく楽しかった。」「水の大切さ、水利用の凄さ、大変さがわかった。」「また、参加したい。」と多くの声が寄せられ、成功に終わった。
 今後ともこの事業について幅広く一般の方へ啓発し続けていきたい。

【今回の行程】
土地改良会館===杉並木公園===TEPCO鬼怒川ランド===お菓子の城===小百川桜公園===今市ダム・発電所===佐貫頭首工===ふれあいの里しおや===土地改良会館



鬼怒川に構える「佐貫頭首工」






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全日本中学生水の作文コンクール
栃木県審査会表彰式が開催
 栃木県と栃木県水の週間実行委員会主催による「全日本中学生水の作文コンクール栃木県審査会表彰式」は、去る8月5日、県公館大会議室において挙行された。この「作文コンクール」は、私たちの毎日の生活を始め、農業や工業などの産業活動を支える重要な資源である水について、次代を担う中学生を対象に、水の貴重さと有限性、そして水資源開発の重要性について考えていただくことを目的に、「水の週間」行事の一環として毎年開催されているものです。
 表彰式は、池田猛栃木県県土整備部長の開会挨拶に始まり、優秀賞5名、特別賞12名、佳作9名の方々に賞状と副賞が伝達た。特別賞の栃木県土地改良事業団体連合会長賞には、矢板市立泉中学校3年高野ひかるさんの作品「ミヤコタナゴが教えてくれたこと」(後掲)が受賞した。
 最後に、国土交省湯西川ダム工事工事事務所高橋所長が祝辞を述べ、「作品を読ませていただき文章の良さを感じるとともに、栃木県が水に恵まれた環境にあることを誇りに思う。また、これからも勉強にスポーツに励んでいただき、水保全のための取り組みを実践できる若い力となるよう期待する。」と結ばれた。


栃木県土地改良事業団体連合会長賞

「ミヤコタナゴが教えてくれたこと」


矢板市立泉中学校 3年  高 野 ひ か る



 「これ懐かしくない?」そう言って兄から手渡された物は、四つに折られ、色あせた小さな新聞の切り抜きでした。そこには、「日新小に主催者賞」とありました。平成18年、私たちの母校である矢板市立日新小学校は、「国の天然記念物であるミヤコタナゴの飼育と繁殖の成功」でコカコーラ環境教育賞の主催者賞をいただきました。全校生が50人にも満たない小さな学校で、しかも、日新小は昨年、泉学校に統合され廃校になってしまったので、今の私にとって、ミヤコタナゴの飼育の思い出は、何よりも懐かしく輝かしい心の拠りどころです。
 国と県の許可を得て、ミヤコタナゴが日新小にやってきたのは、平成16年の夏休み明けのことでした。地域の保護団体と共同で臨む、国の天然記念物復活の一大プロジェクトの始まりでした。その日から、私たちは、学校をあげて、水の管理や水槽の清掃、えさやり、観察記録の作成に追われました。最初は水やえさの管理がうまくいかず、繁殖は成功しませんでした。
 ミヤコタナゴが生息する一番良い状況は、人の手がある程度加えられた自然環境です。さらにミヤコタナゴの産卵場所であるドブガイはメタンガスの多い、深い泥の中では生きられないのです。矢板市ではミヤコタナゴが発見されたとき池に手を加えずに置いておいたら、ドブガイが死滅し、また水深が浅くなりすぎ水鳥のえさになるなどして、気がついたときには、ミヤコタナゴも絶滅寸前になってしまったという苦い経験がありました。
 そういった経験も踏まえて、市や県の水産試験場などの指導もいただきながら、飼育に取り組んだ結果、2年後にようやく孵化に成功したのです。小さな学校でみんなが苦労した分、産卵、さらに稚魚たちの誕生を確認できたときには、何にも代え難い喜びを味わいました。大切な宝を守りきったようで、本当に誇らしい気持ちになりました。
 一方、もともとミヤコタナゴが生息していた池では、市や地域の保護団体の方々によって、池の周りに水草を植えたり、定期的に泥さらいを実施して、昔の池の状態に戻す試みが行われてきました。そして、平成15年からは、ついに池での自然繁殖も見られるようになったのです。ミヤコタナゴ絶滅の危機が叫ばれたのが平成5年。10年経って、ようやく光明が見えました。けれども、まだ、昔の池の姿を取り戻すことはできていません。
 自分の体験や周りの状況を改めて考え直してみると、水環境を守ること、そして水と共存することの難しさが浮かびあがってきます。ミヤコタナゴの池でも分かるように、一度壊してしまった水環境は、容易に元には戻せません。けれども、ゴミの投げ捨てや、放置は後を絶ちません。子どもの頃遊んだ清流は、年々汚れていっています。私たちの環境に対する無自覚な行動が、周囲の水環境をどんどん蝕んでいます。「まだ、大丈夫。これくらい平気。」という安易な判断が、どれだけ危険か、いいかげん気づくべきだと思うのです。
 日本を代表する大型コンピュータ「地球シミュレータ」の予想によると、地球温暖化の影響で、気温の上昇はもちろん、今後地球では台風の大型化が進んで雨量が大幅に増えたり、逆に気流の関係から雨量が極端に減る地域がでたりするといいます。日本でも、世界の各国でも、それを物語る洪水や干ばつが現実のものとなっています。日本の、地球の水環境は今大きなうねりの中にあります。
 ミヤコタナゴの危機は小さな無知が生み出したものでした。水の危機的状況にある今、無知で、無関心でいていいはずがありません。ミヤコタナゴの復活は小さな手が努力を重ねて成し遂げたものでした。本当の危機が来る前に、私たちは水環境保護への自らの第一歩も踏み出すべきなのではないでしょうか。



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利根川水系農業水利協議会栃木県支部
会員及び幹事合同研修会を開催
 利根川水系農業水利協議会栃木県支部は、去る9月3日、支部会員及び幹事合同研修会を開催した。
今年度の研修会は、去る7月8日に行われた栃木県支部第2回幹事会において、幹事研修会と支部会員研修会を合同で行うとの決定により開催されたもので、大岩藤土地改良区理事長石川守久氏をはじめ、会員等32名が参加して開催された。
 農業用水の安定的な確保、管理また汚水処理対策等の水管理状況を視察する目的で行った今回の研修は、本会を午前8時に出発し、バス車中において福田信博栃木県支部幹事長(水土里ネットとちぎ事務局次長)より研修会開会の挨拶をし、午前10時より独立行政法人水資源機構霞ヶ浦用水管理所において、土木担当主幹田中氏より事業の概要、管理方法等の説明、講義をしていただきその後施設の視察、研修を行なった。
 午後1時より、社団法人地域資源循環技術センター美浦実験研修センターにおいて、同センターの概要を総括研究員柴田氏より説明、講義していただき、その後ビデオ、顕微鏡観察による水質分析の説明、施設の現地視察、現地研修を行なった。
 帰路車中において、野澤部次長より研修会閉会の挨拶をし、無事研修会の終了となった。また、今回の視察、研修においては、農業用水を含む水の重要性を再確認するとともに農業水利に対する理解・啓発を増進していく必要性を感じる有意義な研修となった。



霞ヶ浦用水管理所にて研修風景


顕微鏡観察による水質分析説明




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疏水フォーラムinひょうご2010が開催される
 近年、地球温暖化の進行や地球規模での気候変動に伴う大規模な干ばつの発生により世界の食料供給は不安定となっており、将来にわたり食料を確保するためには、作物の生育に必要な農業用水を守り続けることが重要となってきている。
 また、良質な農業用水を保全するためには、水源となる森林の果たす役割について、下流域の農家だけでなく、流域に住む国民全体に理解を深めてもらうことが必要となってきている。
 本フォーラムは、「水がつなぐ人と地域、疏水が結ぶ今昔」をテーマに、都市住民、次世代の若者も参画し、循環する水のネットワークを地域の貴重な資源として未来へ引き継ぐ「人のネットワークづくり」を目指し、平成22年7月4日神戸市の兵庫県公館において、全国の疏水並びに行政関係者等約500人が参加し開催されたものである。
 主催は「疏水フォーラムinひょうご2010実行委員会」であり、近畿農政局、兵庫県、全国水土里ネット、全国疏水ネットワーク、水土里ネット兵庫、東播用水土地改良区、兵庫県淡河川山田川土地改良区、兵庫県東播土地改良区で構成されている。
 午前中には、疏水ネットワーク通常総会が開催され、「平成21年度事業報告及び決算報告」、「平成22年度事業計画及び予算」、「平成22年度役員承認」の全ての議案とも承認・可決された。さらに、次回の開催地を東京都とすることを決定した。
 サミットは、午後1時に開会し、西村康稔委員長の開会挨拶に続いて、井戸敏三兵庫県知事が開催県の歓迎挨拶、来賓挨拶を齋藤晴美農村振興局次長が述べた。
 第1部は「水ネットワークの再発見」をテーマにとしたパネルディスカッションが行われ、林良博東京農業大学教授をコーディネーターに、パネリストには中瀬薫兵庫県立大学大学院教授と写真家である織作峰子氏が就き、先人たちが築きあげた水路施設の写真画像を基に熱心な議論が行われた。
 第2部は基調講演が行われ、兵庫大学ため池研究所所長である池元廣希氏をナビゲーターとし、いなみ野ため池ミュージアム運営協議会会長である玉岡かおる氏が「東播磨からのメッセージ〜つながりめぐる水のみち〜」と題して、文化遺産であるため池の保全を通じた環境保全を訴え、次に、兵庫教育大学准教授である南埜猛氏が「疏水とため池〜いなみ野の水利システムの今昔〜」と題して、水資源管理や水利施設及び地域資産について講演した。
 討論では、農村の高齢化、農業の国際競争への対応及び環境意識の高まり等、こうした状況が重なっておおきな曲がり角にきている「日本の水・土・里」について、広く国民の関心を集め、農地資源の価値を伝えることによって、育て、守らなければならない、との認識で一致した。
 最後に、全国水土里ネットの佐藤準専務理事の閉会挨拶で幕を閉じた。
 翌日の現地研修は、Aコース(東播磨)とBコース(北播磨、西播磨)で開催され、いずれのコースにおいても、先人たちが夢を実現させ今日の農業の根底を作り上げた歴史的偉業をいたるところで垣間見ることができ、参加者は感銘を受けていた。












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とちぎ"食と農"ふれあいフェア2010開催のお知らせ
(会員支援課よりお知らせ)
 『美味しい食とのめぐりあい♪ 「とちぎ食の回廊」』をテーマに、健全な食生活の実現に向けた情報発信や各地域の農産物・名産品の展示販売、農業体験や「食」の魅力と地域資源を結びつけた「とちぎ食の回廊」の紹介など、県民の元気につなげる"食と農"の総合的な祭典を目的として開催します。



開催日時 平成22年10月23日(土)〜24(日) 午前10時〜午後4時
開催場所 栃木県庁及び大通りまでの周辺施設

お問い合わせ
とちぎ"食と農"ふれあいフェア実行委員会
事務局:栃木県農政部農村振興課
 住所 〒320-8501 宇都宮市塙田1―1―20
 TEL 028―623―2333
 FAX 028―623―2337
 Eメール noson-sinko@pref.tochigi.lg.jp


※私たち「水土里ネットとちぎ」も出展します。水の循環「ジオラマ」の展示や生き物の展示など見ごたえあるブースになってます。是非、お立ち寄り下さい。



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「水を見て!農を考え!恵を味わう!ふれあいウォークin佐野」
〜水土里の魅力を再発見してみよう〜 開催のお知らせ

(会員支援課よりお知らせ)
 私たちの命を繋ぐ安全・安心な食料を生産するためになくてはならない農業用水について理解を深めていただくことを目的とした「農業用水水源地域保全対策事業の啓発活動」の一つとして開催します。
 皆さん、ふるってのご参加をお待ちしております。

開催日時  平成22年11月6日(土) 午前10時〜午後3時予定
      ※参加費無料
集合場所  吾妻排水機場       (栃木県佐野市下羽田町1172―1)
コース   佐野市羽田〜田島地内       約9.6km
その他   当会ホームページ参照       http://www.tcgdoren.or.jp
お問い合わせ    水土里ネットとちぎ 総務部 会員支援課    TEL 028‐660‐5702

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農業基盤整備資金のご案内
 農業基盤整備資金は、農業生産力の増大、生産性の向上を図るための生産基盤の整備や農村環境基盤の整備などに係る費用に対して長期・低利な融資を行う、株式会社日本政策金融公庫(農林水産事業)及び沖縄振興開発金融公庫の制度資金です。
 なお、借入時の金利は、金融情勢により変動しますので、最新の利率は最寄の(株)日本政策金融公庫(農林水産事業)に確認ください。

【平成22年8月18日現在の利率】
区 分融資期間にかかわらず
補助事業県 営1.45%
団体営1.30%
非補助事業一 般1.30%

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生きもの調査が農村の活性化に寄与する過程
水土里ネットとちぎ 会員支援課 倉井佳益
 農地・水・環境保全向上対策で共同活動に取組む活動組織は、4年目の今年度で378組織となりました。本県では、共同活動における"生きもの調査"が必須要件であり、全ての活動組織が取組んでいます。本報では、生きもの調査を契機とし、農村振興につなげた過程を例示します。
 まず、対策に取組むきっかけは「交付金」や「対策の内容に賛同」と答えています。しかし、組織を立ち上げた後にビジョンがまとまらず、どう活動したらよいのか、どう地域をまとめていったらよいのかなど、様々な不安があったようです。それらの不安を打破する要因となったのが"生きもの調査"と"生態系保全活動"です。生きもの調査は、生物の生息状況の確認にとどまらず、その結果を基にした水田魚道をはじめとする生態系保全対策の実施、世代を越えた参画、環境教育など、地域を見つめ直す大きなきっかけとなったようです。なお、生きもの調査の進め方に対する不安や今後の活動に対する疑問は、生きもの調査アドバイザーを活用することでおおよそ解決された事例が多いようです。
 これら活動組織にみる事例から、農村コミュニティの活性化に対しては、アドバイザーのようなけん引役を担える人材の育成が重要となります。その人材には、生きものに対する視点に加え、郷土愛や地域が歩んできた歴史への想いが望まれるのではないでしょうか。





図.生きもの調査が農村の活性化に寄与する過程



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宇都宮大学インターンシップの受入れ
水土里ネットとちぎ 農村整備課 小野 敬之
 8月30日〜9月10日の計10日間、宇都宮大学農学部農業環境工学課3年の学生4名のインターンシップ(学生が在学中に自らの専攻や将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと)を受入れました。農村整備課で受入れた2名は、ほ場整備前の基礎調査や内業、環境配慮検討会への出席など、幅広い業務を経験しました。特に環境配慮検討会では、行政、農家、専門家の方々が多数出席する中で意見を求められるなど、緊張感ある経験もできました。測量課で受入れた2名は、気温35℃を超える猛暑の中、連日測量作業に従事しました。大学の測量演習とは一味違った測量や、地元関係者の立会いなど、現場ならではの経験や現場作業の厳しさなどが体験できました。2週間という短い期間でしたが、これから就職活動や卒業論文に取りかかるにあたり、この経験がプラスに働いてくれれば幸いです。
 また、筆者は業務の目的・必要性を的確に教え、作業内容を段取ることの難しさを改めて実感しました。これからは業務を遂行するだけではなく、目的意識をもって行うよう心がけたいです。受入れる側にも新しい風が職場を活性化させる効果等があると思いますので、今後も継続的に受入れるための体制を整え、社会貢献していければと思っております。





☆インターンシップスケジュール

荒川 才大栗 和大小池 大河篠原 和輝
8月30日(月)植物調査(ほ場整備)植物調査(ほ場整備)確定測量(ほ場整備)確定測量(ほ場整備)
31日(火)換地実務研修農道速度調査/換地実務研修資料整理(農地・水)資料整理(農地・水)
9月1日(水)資料整理(農地・水)資料整理(農地・水)
2日(木)確定測量(ほ場整備)確定測量(ほ場整備)
3日(金)法線検討調査(ほ場整備)法線検討調査(ほ場整備)河川道路境界調査(ほ場整備)
6日(月)レポート作成レポート作成一時利用地筆界杭打設一時利用地筆界杭打設
7日(火)環境配慮委員会(総合整備)環境配慮委員会(総合整備)基準点測量(ほ場整備)確定測量(ほ場整備)
8日(水)経済効果算定/レポート作成経済効果算定/レポート作成一時利用地測量(ほ場整備)
9日(木)路線測量(農道)路線測量(農道)基準点測量(ほ場整備)
10日(金)路線測量(農道)路線測量(農道)

☆インターンシップを終えての感想
荒川 才大栗 和大
 普段の大学生活では経験できない貴重な体験をさせて頂きありがとうございました。また、職場の方々にも優しく接して頂き、仕事以外の話も出来てとても楽しい時間を過ごすことが出来ました。また、農業農村整備事業に興味を抱き、これをきっかけに勉強をして将来の自分に役立てていきたいです。 今回、インターンシップに参加させていただき、多くの貴重な体験をすることができました。現場では栃木県の農業や自然環境の現状を知ることができ、勉強になりました。お忙しいところを職場の方々にはやさしく接していただき、とても感謝しています。現場の体験で得たことを大学の勉強、研究に繋げていき、活かしていきたいです。
小池 大河篠原 和輝
 今回のインターンシップでは、農家の方々の立会いのもと測量を行ったり、基準点を設置するなど、普段の大学での授業では学ぶことができない、貴重な経験がたくさんできました。中でも、実習のときに必死でやった"対回"の作業を、自動でグルグルと動いてやってくれる「トータルステーション」には感動しました。農業土木の教員免許の取得を目指しているため、教育実習ではただ漠然と教えるのではなく、「路線測量」「基準点測量」「細部測量」などに、どのような意義があるのかしっかり伝えて、目的を明確にして授業や実習に臨ませたいです。 今回測量課においてインターンシップを行う中で、土地改良についての様々な事を勉強させていただきました。土地改良の方法、管理面、利点等今まで知らなかった事がたくさんありました。特に、地元の土地改良の役員の方々と一緒に杭を打った時は、面積の増減やお金に関わる話などを聞き、とても責任のある仕事だと感じました。何もわからない私に皆さん優しく色々な事を教えて下さったので、有意義なインターンシップを行う事ができ本当に良かったです。

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日本政策金融公庫宇都宮支店からのお知らせ


【本件についての御照会は】
(株)日本政策金融公庫 宇都宮支店 農林水産事業
〒320-0026 宇都宮市馬場通り1-1-11 宇都宮TDビル3階
TEL 028-622-9195  FAX 028-622-9199  ホームページ http://www.afc.jfc.go.jp



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平成22年7・8・9月主要行事報告
7月
行  事
1安足管内農業農村整備推進懇談会
2本会第2回監事会
4〜5疏水ネットワーク通常総会及び疏水フォーラムinひょうご2010
23本会第2回理事会
27〜28第52回土地改良団体職員研修会
30平成22年度換地業務新規担当者研修会

8月
行  事
5第32回全日本中学生水の作文コンクール栃木県審査会表彰式
10農業農村整備事業予算に関する要請活動
10〜11関東一都九県土連総務、調査設計、施設管理、換地担当部課長会議
20第1回田んぼまわりの生きもの調査インストラクター養成講座
21農業用水水源地域保全対策事業鬼怒川流域見学会
24第85回本会臨時総会
24〜25平成22年度会員研修会
26平成22年度塩谷地方土地改良事業推進協議会通常総会
27栃木県農地・水・環境保全向上対策推進協議会第1回内部監査

9月
行  事
3利根川水系農業水利協議会栃木県支部・幹事合同研修会
7平成22年度第1回農地利用集積推進対策会議
17関東一都九県土地改良事業団体連合会協議会事務責任者会議
17関東地区農村総合整備推進連絡協議会事務責任者会議

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表紙写真説明

表紙の写真『またおこすのか』

○撮影者
 宇都宮白楊高等学校  1年 猪瀬 華奈 さん

○コ メ ン ト
 平成21年度「美しいとちぎのむら写真コンテスト」農業部門で見事優秀賞に輝いた作品です。
 審査講評は、「広々とした田園風景に、働く人の姿をうまく組合せ、色がきれいである。明るい風景がよく表現され、見ていて気持ちがよい。」というものでした。

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